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マツコもたぶんあんま知らない海外オタクコンテンツの世界

こう書くと面倒くさいオタクみたいになってしまいますが、日本のサブカルチャーが海外でも一定の人気、影響力を持っていることは間違いありません。
NARUTO、ドラゴンボール、ジョジョを始めとしたジャンプ作品有名どころが大好きな人達はもちろん、海外版アニメ評論サイトも多く存在し毎期毎期ニッチなアニメを追っては今期の覇権アニメを話し合っているような、日本のアニメオタクと大差ないような海外オタクもかなりいます。
webカメラで顔出しをしながらアニメを見るリアクション動画という独自の文化も存在したりしますね。海外の反応シリーズ~みたいなので、見たことある人もいるのではないでしょうか。
アニソンシンガーが海外ツアーを行っているのも珍しい光景ではありません。それだけ需要があるということです。

この勢いは、“日本かぶれ”を意味する『weeaboo』というスラングができるほど。
日本のサブカルチャーが好きすぎるあまり、日本のことを全肯定。日本人に憧れを持って同じような行動をしたがる人たちを指します。
日本によくいるでしょう、アメリカかぶれの人。あれの逆バージョンだと思うと分かりやすいかもしれません。
ここまでオタクカルチャーが世界へ進出するようになった要因は紛うことなきインターネットの力。
社会と同じように、オタクにもグローバル化の波が押し寄せているのです。

そして近年、海外オタクはコンテンツを日本から“受け取る側”だけではなく“生み出す側”としても動き出しました。
もはやオタクコンテンツ、二次元コンテンツというのは日本だけのものではなく、世界共通の文化に広がりつつあるのです。
中国では、ドールズフロントラインやアズールレーンを生み出しては日本への逆輸入が進んでいたり、ニコニコ動画をパク…オマージュしているbilibili動画がかなりの流行をしている模様。
Vtuber文化も人気みたいで、日本のVtuberがbilibiliでも活動しているのをよく見ます。
これからは、自国の作品だけではなく海外産オタクカルチャーにもアンテナを向けることが新世代のオタクといえるでしょう。変わり続ける環境に適応し続けるものだけが勝者となるのです。
ということで実例として、日本のオタクスピリッツを受け継いだ海外オタクコンテンツを三本ご紹介します。





Undertale

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まずは一番の有名どころ。
ファミコン時代を彷彿とさせるドット絵のRPGで、「誰も死なせなくてもいいRPG」「全てのボスと友達になれる」という謳い文句で有名になりました。
当初はsteamで発売されたインディーンズのPCゲームでしたが、switch版が発売しては天下のスマブラにコラボ要素が進出するまでに。
僕は浪人時代にこの作品を知り、パソコンがなかったのでプレイ動画で済ませてしまったのですが我慢してやればよかったと後悔しています。

この作品の特筆する点は何といっても素晴らしい音楽。
一応ラスボス?戦のBGMであるMEGALOVANIAはやったことがなくても聞いたことのある人は多いのではないでしょうか。
僕が一番好きな曲はASGORE。



メイン開発者で音楽群を手掛けたTobyFox氏は日本の数々のゲームに影響を受けたことを明言しています。

MOTHERシリーズと東方Projectのファンで、確かにゲームの雰囲気とストーリーからはMOTHER、戦闘システムや音楽へのこだわりからは東方の面影が見えてきます。

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このザ・オタクエピソードが大好きです。親近感を持たざるを得ません。
続編?のDELTARUNEも楽しみですね。



RWBY

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Rooster Teeth Productionsが制作するフル3DCGアニメシリーズ。
Season8を越えなお続く超長期シリーズです。てーきゅうもびっくりですね。
僕が見ていた時は有志の方がつけてくれた日本語字幕版を見ていたのですが、最近では有名声優が吹き替えを担当している日本語版も発売しているみたいです。いかんせん英語に弱いもので…

人類の脅威であるグリムと戦う少女たちの成長の物語です。
RWBYの四文字はメインキャラ4人の頭文字と、メインカラー赤白黒黄からとったもの。
僕が一番スチなのはwhiteのワイスちゃん。
前半のキリキリしてるワイスも後半の垢ぬけたワイスもたまらんですね。

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この作品の最大の特徴であり武器でもあるのが戦闘シーン。
3DCGをフルに活かしたアクションはめちゃくちゃ動きます。

7年前でもこのクオリティ。
始めてこのトレイラーを見たとき、僕はデビルメイクライみを感じたんですけど、公式インタビューによるとアニメブラック★ロックシューターの影響を受けているそう。

言われてみれば似てるかな…?

