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Enjoy your Journey

今日雨の中そんなことを言われた。

Thank you!!

と笑顔で返したが、それから数十分「楽しむ」とはなんなのか頭の中でぐるぐると考えが巡り始める。

歩き旅をしていると、毎回と言っていいぐらいこのことを考える。辛いことが大半を占めるロングトレイル。
雨の中歩いている最中は、楽しさのかけらすら見つからない。

目の前に続く道は、地平線まで伸びる一本道。早くテント場についてくれ。そんな気持ちにさせられる風景。歩いている人などどこにもいない。

そんな歩く気の失せそうな自分に無理やりエンジンをかける。そんな時は思い付いた曲を口ずさむ。

いつも最初に出てくる曲は
Rickie-gのam8:59
この曲は好きな曲だ

歩いてきた道 ぽちぽち引き返してみて
同じ歩幅で一歩一歩振り返ってみる
そう 僕の前の理想、現実、過去、未来含む
"今"という自分に出会うために

メロウなレゲエのリズムで始まるメロディに載せて歌われる彼の歌声はやさしい。

溢れる夢に答えを出す代わりに何か
失うのはわかっているからなんだけど
ゆらゆら道に迷いながら行ったり来たりで
前に進むには時間がいるよ

歩き旅にちょうどいい歌詞がその世界観をより広く大きなものへと変え、僕をその世界に引き込んでいく。

LALALA life goes on
旅路はlong&wrong&wind
立ち止まってみてみる
何を手に入れたじゃなくて
どれだけ笑っていたんだろう
そしてどれだけ泣いたんだろう
語りきれない日々を
うたで記そうか

サビに入ると、今までの旅のことが次々と脳裏に浮かび上がってくる。

南米のバス停で恐る恐る眠りについたあの夜
乾いた土の上で目を覚ましたあの朝
テントの中で眺めた燃えるようなあの夕焼け
夜空に輝く数えきれないあの星々

一人で初めて海外に出たあの瞬間
初めて降り立った街のあの匂い

宿のベランダで夜風に当たったあの時間
仲間と浴びるほど飲んだあの時間

立ち止まってみてみる
何を手に入れたじゃなくて
どれだけ笑っていたんだろう
そしてどれだけ泣いたんだろう
語りきれない日々を
うたで記そうか

立ち止まってみる

どれだけの出会いがあったか
どれだけの別れがあったか
どれだけの寂しさ嬉しさがあったか


この歌を歌えばそんな事を考える。

楽しさのかけらも見当たらなかった、地平線に吸い込まれる一本道はいつまでもそこにある。


どうやら、僕は旅を楽しめているようだ。

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