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呪われた女4
立川 M 生桃
お堂から一目散に逃げが帰った。たけのこ婆は我に返って、しばらく考え込んでしまった。
わたしゃ。いったい何をしにお堂に行って、お守りだと授かった勾玉を毘沙門天に投げてしまったのか?
全く何がなんだか訳がわからず。途方にくれた。
あ。 そうだ、あの河童に会って聞かなければ、納得がいかない。
たけのこ婆は、すぐに河童の所へ行った。
すると、今度は、長老の権助が滝に打たれていた。
おーぃ。権助どん。あんたに訪ねたい。たけのこ婆は、今まであった事の全てを話した。
そして、疑問に感じた事を聞いてみた。
すると河童の長老の権助が、たけのこ婆さん、あんた、試されたんじゃ。 それがわからんのか?
毘沙門天の眷属は、百足じゃ。その百足が勾玉から出た。その勾玉を早う探して持ち帰らんと、あん大変じゃ。
それを拾ったもんが得するぞ。
えっ? どういう事?私にわかるように説明しておくれよ。
馬鹿もん! つべこべ言わずに早う勾玉を取り戻せ。
たけのこ婆は、慌てて、隣の山のお堂に行きました。
しかし、怖くてお堂には入れませんでした。すると、そこへ若い女が近寄ってきました。
若い女がお堂に入ろうとすると、たけのこ婆が、あんた、ちょっと私がそこに忘れた勾玉があるから探しておくれ。
そう話しかけました。若い女が、私は毎日、ここへ毘沙門さまの所へお参りしておる者です。
忘れ物なら、自分で取りに行ってください。
何をそんなに震えていなさるのですか?
たけのこ婆は、今まであった事を全て話しました。
すると若い女が、あなたの勾玉なら、あなたが探して初めてご利益があるというものです。
そう言って断られてしまった。