内省

久しぶりに部屋の隅にあった有線ヘッドホンを取り出した。

大学で作曲の授業を受けたときに買っておいたヘッドホンだ。ある程度ベースの音も捉えられる性能を持っている。

いつも無線のエアポッドばかり使っていたが、久々に有線でLo-fiビートのストリーミングを聴く。

ああ、これが俺が好きだった低音なんだ。



最近、新しく知った日本語に「内省」という単語がある。内を意味する「内」という字に反省の「省」を使って内省。おそらく自己反省と似たような意味で使われる言葉のようだ。

内を見つめること、自分を探すこと。それが今日の自分にとって重要なキーワードだった。

約2週間前に体調を崩して、なりに管理をするといってリモートをしていたが、あまり時間が経たないうちにまた体がかなり疲れているのを感じた。

会社では休みな!と言われたので、一日休暇を取り、一日中一人で時間を過ごしてみた。

気づいたことは、かなり疲れていたということ。バーンアウト(燃え尽き症候群)まではいかないが、かなり無理をしていたと感じた。

実は驚くことではなかった。前にも病んでから回復した直後に、再び本格的なバーンアウトを経験したことがあったからだ。

だから今日は自分を振り返る時間を持つことにした。



いくつか分かったことを列挙してみると、

まず、「自分」が現在の生活で確立されていなかった。「自分」は誰か、どんな人生を歩んできて、どんな背景を持ち、どんな行動様式を持っているのか。

最近では「会社での自分」しか存在していなかった。

つまり、入社時に最も注意していた公私の分離が根本的に不可能な状況だったのだ。「会社の外の自分」と「会社の中の自分」の両方が存在してこそ、スイッチのオンオフができるのだが、初めから一方だけが存在するなら、スイッチをいくら切ろうとしてもモードが変わることはなかった。

会社で働く自分ではなく、本来の自分を見つけなければならなかった。

そのためには過去を振り返ることが重要だった。現在の自分は過去の自分が積み重なってできた姿だからだ。

そうして自分という人間を構成する要素について考えたら、いつも似たような結論が出流けど

自分は
文章を書き、
本を読み、
運動をする。

この三つの要素が揃って初めて自分は完全な自分として存在できるのだ。

この三つの要素を評価項目にして、現在の生活を分析すると、著しく文章と本の比重が減っていた。

特に本については、結局本を読もうとしても会社に関連する本しか読もうとしないので、本を読む行為自体が会社の仕事をすることに感じられた。

つまり、会社の業務向上のための読書ではなく、純粋に知識を積むための読書が伴わなければならない。そうして得た知識を会社の業務に使うのはその後のことだ。業務のための読書ではなく、読書という行為そのものが重要だ。文章を書くことももちろん同様だ。

解決策として本を毎日10分でも読み、文章を毎日10分でも書くべきだ。

このルーティンは自分を守るためにするのであって、自分をアップグレードするためにするのではない。

運動も同様だ。もちろん続けることで成長が伴うが、結局自分が自分として存在するために続ける必要があるのだ。

文章を書き、本を読み、運動する自分を毎日持てるようにしよう。



もう一つの気づきとして、バーンアウトの周期がパターン化されていることを過去の記録(ブログと日記)を再び振り返りながら気づいた。

発動条件は

  1. 新しい仕事と環境が与えられたとき、約一ヶ月〜一ヶ月半はとんでもないパフォーマンスとアイデアが爆発する時期を経験する。

  2. 一ヶ月半ほど経った時点で、少しずつ体に問題が生じ始めるが自覚はない。

  3. 二ヶ月くらい経ったとき、一度大きく体調を崩し、辛いことを自覚し心が折れる。

  4. 回復し、回復したと思って再びギアを上げる。

  5. そして二度目の峠を迎える。通常このときの被害が大きい。すでに治ったと思っていたのに再発したことが大きな負担となり、周囲も混乱する(嘘をついているのか?という負担)。

  6. しかし、この山場も結局休息を伴えば自然に治る。

これを毎回繰り返していることを知った。

問題を認識したので対処法も立てられるのではないだろうか。

確かに今回最大の発見は一次と二次の被害が発生することだ。これを防ぐには一次バーンアウトでしばらく休めばいいと思うが、二次が来なければそれがバーンアウトだと認識すらできない。

したがって、初めから二次が来るのを当然のことと認識し、自責せず被害を最小限に抑えることが重要だ。



今週はこうして少し休みの週にして、上記の事項を日常のルーティンとして再び取り入れるようにしよう。

自分が自分として存在しなければ、他のことは大きな意味がない。

自分を守るためには、自分自身を気にかける必要がある。

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