呪われた女8
立川 M 生桃
たけのこ婆は、巨大な百足から、グルグル巻きに締め付けられていた。そこに、金の宝珠を持った、美しい女が現れた。
た。助けてください。そう心で祈った。
すると、たけのこ婆は、気を失っていたのか?
気がつくと若い女が、何やらお経を唱えていた。百足も居ない。
毘沙門天も、ただの仏像だった。
わたしゃ。夢でも見たのか?
金の宝珠を持った、美しい女の姿は無かった。
何が起こったのか? わからなかった。お堂を出ると天狗が般若湯を飲んで寝ていた。
天狗どん。起きとくれよ。
たけのこ婆は、お堂で、見たこと全てを話した。天狗は、また、鼻くそをほじりながら。たけのこ婆に丸めて投げた。
お前は、信仰心が無い。全くない。そんな事で、いったい何を願い、救って欲しいんだ。
臍が茶を沸かす。わしの臍胡麻でも食え。
そう言って、何の説明もなかった。たけのこ婆は、自分の本当の悩みを打ち明けた。
天狗は、黙って、たけのこ婆を小さくして、懐に入れ何処かに飛んだ。
しばらくすると、大きな屋敷に着いた。
たけのこ婆は、元の姿になると、天狗がお前、ここで山姥に会ってみろ。
どんなに辛くても根をあげるなよ。
そう言って空高く飛んで行った。
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