ネパールの味、ダルバートとの再会 ~日本で楽しむ異国の魅力~
1. ダルバートとの最初の出会い
ダルバートとの出会いは、今から約30年前のネパール旅行であった。当時は連休があるたびに海外旅行へ出かけ、異文化に触れることを楽しんでいた。中でもネパール旅行は特に印象深い。ヒマラヤ山脈の雄大な景色、カトマンズやポカラの歴史的な街並み、そして現地の家庭料理である「ダルバート」が心に強く刻まれている。
ダルバートは、ネパールの国民食ともいえる存在であり、ご飯を中心に、野菜や漬物、カレーが一皿に盛られたシンプルながら奥深い料理である。この一皿が当時の私にとって、文化の違いを超えた温かさを感じさせてくれた。インドカレーと違って、辛すぎず、様々なスパイスの味が飽きないおいしさを演出する。
2. 日本で増えるインド・ネパール料理店
ここ数年、日本ではインドやネパール料理店が増え、身近に本格的なエスニック料理を楽しめるようになった。特に、東京や千葉では多くのネパール人が開くレストランが点在しており、手軽にダルバートを味わうことができるようになってきた。全部のお店が提供するわけではないが、インド・ネパール料理店の2~3割くらいでこのダルバートを見つけられるようになってきた。
このトレンドは、異文化理解を深める絶好のチャンスであるといえる。かつては現地に行かなければ味わえなかった料理が、今や近所のレストランで体験できる。これはグローバル化がもたらした恩恵の一つである。
3. 千葉で味わうダルバート ~シリザナという店~
千葉市中央区末広にある「シリザナ」というレストランでは、本格的なダルバートを楽しむことができる。この店の特徴は、ネパールの家庭料理の素朴さをそのまま再現している点にある。カレーや漬物も手作り感が溢れ、食べるたびに懐かしさが込み上げてくる。
ご飯がインディカ米でパサッとしているお店もあるが、こちらはしっとりジャポニカ米を使用している。そのためか、食べ応えのある一皿になっている。小食の人は、はじめからライスは小盛りをお願いするといいかもしれない。
また、この店ではネパールの伝統的な飲み物である「チヤ(チャイ)」も提供されており、食後におすすめである。異国情緒あふれる雰囲気の中で、心も体も満たされる時間を過ごすことができる。
4. ダルバートを通じて広がる世界
ダルバートは単なる料理ではなく、ネパールの文化や生活を映し出す象徴でもある。30年前に味わった感覚が、今でもその一皿を通じてよみがえる。日本でダルバートを楽しむことで、異国の文化に触れるきっかけとなり、新たな視点で世界を感じることができるのではないだろうか。