「1on1プロフィール」 自分の1on1スタンスを見せる

1on1プロフィールとは、自分の「1on1に関するスタンス」をまとめたものです。また、社員に見てもらって、自分への1on1を申し込む際の参考にしてもらうことも想定します。

フリーな1on1で導入すると便利です。


以降では1on1プロフィールの書き方や運用方法を見ていきます。


前提

  • 組織内でグループスケジューラーが導入されており、社員間で予定の閲覧・追加が可能であること

  • 1on1としてフリーな1on1を行うこと

    • 以降では「フリーな1on1」のことを単に1on1と書きます


1on1プロフィールで扱いたい項目

細かい部分は組織ごとに調整すれば良いですが、あると便利な項目をテンプレートとして記載します。

3x3で9項目です。
この程度であれば1ページや1スライドに端的にまとまります。


[全般] 1on1可否

可能 | 不可能


現在1on1を受け付けているかどうかを示します。

チャットにおけるステータスと同じで、都合が悪い場合は不可能に倒しておきます。


[全般] 議事メモのスタンス

書きます | 任せます | やめてください


1on1時に議事メモをどうするかを示します。

自分が書く場合は「書きます」、自分は書かないが相手が書くなら書いてもいい場合は「任せます」、書いてほしくない場合は「やめてください」を選びます。


[全般] 割り込み可否

予定があっても1on1を入れて構いません | 入れないでください


すでに予定が入っている場合に、そこに1on1を入れても良いかどうかを示します。

ただし「入れて構いません」の場合でも、1on1のマッチングを確約するものではありません。つまり、入れられたので判断はするけど、その結果、やっぱりできませんということもありえます。


[時間] 可能な時間帯

hh:mm ~ hh:mm


1on1を入れていい時間帯を示します。

この時間帯の外に入れられた場合は無条件でスルーするとの含意があります。


また、この項目では「日ごとに可能な時間帯が違う場合」を想定していません。想定する場合は、さらに項目を追加するなど各自調整してください。


[時間] 1回の1on1にかける時間

15 | 30


単位は分です。

1on1タイムの記事で書きましたが、1on1の時間は30分単位が良いと思います。また、ちょっとした小話だけ行う余地も確保するために、15分の選択肢も入れています。これ以上長くやりたい場合は、複数回分予約してください。

この選択肢が気に入らない場合は、各自調整してください。


[時間] 延長可否

可能 | 不可能


1on1が盛り上がった場合など、予定時間を過ぎても続けるかどうかを示します。

「不可能」には、予定時間を過ぎたら即切断しても良いとの含意があります。


[話す] リード

リードしたい | リードされたい | 問わない


会話の主導権(リード)を示します。

得意な人や苦手な人は、明示すると良いでしょう。


[話す] 話したいネタ(Want)

キーワード, キーワード, キーワード, …


話したいネタを示します。

雑談として話したいことでも、知らない・わからないから相談したいことでも何でも構いません。


[話す] 話せるネタ(Can)

キーワード, キーワード, キーワード, …


話せるネタを示します。

自分の得意分野や専門分野など、人に教えられる・相談に乗れるようなネタを示します。あるいは趣味として語りたいネタでも構いません。


1on1プロフィールの実現

現状、専用のツールはありませんが、実現方法は2通りあります。

  • 1: Wikiやノートツールを使う

  • 2: 1人1スライドでつくって、画像の形でページに並べる


1: のWiki・ノートツール案については、意外と使えるものが限られます。

まず従来の Wiki は高度なものであり、エンジニアなどITリテラシーの高い者でないと使えません。

次にノートツールはGoogleドキュメント、Dropbox Paper、Box Notes、One Noteなど多数存在しますが、どれも表示速度が遅く、1on1プロフィールの用途ではストレスが溜まります。軽いウェブサイトを閲覧しているときのような早さが欲しいです。これくらい軽くないと、ストレスで1on1プロフィールを眺める気にならないからです。

おすすめはCosense(旧Scrapbox)です。Cosenseは、ITリテラシーの高くない人でも比較的使いやすいWikiとなっています。1on1プロフィール用のワークスペースを一つつくり、フリーな1on1を行う者だけを自由参加制にして、かつ1人1ページでプロフィールを書けば良いです。ただし、使いやすいといってもクセは強いため、Cosenseに詳しい者がリードする必要はあります。


2: の1人1スライド案は、原始的な方法で、単に1人1スライドでプロフィールをつくり、これを何らかの形で一覧にするだけです。

パワポのファイルを置くだけではさすがに厳しいので、スライドを画像化して、各画像を配置する形が良いでしょう。社内ウェブサイトなどの形で画像を一覧表示するか、あるいは各自画像ビューアーで読み込ませるなど、方法がいくつかあります。

また、単に一覧表示するだけでは探しづらいので、カテゴリで分けるといった表示上の工夫も必要です。

上記でも述べましたが、1on1プロフィールは軽いウェブサイトを眺めているときのようにサクサクと眺められることが重要です。この点は妥協せずに確保してください。必要ならITエンジニアなど、詳しい者の手を借りて整備してください。


専用ツールはないと書きましたが、本格的にやりたいなら何かしらつくりたいところです。1: にせよ、2: にせよ、手動の運用には限界があります。とはいえ、数百人程度なら手動でも十分可能です。


おわりに

1on1プロフィールは、あくまでも1on1のスタンスを見てもらうことのみを目的としています。

実際に1on1を実施する機能はありません。


ツールの登場が待たれる!

とはいえ、1on1の実施や記録もシームレスに行えた方がはるかに便利ですから、そのようなツールがあると良いでしょう。

1on1ツールはすでに多数存在しますが、差別化になりえます。


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