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在りし日の在りかた

学生時代だった自分を思い出すと、まあそれなりに、胸がぎゅっと締め付けられるような気持にならないこともない。
絵にかいたような腐れ学生であった。
そしてずいぶんとずいぶんだったんじゃないかなぁという、そんなお気持ちで今もいっぱいだ。

あれからずいぶん経った。ずいぶん経ったけれど「お前は成長したのか?」「なんらかの人間的成長をみせているのか?」と誰かに尋ねられれば、おそらく僕はこう答えるだろう。

「ぜんぜん成長してない」

それはそれで構わない。
人は成長のために生きているのではない。むしろ生きている結果として成長したのであれば、それは御の字というやつで、単にその人が運が良かっただけなのではないか。

自己啓発書における「成功」が何を意味しているのか分からないのと一緒だ。成功するためにはビジネス書を百冊読んで、早起きをして、糖質を抜いて、運動は欠かさず、瞑想をして、自然と一体になり、バカとは戦わず、断る勇気をもって、ミニマリストになり、田舎に移住し、人脈を築き、アフェリエイトをしたりしなかったり、投資をしたりしなかったりそういうやつでしょ。俺は詳しいんだ。
しかし疑問なのは、何をもって「成功」と言えるのかということだ。

金か、女か、地位か、名誉か?

そんな風に考えていたことが僕にもありました。
しかし、それなりに年を取ってきた僕はこう答えることができる。

「あれでしょ、アイデンティティの確立でしょ」

アイデンティティとは何かについてはこれから考えていきたい。

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