RWBYの原作・脚本・監督を務めたMonty Oum氏は、元々HALOと日本ゲームをクロスオーバーさせた3Dアニメを個人製作していて、バンダイナムコで働いていた経験もあるそうです。
実際RWBYの企画も彼がぽっと思いつき、先ほどのRedTrailerとWhiteTrailerを一人で完成させるという、化け物であり天才監督でした。
しかし、RWBYSeason3制作中の2015年、アナフィキラシーにより33歳という若さで亡くなります。
彼亡きSeason3、僕の率直な感想として一番の売りであった戦闘シーンから目に見えてスピード感が失われてしまったように感じざるを得ませんでした。
いかに天才一人がRWBYという作品の中で大きな存在だったのかと。
ここで一度僕は見るのをやめてしまうのですが、話数を重ねるごとに改善され、戦闘シーンにも爽快感が戻り今では謙遜ないどころかクオリティアップを重ね続けています。
亡きMonty氏の意思を継いで世界観もストーリも展開が広がっていくRWBY、目が離せません。


VA-11 Hall-A

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ベネズエラのゲーム開発SukebanGamesが発売したインディーンズゲーム。
Cyberpunk Bartender Actionを謳っていて、主人公は近未来のディストピア社会でバーテンダーとして働いています。
基本的にはバーに来店する客たちと会話をするノベルゲーム。
客にどのカクテルを提供するかで話が分岐するというものです。
バーナンバーVA-11のホールAにあるバー、と書いてヴァルハラと読みます。オサレ。

このゲームの特筆する点は魅力的なキャラクター。これに尽きるでしょう。
各々様々な設定を持ったキャラクター達と会話を進めていくことで、相手のバックグラウンドや人物像が少しずつ見えてきます。
世界観こそSFなものの、お話自体は登場人物達の等身大の物語です。
サイバーパンクならではの悩みがあったりして面白い。

舞台も働くバーと主人公の自室だけ。
会話から得られる少ない情報から想像力が膨らみます。
あとは、チラホラとオタク向けのパロディネタもあったり、酒の勢いで下ネタの話になったりならなかったり。
是非夜にお酒を飲みながら、登場人物達との会話を楽しんでもらいたいゲームです。
良いバーの雰囲気を作り出すのに欠かせないのはやっぱり音楽。あまりに良いのでサントラも買ってしまいました。
Every Day Is Nightは僕が深夜に流れてて欲しい曲No1です。

SukebanGamesへのインタビューでは、彼らが割と小さいころから日本のアニメに触れていたことが語られていました。
ヨーロッパに輸入された日本のアニメのスペイン語訳が南米に流れてきた際にブームが起きたそうです。
アニメの影響をモロに受けているのはキャラクターデザインに現れています。
一番わかりやすいのがステラ・星井ちゃん。

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猫耳、眼帯、ドリル神とオタクが好きな奴欲張りセットみたいなキャラです。
ビジュアルノベルという作風から、グラフィックがドット絵なのも90年代のエロゲ全盛期のころの作品からインスピレーションを受けたそうで。

他、VA-11 Hall-Aの魅力については語りきれませんので、興味のある方はこちら記事を読んでみてください。サイバーパンクが好きなオタクなら絶対刺さります。
そして買ってプレイするのです。セールもよくしてるヨ。



以上三本のご紹介でした。
他にもDDLCとかかたわ少女の紹介もしたかったんですけど、長くなってしまうのでまたの機会に。

10年オタクをやっていて日本オタクカルチャーの海外への浸透は年を重ねるごとに感じてきました。
例えば、アニメの作画一つとってもそうです。
6,7年前くらいから日本アニメの制作の一部を東アジア、特に韓国の会社に下請けとして一部任せることはたまに見かけるようになりました。

僕の韓国への制作委託で一番印象に残っているのはプリティーシリーズ。
プリリズの頃には日本のリアルアイドルと韓国のリアルアイドルを取り上げてアニメにするなど割とズブズブな関係でした。
しかし、超ハイクオリティ3DCGのライブシーンに対して、韓国制作会社が担当してる日常シーンはお世辞にも良いものとは言えません。
ある意味プリパラなんかは、作画が低クオリティで滅茶苦茶の日常シーンと、ハイクオリティでキラキラしているライブシーンとのアップダウンがジェットコースターみたいで一つの作風になってたりもしましたが。

と、海外のアニメ制作もまだまだやなと思っていたわけです。
それが去年覆されました。
皆さんは天気の子は見ましたか?
僕はあの作品が大好きです。新海誠作品の中で一番好き。
新海誠作品と言えば、文句なしのトップクラスの作画です。
最先端のアニメーションのエンドロールには、たくさんのKim、Park、Leeのアルファベットの文字。
たくさんの韓国人が制作に携わっていたのです。
最初こそ感動でエンドロールはまともに見ていませんでしたが、三回見に行ったので、3回目には韓国のアニメ制作会社への認識を改めました。

これからはオタクライフを満喫するためにも英語がマストになるのかもしれません。
でも僕は中学レベルの英語すらできないのでとっっっっっっても困ります。助けてGoogle翻訳。

オットセイに課金してもガチャは回せません。