新卒が週1で辞めていくIT企業の、もはやコメディな話
マネージメント問題
あるIT企業での経験ですが、離職率が半端なく高い問題があったのですが、
新卒が週1でやめていく時があり、そもそも5年以上の在籍者が4分の1以下という非常に不思議な会社でした。
web開発などの企業では珍しくないと思いますが、そういった会社ではありません。
引継ぎなしで急に消えてしまうこともあるためノウハウや情報の共有などは一切されないので、社内にはパンドラの箱が溢れかえっていました。
結論、マネージメントが適当すぎるということだったのですが、
離職率が高い原因は入社後しばらくして分かりました。
・自分で考えろマネージメント
・会議で決めた内容が社長の気分で意味がないものになる
・嫌味で部下のモチベーションを下げる
自分で考えろマネージメント
『自分で考えろ』というワードだけを見ると、自主性を育むといった点で変な所はないように見えます。
むしろ、部下に裁量をある程度持たせて成長を促している様にも思えます。
ただこのIT企業の場合は違いました。
具体的アイディアは出さず、ダメ出しのみに徹する
具体的にはこんな感じです。
~上司へ相談~【製品の販売価格が他社に比べ高額(3倍以上)で困っていた】
部下:「この製品は、こういう形で販売するのはどうでしょうか?」
上司:「それじゃあ付加価値が薄いから購入してもらえないね」
上司:「どうやったら買ってもらえるかもっとちゃんと考えて」
部下:「こういう付加価値をつけようと思っているのですが」
上司:「もっとサポート面で付加価値つけるしかないんじゃないの?」
部下:「ちなみにサポートは現行以外にできることは何かありますか?」
上司:「なんだろう。そこはちゃんと考えておかないとないとダメだよ?」
部下:「・・・はい」
一見アドバイスしているようにも見えますが、全て抽象的で持って行った案に対して否定のみをしています。
ほぼほぼ上司とはこういう会話になるのですが、この時の製品は他社よりも低機能で高額という素晴らしい製品でした。
そもそも、サポートだけで3倍以上の価格差を埋めようとするのは無理がありますね(笑)
ただ極めつけは会議で起こります。
~会議~
部下:「最終的にこういう形で販売していこうと思っています」
社長:「考えている事が小中学生レベルだな」
社長:「こんなんで売れると思ってるのか?」
部下:「こういう理由からこのようにしました」
社長:「そのそもお前らのやり方では売れないということを自覚しろ」
部下:「・・・(どういうこと?)」
社長:「上司はどう思う?」
上司:「ちゃんと考えろと言っていたんですけどね」
部下:「・・・」
ここまでくると最悪な会議になります。
上司は基本的に責任を取らず、全て部下に責任を押し付けます。
そして社長からも生産性の無い叱責で会議は終わりを迎えます(笑)
会議で決定した内容が社長の気分で意味がないものに
先ほどの一向に前進しない会議でも必死に結論まで漕ぎつけた内容が社長の気分で一瞬にして消し炭になります(笑)
1週間も経つと全く違うことを言い出すので、当時の同僚は1週間フレンズと呼んでいました。
製品の販売開始間近で決めた内容が吹き飛んだ時は流石に焦りました。
テンヤワンヤしていると上司から『もっとスケジュール意識を持て』と言われた時は、理不尽すぎてさすがに笑いました(笑)
あまりにも毎回このような堂々巡りを繰り返すのでこのパターンを、
エンドレス・エイト・会議やシュタインズ・ゲートのループ
と名付け同僚と笑っていました。
エンドレス・エイトはアニメ涼宮ハルヒシリーズの一編の名前です(笑)
嫌味で部下のモチベーションを下げる
ある人が契約を受注した時にこんなやり取りがありました。
部下:「無事受注しました。」
上司:「よかったね。ただこの金額はお前には荷が重い」
部下:「・・・はぁ」
契約前ならまだしも契約後に荷が重いとはどういう事なのか分かりかねますが、少なくとも部下のテンションは下がること間違いなしですね。
他にも、会議中にみんなの前で特定の社員をバカ呼ばわりしたり、『お前らは給料もらいに来てるだけだ』などといった、言わなくてもいいようなことを平気で言ってしまうような状態でした。
怒鳴るといったことはないですが、言葉のボディーブローを何発も撃ち込まれ、新入社員は絶望しかないと落ち込んだりしていました。
人が辞めるのは複合的な原因によるものが多い
今まで経験してきた中で、勤務時間も給料も良くなくても人が辞めずらい職場を見てきた経験からすると、勤務時間や給料よりも辞めやすい要因はあるということです。
ここが耐えられないんだといって辞める人もいるかもしれませんが、たいていの人は1つくらいの嫌なことは我慢できます。
しかし、毎日否定され、指示も与えず、作り上げたモノを消し炭にされたり、気分によってコロコロ意見が変わったりすると部下は次第にやる気を失い目から光が消えていきます。
新卒でも最初はあんなにモチベーション高く、ポテンシャルも十分にあって、指示がなくても自主的に動く優秀人材であっても、こんなことがずっと起きていては精神的に疲弊していきます。
セロトニンやアドレナリンが全く出ない環境でモチベーションを保つことは至難の業です。
わざとこんなことをしているのではないかと思ってしまうくらい、部下の
モチベーションを削り取る状況はもはや笑えます。
私にはシュールなコメディに見えて仕方なかったのですが、こういった職場は多いと思います。
離職率が高い会社は異常に社員のモチベーションが低いか、目から光が消えた社員が多いです。
誰もが嫌がることをし続けていたら、人がいなくなるのは当然ですよね。
そうなってしまう1番の原因は上に立つ人が自分を振り返らないことです。
そうならないように自分の振りを直していきたいものです。
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