組織と市場の従属マトリックス
「組織に従うかどうか」と「市場に従うかどうか」でマトリックスにできます。
組織と市場の従属マトリックス
次のとおりです。
![](https://assets.st-note.com/img/1732328268-6GfuQNwg98ZEjReA7xJ3hzXy.png)
メリット
Ans: 自他の資質を判定することができます。
当サイトでは以前「頭の性能」について取り上げましたが、
世の中には努力が通用するとは限らず、戦う場所・過ごす場所は上手く選ばねばなりません。そのためには、巷にどのような資質が存在し、自分がどれに当てはまるかを知らねばなりません。
このジャンルは玉石混交ですが、おおよその傾向は薄々知られているか、すぐに理解できます。当サイトではこのような「資質を判定するための枠組み」も適宜紹介していきます。本記事もその一つです。
軸について
組織
組織に従うとは、何らかの組織に組み敷かれて、その文化のもとで生きていけていることを指します。
実際に居続けられている(ことを許されている)かどうかで判断します。「従う」には以下のパターンがあります。
意思❌能力⭕: 従う気はないが、能力があって、居れている
意思❌能力❌: 従う気はないし、能力もないが、居れている
意思⭕能力❌: 能力はないが、従う気があって、居れている
意思⭕能力⭕: 能力も従う気があって、居れている
また、ある組織では上手くいかなくても、別の組織で上手くやれていれば「従う」と判断します。
ですので、「従わない」は希少です。たとえば、どの会社やコミュニティでも上手くやっていけないような人かつ独身(※)の人が該当します。
※既婚であっても、パートナーを「便宜を満たす手段」として使っていたり、対等ではなく自分が相手を従えていたりする場合は「従わない」タイプである可能性があります。
市場
市場に従うとは、自分のやりたいようにやるのではなく、市場(など場を支配する理)に従うことです。
たとえばビジネスやゲームに勝つために従ったり、無難にやり過ごすために組織のルールや空気に従ったりします。従うための手間は惜しまず、嫌であっても、面倒であっても「やるのが最速 or 最低リスク」なのでやります。
現代のビジネス論や人生論では「従う」一択です。趣味、一部の天才やイノベーションを除けば、従わないという選択肢はありません。
別の言い方をすると、市場に従うとは「成功を欲する」とも言えると思います。成功するためには、基本的に市場に従うしかないからです。
逆に、それでも自分の意思を優先して行動するような人は「従わない」に当てはまります。
配信を例にすると、現在流行っているプラットフォームやジャンルや題材があるのに、それらに迎合せず「私は自分のやりたいことで食べていきたいんだ」と自分を優先することが相当します。趣味ではなく、仕事として食べていくというシチュエーションであることに注意してください。後者であっても、自分を貫こうとするのが「従わない」です。
各タイプ
次に各タイプを見ていきます。
1: 開放
組織にも従うし、市場にも従う。
自分を持たずに開放しており、必要に応じて組織や市場に従っていける柔軟性があります。
成功者は一般的にこのパターンに属しています。組織で頭角を表しつつ、組織の市場での成功に貢献する立ち回りを強めていきます。
特徴:
誰であっても同じような人になる
組織での最適解と市場での最適解を両方取り入れており「正解が狭い」ので、構造的に似通う
人並以上に人脈が多いか、博識であるか、アウトプットが多い
組織という井の中を超えて、市場も見ないといけないので、それができる・それを続けている証拠がある
人脈派、知識派、アウトプット派に分かれる
配分はグラデーションだが、通常いずれかに偏る
性能が高い
頭の性能が低いと、両方に適応することができない
2: 外向
組織には従わないが、市場には従う。
市場には従うので成功を望んでいます。しかし、組織に従うことができないので、多かれ少なかれ独立します。
経営者(初代)やフリーランスはこのパターンに属しています。ひとりで過ごすか、組織をつくって自分が長になるかは人次第です。
特徴:
肩書が多い
独立が最善であるとの自覚がなかったり、それが面倒だったりして複数の組織を上手く転々とする人が多い
人間関係が激しい
組織に従うことよりも自分を選びこと、また自分で組織を持ってからもワンマンになることなどから人間関係が激しくなる
4タイプの中では最も揉めた経験やトラブルが多い
3: 内向
組織には従うが、市場には従わない。
組織の中で勝ち上がったり安定を手に入れたりすることを望みます。市場は見ていないので、井の中の蛙を脱することができません。
紛らわしいのは、一見すると市場に従っているように見えるが、その実、組織に従っているだけというケースです。これは「"市場に従っている組織" に従っている」だけであり、本人が市場に従っているわけではありません。
マジョリティはここに属しています。市場に従い続けたり、組織に抗ったりするだけのモチベーションや能力が無いからです。というより、現代は(現代も)組織に迎合するだけで生きていける時代なので、通常は内向タイプから脱する理由がありません。
特徴:
創造的な営みをしていない
正解のない何かを、外部と遮断して、長時間取り組んでつくりあげて、公開する――といったことをしない
変人的・狂人的な露出やエピソードがない
社会人以降、ネット上での発信活動がない
組織内で「史上最悪(または最高)」と評されるだけのエピソードがない
4: 自閉
組織にも市場にも従わない。
組織に迎合できず、成功を望んでいるわけでもなく。行き着く場所は一つで、自分の世界に浸っています。
一部のASD、ミニマリスト、クリエイター、遊び人や怠惰な者などがここに属します。
特徴:
浮いている
集団内やコミュニティ内で浮いている(言動や作品を誰一人として理解できない)
単一の組織のみならず、複数のどの組織でも浮く
対人関係が乏しい
友人以上の関係がいない、いたことがない等
応用
発展的なトピックを雑多にまとめます。
内向の吸引力
3の内向タイプには吸引力があり、他のタイプでも内向タイプに引き寄せられることがよくあります。
![](https://assets.st-note.com/img/1732335053-4KH91B73IiRx2ZgkQjhpmrn5.png)
たとえば「守るものができた」ときです。
外向タイプの人が、成功してそれを守る立場になると内向タイプになります。自分がつくりあげた組織という「自分の城」に王様として君臨するイメージです。よくある光景ではないでしょうか。
※ちなみに、吸引されないタイプは、新しい事業や活動をどんどんやっていきます。組織を後任に譲ったり売却したりもしますね。
この吸引現象に関する力学としては、次のとおりです:
開放 → 内向
1 開放タイプとして生きている
2 市場に従うのが大変でもうやめたい or 従う必要がなくなった
3 市場に従うのをやめる(内向タイプになる)
外向 → 開放 → 内向
1 組織に従うのは大変 → 外向タイプとして生きている
2 成功する
3 自分が組織をつくる → 自分の組織に自分で従う(内向タイプになる)
※あとは開放 → 内向と同じです
自閉 → 内向
1 自閉タイプとして生きている
2 生きていくのは大変(社会的経済的に水準を保てない)
3 組織に従ってみる
4 定着する(内向タイプになる)
自閉 → 外向
1 自閉タイプとして生きている
2 生きていくのは大変
3 市場に従ってみる
4 食える程度に成功する(外向タイプになる)
※自閉タイプは自分の世界に閉じこもれるので外向からは動きません。食い扶持がなくなって自閉に戻ることはあります