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自分で自分をなんと呼びますか?
キャリアコンサルタントになってから、言葉をすごく気にするようになりました。話す人のクセや考え、価値観が言葉にはよく表れてきます。それを丁寧に聴くためにも、キャリアコンサルタントは語彙が豊富であることが望ましいと思っています。
語彙力、という言葉がありますが語彙の豊富さと適切な語彙の選択ができることをそう呼ぶのだと思っています。
言葉について、まだまだ勉強することはたくさんありますが、自分の整理のためにもアウトプットしていきたいと思います。
自分と人の呼び方
こちらの本では、言葉とアイデンティティ(自分らしさ)との関係を説明してくれています。
中でも、非常に身近にある日本語の面白さである「呼称」を取り上げています。
自称詞:話し手が自分自身のことを指すために使う言葉(わたし、ぼく、おれ)
対称詞:話し手が聞き手のことを指すために使う言葉(あなた、あんた、おまえ)
他称詞:話し手と聞き手以外のことを指すために使う言葉(彼、彼女、あの子、あいつ)
このnoteを読んでくださっている方は、ご自分のことをなんと呼ばれますか?男性であれば「わたし」「おれ」「ぼく」、女性であれば「わたし」「あたし」「うち」などでしょうか。
”男性であれば”、”女性であれば”という枕詞をつけられるのが日本語の面白いところですね。英語では、I しかありません。
質問はしたものの、おそらく答えるのが難しい質問なのではないかと思います。なぜかというと、自分をどのように呼称するかは状況によって変えているからです。
自分の子供を相手に話すときに、「僕はね」というお父さんは見たことがありません。少なくとも僕は言いません。仕事の取引先相手と話すときに「俺はね」という人もあまりいないでしょう。
つまり、自分をどのように呼称するかには、自分と相手との関係性の認識に依拠します。
この点に注目し、
自分が自分のことをなんと呼んでいるか?
自分が相手のことをなんと呼んでいるか?
自分が第三者のことをなんと呼んでいるか?
といったことを振り返ってみると、周囲の人との関係性を内省することができます。
社会人に対する「あの子」
僕が時々出会って気になる呼称が、年齢が若い人を指して"子"と呼ぶことです。「新人の子」、「あそこの部署のあの子」、といったものです。
30歳を超えた社会人に対して「子」とは言わないですよね。
また、23歳の人が、24歳の人を指して「子」と呼ぶことも聞いたことがありません。
つまり、呼ばれる側の年齢によって絶対的に決まるものではありません。ちなみに、僕は社会人に対して「子」とは呼びません。
この呼び方を指してとやかく言うつもりはないですが、「子」と呼ぶ相手と自分の関係性がそこには込められています。
自分のほうが地位的に優位である
自分のほうが能力が高い
相手に対してなにか頼りなさを感じている
いろんなことは想像できますが、「社会人に対して”子”という呼称でいいのか?」という僕の問いかけに対して、少しでも引っかかることがあったならば、ご自分で内省してみるのがいいと思います。
誰もいない時、自分で自分のことをなんと呼びますか?
呼称には自分と相手との関係性の認識が関わるというお話を書きました。
事例として、
自分で自分のことをなんと呼ぶか?
社会人に対する「子」という呼び方
を取り上げました。
ここでひとつ考えてみたいのが、関係性がない中での呼称はどうなるのか?ということです。
具体的には、自分一人だけのケースです。自分で自分と話をする時、自分のことをなんと呼んでいますか?
たとえば、仕事でなにかミスをしたことが分かったことに気づいた瞬間、なんていいますか?
「なにやってんだよ、俺は」
たぶん、僕はこんな言葉・呼び方をしていると思います。みなさんはどうでしょうか?
関係性がない中での自称詞には、自分が自分に思っていることが素直に表れてくるのではないかと考えています。上の例でいえば「俺」という言葉に込めている意味で、”自分はこんなつまらないミスをするはずの人間ではない、しっかりとした自分なのである” という認識があるのかもしれません。
今回は、言葉について中でも呼称についてとりあげてみました。
奥深い世界で、まだまだ勉強できることがたくさんありそうです。