ゼロ・ウェイスト宣言をしている町。徳島県上勝町へ
こんにちは!
今回は、徳島県の山間の町、上勝町へ行った話をしていきたいと思います。
徳島空港から車で1時間ほどに位置する、徳島県上勝町。
最近ではサスティナビリティな町としてメディアでも拝見するようになりました。
この町は2003年に自治体としては日本初の「ゼロ・ウェイスト宣言」を行っています。
今から19年も前から活動していたということに、まずは驚きました。
今となってはSDGsやサスティナブル、エシカルといった言葉をよく聞きますが、今から約20年前から町をあげて取り組んでいたなんて。
そんな上勝町に2020年にオープンしたゼロ・ウェイストセンターは、町の人々のゴミステーションとしてありながら、体験型宿泊施設にもなっています。
上勝町がゼロ・ウェイストの取り組みを始めたきっかけとは
小さな山間部にある上勝町は、ゴミ処理の問題が多くあったそう。例えば、財源の確保や一時問題になったダイオキシンなどです。
各家庭で行っていた「野焼き」(農地や空き地など、野外で家庭ごみや事業所ごみを燃やすこと)も、法改正が進む中で次第にできなくなっていきました。
たしかに私が小さな頃は、実家のすぐ近くの畑や田んぼで野焼きをしている人がそこらじゅうにいたのを思い出します。
時期になると、風で流れてくる煙の影響で母が
「洗濯物が臭くなる」「頭や目が痛くなる」と、ぼやいていたのを今でも覚えています。
ゴミ処理の課題は多くありながらも、上勝町は1997年にゴミを資源化するためのゴミステーションを作り上げました。
最初は9つから始まった分別でしたが、焼却後の'灰'の問題が浮上。
その課題はさらに燃えるゴミを減らすために
22の分別まで広がりました。(とてもすごい数)
ですがダイオキシンの問題は解決できず、更なる分別を余儀なくされていきました。
ゼロ・ウェイスト宣言へ
そんな独自路線で、今でいうサスティナブルな取り組みをいち早く行っていた上勝町。
そこに化学者であるアメリカ人のポール・コネットさんがやってきます。ポールさんは、世界のゼロ・ウェイスト運動のリーダーです。
それをきっかけに上勝町は、日本の自治体では初めての「ゼロ・ウェイスト宣言」をしたのです。
ゼロ・ウェイストとは?
そもそもゼロ・ウェイストとは何のこと?
聞いたことあるけど分からない方のために、少しだけ説明をしたいと思います。
ゼロ・ウェイストとは結論から言うと「ごみをゼロにしようよ」っていうことです。
できるだけ廃棄物を減らそうと動くこと。
私たちが生活の中で出来ることで例えれるなら、
✔️なるべくゴミの出ない生活スタイルを取ること
✔️ものの流通においてシェアサービスやレンタルサービスを活用すること
などが、簡単に出来ることかなと思います。
つまり、資源を浪費しない、無駄をなくす暮らし方をすることです。
私も何かモノを買う時に一旦考えるようにいています。衝動買いはやめること。
あと普段からやっているのはメルカリです。
東京に住んでいた頃の2014年から始めて、もう8年になりますが、これも普段私たちが行なっているゼロウェイストの一貫ではないでしょうか。
あとはペットボトルは買わないようにしています。
どこかへ行くときはマイボトルで。夏は何本か持っていきます。
単純にペットボトルはゴミとして出す時に、分別して、必ず決められた日に捨てないといけない事のほうかま大変だと考えています。
なので、そういったゴミを出さない生活スタイルを取るとそんな煩わしさからも解放されました。
アップサイクルされたデザイン
ゼロ・ウェイストセンターは山の中の広大な敷地にありました。景色も良く、風も気持ちよく通り抜けます。
私が行った時は快晴で、日当たり抜群。芝生で座りくつろぎながらお話ししている方たちも居ました。
横長で色んな窓がリノベーションによって作られています。素朴なのに目を惹くデザイン。
建築もあるものでリサイクルしながら作られていて、簡素ながらも美しくシンプルでとても素敵でした。
窓も古い民家の窓を再利用されているのかな?といった感じ。こういったところにも細かくアップサイクルを取り入れていました。
ゼロ・ウェイストセンターを楽しむひとつとしてぐるりと周ってみてほしいです。
町民のための循環スペース「くるくるショップ」
ゼロ・ウェイストセンター内に入っていくと突如現れる「くるくるショップ」
ここは不要なものを町民なら誰でも置いていくことができて、持っていくのは無料で誰でも大歓迎というシステム。そんな、循環型リサイクルショップだ。
まだ使えるものをゴミとして破棄するのではなく、町内外で循環させるための仕組みが行われていた。
衣類や食器だけでなくサッカーボールや、家電なども置いてありました。
使う頻度や、使い方に合わせて自分で選べるところが循環システムの良いところ。自分にはもういらないモノでも、他の誰かにとってはいるモノになる。
限られた中から自分にフィットするものを探すのも面白い。自分の価値観を知る良いきっかけにも。
他にも、町民の方々が気持ちよく分別に協力できるよう「ちりつもポイント」というポイント制度もはじめているそう。
これは資源をきちんと分別してくれたり、町内での買い物にマイバッグや容器を持参したりすることで、ポイントが貯まるシステムです。
溜まったポイントに合わせて、さまざまな日用品と交換できるそう。なんて素晴らしい、、!
若者が集まる町、上勝町
そういった取り組みに自分も加わりたい、チカラになりたいといった若者が集まり移住やUターンをする人も増えている、上勝町。
私が行った時も若い人がけっこう来ていました。
近くに上勝町のマイクロ・ブリュワリー「RISE&WIN Brewing Co. BBQ & General Store 」があり、そこへも立ち寄ってみましたが、店員さんのほとんどは、皆さん若い人でした。
そうやって若者の雇用を生む場所もしっかりあり、本質的な取り組みをしているところが、上勝町を訪れたことでひしひしと感じれました。
ゼロ・ウェイストセンターの宿泊施設に泊まると、宿泊者が自分が出したごみの分別を体験できるそう。
今度訪れる時は是非体験してみたいと思いました。
意識して暮らすこと
実際、メディアでたくさん目にするサスティナブルに暮らそうという言葉。
私も出来ればそうしたいと思いつつ、なかなか自分で納得するところまでの暮らし方は出来ないままでいました。
この6月から私たち夫婦は居住地を変え、古い一軒家で暮らし始めることに決めました。
そこでは、ずっと取り組みたいと思っていた人にも動物にも自然にも優しい暮らし方を実践していこうとしていたので、やっとそのスタートにたてるタイミングでの上勝町の来訪は、とても心が引き締まる体験になりました。
人にも場所にも'気'というものがある。神は細部に宿るとはそうゆうことだと体感して心底思いました。