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冬夜の感傷
和漢朗詠集の「冬夜(とうや)」の部に置かれた紀貫之のうた。
思ひかね妹がりゆけば冬の夜の川風寒み千鳥鳴くなり
おもいかね いもがりゆけば ふゆのよの かわかぜさむみ ちどりなくなり
すぐさま千鳥の鳴き声を調べる。
インターネットってなんて便利なんだろう。
冬の海や川へ行って、千鳥が鳴いてくれる偶然をじっと待っていなくてもよい。
風情はないが実に有り難い。
千鳥もいろいろいるから貫之がその夜聴いた鳴き声と、
わたしがインターネットで聴いた鳴き声は違うだろうけれど、
息が白くなるような空気感とともに、しんとした暗い冬の夜道にひびく音まで聞こえてくる。
一応、訳文も記しておく。
(恋しい)思いに堪えきれず、あの人のもとへ訪ねて行く道すがら、
冬の夜の川風が寒いので千鳥が(せつなく)鳴いているのが聞こえる。
このうたは、貫之の歌を批判し続けた正岡子規が「此歌ばかりは趣味ある面白き歌に候」と賛美したそう。
なぜ正岡子規が批判し続けたのか、その理由を私は知らないし、
和歌に関する一般的な素養すら持ち合わせていないのだけど、
紀貫之のうたは情景がリアルに浮かぶことが多い。
堪えきれないほどの恋しさを抱えて、
冬の夜道を行く経験をしたこともないのに、
鮮明に想い浮かぶのはなぜだろう。
冬至に向かって。。。
寒さと暗闇に閉ざされる時間が長くなり、
少しだけ感傷に浸るのも悪くない。
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今週はどんな一週間でしたか?
今日もここにきて下さって
ほんとうに。。。ありがとうございます。
どうぞそれぞれに。。。しあわせな週末でありますように。
温かくしてね。
藤井あき乃