アワーク(awork)
非仕事的、という意味になります。
背景
仕事というとティピカルワーク(プロジェクトワークやクライアントワーク)やイシュードリブン(問題解決駆動)なニュアンスがあると思います。
プロジェクトやクライアントに馴染めなかったり、指定された問題の解決に直結できなかったりする場合は仕事とみなされません。そのような人材は排斥されがちです。
一方で、変革など上記が当てはまらない仕事、仕事のための投資もありえます。仕事らしい仕事だけが仕事ではないのです。
アワークとは
アワーク(awork)とは「非仕事」「非仕事的」という意味で、以下の3つが当てはまります。
非同期的(Async)
非社会的(Asocial)
非典型的(Atypical)
非同期的
まず非同期的なので、同期的(リアルタイム)なやり取りはしません。一日誰とも喋らないミュートデイも当たり前に行えます。
一方で、情報を残すことが大事ですから、テキストはもちろん、録画や録音、ライブ配信を使うこともあります。
非社会的
次に非社会的なので、人と仲良くなることを前提としません。
特に日本で見られる関係ベース――一緒の時間を過ごすことで信頼を積み上げていく営みも想定しません。ですので、赤の他人であってもいきなり率直な議論を始められますし、自己開示も厭いません。
非典型的
最後に、アワークの実践者や集団は非典型的な人から構成する必要があります。
非典型とは元は科学用語で、正常異常の異常の別の言い方です。異(おかしい)ではなく典型じゃない、という言い方をするわけですね。特に典型から外れた能力を指すそうです。
アワークの文脈では、その仕事において「浮いている人」や「変わり者」を指します。単に珍しい能力を持つ者ではなく、場に馴染めない(馴染む要領がない)し、馴染まない(馴染む意思がない)者だと考えてください。以下がサインになると思います。
協調性がない、我が強い、皆とは全然違うやり方や考え方をする
馴染まなさがはっきりとわかる程度に、自己主張やアウトプットが強い
複数の、というより割とどのチーム、プロジェクト、所属部門でも馴染めないし馴染まない
アワークは非同期的かつ非社会的と述べましたが、これを同期的で社会的な人が行うことができません。この人達に非同期的・非社会的に振る舞ってもらうのは難しいです。
ですので、発想を変えて、非同期的・非社会的な人をそもそも集めるようにします。非同期と非社会を比較的両方とも満たせるのが、非典型的な人なのです。
メリット
「仕事ではないけど重要な活動」のあり方を端的に示せることです。
当サイトでは変革のための特区、テラワーク、働き方の多様性など、表面的な「仕事」にとらわれないあり方をいくつも紹介していますが、このようなあり方は現時点では特異であり理解しづらいです。
そこで、理解しやすくするために「アワークという性質があるのだ」と表現できるようにしました。つまり非同期的かつ非社会的に過ごすのがポイントであり、この過ごし方にはおそらく非典型的な人を集める必要があるだろう、という主張です。それをアワークの一言で表現しています。