How Google Works

今回ご紹介する「How Google Works」はここ数年読んだ本の中で最も自分の中で影響の大きかった本です。言わずと知れたGoogleにおいて、どのようにして革新的な企業体質を維持するか、その哲学が詰まっています。

企業は長年運営されると保守的な体質になっていきます。しかし、日進月歩のテクノロジー業界で、それは死を意味します。その罠にはまらないよう、著者で当時のGoogle CEOエリックシュミットやラリーペイジは今までの常識に囚われない企業運営を展開していきます。

特に感銘を受けたアイデアが2つ、

1つ目はGoogleではTGIFと呼ばれる会議が毎週金曜日にあります(英語がわかる人なら、TGIFがなぜ金曜日なのか良くご存知ですね)。それは、社員が会社の上層部に直接意見をぶつけることが出来るというものです。これにより、Googleは数人の権力者による意思決定だけで運営する経営形態から脱却することに成功しています。

2つ目はGoogle社内の情報は全員に共有されるということです。全ての人間がGoogleの運営に責任を持って欲しいという願いからです。

この2点に共通することは、運営者は自分たちが採用した人材をとことん信頼しているということです。また、自分たちだけの力では革命は起こせないということを十分に理解しているということです。

日本の企業体質はとても閉鎖的です。自分が関係しない仕事は知る必要はない、そして情報は共有されないことが一般的です。また、上層部も自分たちだけの判断で運営し、下々の意見は軽視しがちです。かのPanasonicの創業者である松下幸之助も自身の考えを階級隔てることなく、多くの人と共有し意見を求めたと言います。確かに、社員から意見を徴収するということは非常に勇気のいることです。ましてや毎週とは想像したくもありません。。しかし、現場のことを一番良くわかっているのはなによりも現場の人間ですし、多くの人に自分のアイデアを知ってもらうことで運営もしやすくなりますし、さらに弱点も分かります。ここでも「全員の意見を聞いている時間はない」という時間が無い病が発症しているのでしょうか?でも、Googleの社員やCEOが私たちよりも暇だとは考えにくいです。革新的な企業というのはそもそも無駄を嫌います。大切なことに多くの時間を割く。グローバル、ICT社会を突き進む中、そのような癖も日本の企業は身につけていくべきではないでしょうか。
(ブログ移転につき過去記事)


世界を旅するTraveler。でも、一番好きなのは日本、でも住みたいのはアメリカ・ユタ州。世界は広い、というよりも丸いを伝えたいと思っている。スナップシューターで物書き、そうありたい。趣味は早起き、仕事、読書。現在、学校教員・(NGO)DREAM STEPs顧問の2足の草鞋。