フォースプレイス(4th Place)

サードプレイスが知られていますが、実はもう一つあります。


フォースプレイス

フォースプレイス(4th place)とは、第四の場所という意味で、キャリアに通じるが義務感は無い活動を行える場所を指します。


プレイスのマトリックス

プレイスの関係性を整理します。

プレイスのマトリックス。


軸について

キャリアとは学びや成長を要求するものです。最低限こなせれば良いというよりも、伸ばせるだけ伸ばしたい、得られるだけ得たいといった広がり・渇望があります。たとえば、成果に応じた外発的報酬がもらえる世界(たとえば仕事)が該当します。一方、プライベートとはそれ以外です。家庭が該当します。

義務とは「やらなければならない」感です。約束や契約があったり、破ることでペナルティが生じたりする場合は義務があります。


各プレイスについて

ファーストプレイスとは、プライベート的で義務感があるものです。自宅や別荘など居住地での生活が該当します。

  • キャリア的ではない

    • キャリア的にすることもできますが、それでも報酬が出るわけではないので、やはりキャリア的ではありません

  • 義務感がある

    • 自宅に関する諸手続きを無視したり、育児を放棄したりするとペナルティがあります

セカンドプレイスとは、キャリア的で義務感があるものです。職場が該当します。

  • キャリア的である

    • たとえば報酬無しで行うことはできないでしょう

    • あるにしても、投資(未来の報酬のための投資)であるはずです

  • 義務感がある

    • 仕事を無視するとペナルティがあります

サードプレイスとは、プライベート的で義務感がないものです。

  • キャリア的でない

  • 義務感がない

    • 必要に応じてスルーができます

    • 逆を言うと、スルーができないほど責任を負っている場合は、ファーストプレイス化しています

そしてフォースプレイスとは、キャリア的で義務感がないものです。

  • キャリア的である

    • 報酬は得られないか、得ても雀の涙です

    • ゆえに基本的に投資目的となります

  • 義務感がない

    • スルーできます

    • 活動や成果の程度も自分で自由にコントロールできます


フォースプレイスの例

例1: YouTuberとして発信活動を行う

  • 義務感はないのでマイペースにやる

  • しかしキャリア的ではあるため真面目にやる、勉強や試行錯誤や挑戦も伴う

  • 場所については問わない

    • 後述します(ミックス現象)

    • ファーストでもセカンドでもサードでもない場所である必要はある

    • 自宅でできるかもしれないし、テレワークブースやカラオケを借りるかもしれないし、ひとけのない散歩道や公園かもしれないし、スポーツで賑わう賑やかな体育館やダンススタジオの一画かもしれない

例2: 資格の勉強をする

例3: 自己啓発の勉強とワークをする


ミックス現象

プレイスのマトリックスが述べているのは、同じ場所であってもあり方が異なれば(場所としての意味合いが)異なるという点です。

いくつか例を見てみましょう。

  • 会社の社長は、オフィスを自宅としても使うことがあります

    • ファーストとセカンドが混在している

  • カフェは、交流の場として使う人もいれば、ひとりで過ごす場として使う人もいます

    • サードとフォースが混在している

  • 自宅であっても、時間帯と言い訳を工夫すれば家事育児を負わずにひとりになれるでしょう

    • ファーストとフォースが混在している

  • YouTubeでは、ひとりで趣味的に発信する人もいれば、仕事で義務を抱えて発信している人もいます

    • セカンドとフォースが混在している


メリット

フォースプレイスのメリットは、以下の視点に気付かせてくれることです。

  • キャリア的でありながら義務感がないというあり方

    • そのためにファーストでもセカンドでもサードでもない、第四のあり方が必要であること

  • 場所の役割は固定的ではなく、自分次第で変えることができるのだという融通の余地

サードプレイスまでの概念だと、このあり方にありつけませんでした。パワフルな人がセカンドプレイスを増やすか、アクティブな人がサードプレイスを増やすか、あるいはキャリアを諦めてファーストプレイスで頑張るしかありませんでした。

しかし近年、特に日本ではサードプレイスを「ひとりで義務感を抱えずに、でもキャリア的に過ごす」場所として使っている例が増えてきました。これをサードプレイスのまま扱うと扱いづらいです。

ですので今回、マトリックスをつくって切り出してみました。それがフォースプレイスであり、ミックス現象という本質です。



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