書く人になるpm9:00
pm9:00。
最近は決まってこの時間にnoteを書いている。
決めているわけじゃない、気付いたらいつもこの時間。ご飯を食べてお風呂に入って、なんだかんだしてこの時間。
ひとことで言えば寝る前の1時間。
それは、ここ最近の私の文を書く時間である。
文から逃げて生きてきた
文を書くことにずっと苦手意識があった私は、noteを始める時もドギマギしていた。
私のようなものが書いていいのだろうかとも思っていた。
小学生の頃の読書感想文。読んでもないのに書いていたような子供時代だった私だ。
きっとnoteを書く人、読む人はみんな小さな頃から本が好きだったりするのではないだろうか。と勝手に思っている。
上手にはきっと書けない(きっとどころではない)
他の人と私は本を読んできている歴史が違う。
小説を読むよりも数式を解いているほうが自分の性には合っている。
そうやって理由をつけては「本」「文字」というものからなるべく遠ざけて生きてきたのだ。
本の楽しさを知った日
こんなんじゃダメだ、と思い始めたのは4年前。
ふと本屋さんで目に入った松浦弥太郎さんの本を手に取り気付いた時にはすでに買っていた。
なぜだか今でも分からない。
近くのカフェでランチした帰り道だった。
入口を入ってすぐ目の前の棚だったから、きっとその時の売り出し中のおすすめ本だったのだろう。
松浦弥太郎さんという名前はさすがに知っていたし、なんとなくは読んだことはあったけど"ちゃんと"は知らなかった。
その本を読んだ時、雷に打たれた。
まるですぐ隣でささやかれるような言い回し。
やわらかな伝え方、話し方。
スルスルとからだの中を通り抜けていく文字たち。心地がよく、さらっと読み終えた。
きっといろんな" タイミング "が良かったのだと思う。その時の自分の心境、状態、思考にピタッとはまった瞬間だった。本に救われた。本っていいなと思えた。
それまで正直本は苦痛だと思っていた。
読んだ方がいいことは分かっていたので「頑張って」読んでいた。
しかし、それでは続かないし頭に入ってこないことも同時に分かっていたから心から面白いとは思えていなかったのだ。
だから、本が楽しい!と思えたことだけでも私にとっては進歩。そして世界が変わって見えた。
そこからというもの、本が手放せなくなった。これは自分でも予想外すぎて驚いている。
今は生きているうちにあとどれだけの本が読めるのか不安になったりするほどだ。なんてったって、今までの時間を取り戻さなければならない、とまで考えて焦ったりもした。
それはまったくもって意味がない。過去は戻らない。そして本来焦る必要はなかった。
本を読んでこなかった時間、映像やアート、建築、旅などその時間で私自身見てきたものは沢山あったはず。それを体験してきた自分自身が何よりも「思考」「妄想」していたのだから。
頭の中の鍵付きボックス
今頭の中には長年眠ってきた沢山のボックスがある。私はずっと全てに鍵をきちんとかけて、外に出すということ、、アウトプットすることをしてこなかった。
頭の中にどんどん増えていく鍵付きボックス。
もういいかげんにしたかった。
シェアしない、人に話すことがとてつもなく苦手な私は普段も人の話を聞いている方がラクだ。
質問することは得意で話を広げたり引き出したりすることは出来ても、自分の話になると急に口下手で上手に話が出来ない。
仕事や夢の話は出来るけど、自分自身のことパーソナルな部分にせまられるとどうしても逃げてしまう。恥ずかしさが心を覆っている。
シャイな自分は、自分らしさを上手に人に伝えることが出来ていない。そちらのほうが恥ずかしいことだと今は分かっている。
危機感を感じていた。だから本を読んだ時にコレだ!と思った。
本に答えが書いてあるって、本当だったんだ。
私は、言葉は考えたら考えた分だけ生まれるものだと思い込んでいた。
しっかり考えて奥深くまで入り込んで、自分自身のねっこから生まれる何の曇りもない言葉が本物だと思っていた。
それはただの勘違いだった。
もちろんそういったこともあるけれど、言葉は触れて覚えるものなんだ。
知って、使って、自分のものになるんだとやっと分かった。
まったく本当に私は不器用な女だ。
最初からマニュアルはあるのに、自分の中だけで生み出さないと意味がないと潜り込んでいた。ということに気づいたのだ。
それからはいいなと思う言葉はメモをしたり、自分の口から話したりするようにしている。
そんな風にして私の文字との向き合い方は始まった。楽しんで真似てみる。そして好きになる。
noteで何を書こうか悩んでいたけれど、悩んでも仕方がないから、とにかく頭の中の鍵付きボックスを開けて開けて開けまくろう作戦で参ろうかと思う。
どうなるか分からない。
そして話し方も変わるかも知れない。
そんなことは頭で考えてはめていくことは好きじゃないからやめよう。
楽しんで文字を書く。
楽しんで伝えたいことを書く。
また明日もpm9:00に私は書く人になると決めている。
〜オヴァ〜