殉夢(T・S・H・R)
たちかわ いきる
アルチザンの果て
春夢に衝かれ 夏夢に憑かれ 秋夢にて疲れ 冬夢に突かれ ただ それはジンタ
同じ一生の夢 同じ届けぬ夢 同じ叶わぬ夢 ただ それもジンタ
同じ血も自ら 同じ涙も自ら 同じ汗も自ら 故に
春夢におびえ 夏夢におぼれ 秋夢をおぼえ 冬夢をおぶる 再び それはジンタ
挑みたい由に 叶えたい由に 殉じたい由に 見ろ 春夢に衝かれ 夏夢に憑かれ
秋夢にて疲れ 冬夢に着きて 純夢
裏切を微笑し 逆撫を覚悟し 私淑に恋をし 焦がされた性 これ
春夏秋冬夢枕 すなわち「殉夢」
(了)