神視点
女性の知人に久しぶりに会ったらご懐妊されていてめでたいねとなった。てか来て大丈夫なん?と思ったけどまあ安定期でこれから忙しくなってなかなかみんなで会えなくなるからということでだよなーとも思った。めっちゃ大変。25年ぐらいはまあ大変。そのあとも大変。
そんで他の面子が遅れてるんで俺だけ飲みながら適当に喋ってた。
「男女どっちかもうわかってんの?」
「て言うか別に気になってないでしょ?」
「まあ間を埋めるトークです。まあさほど興味はないけどただひたすらに健やかに育って欲しいとは思ってるよ」
「すごい。神の視点」
そうか…俺は既にその粋に達していたのか…稲中で前野が愛を自給自足して暮らしていたが実はもう愛を与える立場になっていた時の顔になった。俺はただひたすらに息をしてパンを水の上に投げて生きていくしかなくなった。ついでに悪を為さず孤独に歩む象にもなった。そこにはひとりぼっちの神がいた。
そして二つの命を送り届けた後は独り者の神たちが集まり神の宴を行った。具体的に言うと朝までカラオケして喉を潰した。神もつらいよ。