ドライブから見える風景
学生の頃は、ドライブというか、自分が運転することが嫌いだった。
交通事故の悲惨な映像やらニュースを見ていると、それが他人事には思えず、こんなリスクを冒してまで、運転したいとは思えなかったのだ。
そんな自分も気付いたら、祖父が乗っていたヤリスを引き続き、週末はほぼ必ずドライブする日々を過ごしている。
基本的には近場でショッピングしたり、公園に行ってみたりする。
たまに長距離ドライブもする。先日は新潟県まで行ってきた。
東京から新潟は、およそ4時間くらいのドライブ。
都会からだんだんと山が連なる風景が見えてきて、長野に入ると何度もトンネルを通り、秋色に染まり始める森林を見て、なんだか急にグッときたりする。
竹内まりやのTurntableの洋楽カバーを聴きながら、口ずさみながら道を進んでいった。
ドライブしながら、どんどん自分が住んでいる街から離れていく。
ふと不安に思うこともある。
このまま帰れなかったらどうしよう、なんて縁起のないこともたまに考えたりする。
(ほとんどの時間はただドライブから見える景色とBGMを楽しんでいるわけですが)
SA(サービスエリア)も好きな場所の1つ。それぞれのSAでローカルフードを食べるのは、日常から非日常の世界へ飛び込んだことを実感させてくれる。
新潟では日本海を眺めて、お刺身とお寿司を食べて、ホテルに泊まり日本酒を楽しんだ。あ、八海山は新潟のお酒だよなと感じながら。
帰り道、八海山を見た。恥ずかしながら、八海山はブランドの名前で実在するものではないと思っていた。
大人になるにつれて、世の中のことを分かったような顔をして生きているが、結局は知らないことの方が多いわけで、その謙虚さを忘れずに生きようと思った。
冬の訪れを感じる八海山だった。
雪景色が広がっていて、八海山は真っ白だった。
次から八海山を飲むときには、この風景を思い出すだろう。
ドライブは、未知との遭遇の連続である。カーナビにしたがっって運転はするものの、目の前に広がる景色は、予期せぬ出会いの連続で、自然の中をドライブしているだけで、人間のちっぽけさとか、そんなことを考えさせられたりする。
ドライブは、もちろん危険と隣り合わせ。
でも、人生って、どこかで、何かリスクを取らないと新しいことには出会えない。本当に安全にいきたいのであれば、そこから一歩も動かなければいいのだけど、
それでは死んでいるのと同然。
できるときに、できることを、できるだけ、自分なりに。
そんな考えで、残りの人生も新しい出会いを楽しみながら過ごしていきたいものです。