マーケティングの本質が分かる本!「問題解決ドリル」坂田直樹 #7
今回読む本で7冊目になりました😊
「構造で捉え、俯瞰して見る力。分析的に捉え、問題を特定する力。」
上記の力をつけるべく、読み進めてきました。読んだ本全て素晴らしかったですし、今回の本で、全ての本で共通している本質的な部分を優しく復習させてもらった感覚があります。
1,ズレをなくす
これは、MECEを使うときにも大切な要素の一つで、問題とのズレがないかという事です。(他2つは「漏れなく」と「重複なく」)
自分の立場だけで「問題を解決しようとする」人がいますが、もちろんこちらの問題は解決されるはずがありません。そこには「ズレ」が起きています。相手の困っていることを解決して、初めて価値が生まれるのです。
著者の坂田さんは、様々な企業のマーケティングの実例を用いて、消費者視点でのサービスの価値を教えてくれます。
消費者のプレファレンスが全てという「確率思考の戦略論」の内容と共通する部分があります。
本書では、①相手が切実に困っていることを発見し、②自分のポテンシャルを理解して、③重なりをつくる技術を「重なり思考」という問題解決の方法としてまとめています。
アインシュタインの名言で、
「私は地球を救うために1時間の時間を与えられたとしたら、59 分を 問題の定義に使い、1分を解決策の策定に使うだろう」
これは「イシューからはじめよ」の内容と共通している部分があります。本書の「重なり思考」では、企業がいかに問題を消費者の本音から探り、提供できる技術を重ねていったかが書かれています。
「いい商品を作ったら売れる。いいサービスなんだから利用される。」だけ考えてしまうと、顧客との間にズレが起きてしまう。。。
「どんな顧客のどんな問題を解決するのか。」を明確にする事が1番最初にハッキリさせるべき事なんだなと改めて確認できました。
顧客の切実な問題を解決するために、事業は存在すべきです。しかし、自分自身が顧客ではないので、顧客の本音がわからなくなってしまうことがあります。切実に困っていることがわからなくなると、想像で自分たちにとって都合のいい問題をつくり、解決したつもりになってしまいます。
上記の文章を読むと、消費者の調査の大切さが分かります。毎日同じ環境にいると、考え方が凝り固まってしまい、主観的な視点で物事を捉えがちです。
第三者の視点、よそ者の視点を積極的に取り入れる事を意識したいです。
全ては誰かの問題を解決し、より良い世界にするために。
2,競争を避ける
問題設定をする際、すでにライバル(大手などかなり強い所だとなおさら)がターゲットにしているセグメントとは別のセグメントを見つける方が良いと、本を読んでいく中で、僕は思いました。
これは「ゼロ・トゥ・ワン」でも書かれていた「隠れた真実を探す」に近い考え方なんだと思います。
著者の坂田さんは、「新しい敵を作る」や「常識を破壊する問いを作り、全く別の解を生み出す」などの視点の大切さを書かれています。
・新しい敵を作る
「本当はこうだったら良いのにな〜」と言う、生活者のモヤモヤを見つける事が必要で、それはみんな諦めてしまっていて、声に出される事はないので見つかりにくいです。
例えば、ブルーライトカットのメガネ。
ブルーライトの概念が浸透する前は、度付きのメガネ市場で企業は消費者のシェアを奪い合っていました。
そこで、生活者の「パソコンやスマホで目が悪くなるのは仕方ないよな」と諦めていたモヤモヤに対して、「ブルライトをカットする事で予防できる」と言う解を見つける事で、新たな市場を開拓できました。
レッドオーシャンの市場で競争する事は消耗する事になる可能性が高いです。
・常識を破壊する問いを作り、全く別の解を生み出す
問題設定をする上で、邪魔になるのが世間や会社、自分の常識です。
過去の失敗や他社の事例を持ち出して上手くいかない理由を作ります。結果、元の思考の枠に収めてしまい、枠を超える事ができません。
ゼロ・トゥ・ワンを読んだときは、「そんなすごい問題は見つけられなさそうだ・・・」と思いました。
この本は、問題解決をすごくシンプルに捉えてくれるので、問題を見つけるのも、消費者の声を見つける事に力を入れればできるのではないか?とプラスな気持ちにさせてくれました。
本質の部分。そこを変えないと結局変わらないよねって部分。消費者も気づいていない本音の部分。隠れた真実を見つける事からスタートアップやマーケティングは始まっていくんですね。カッコいい。
3,モノ余りの時代に。
最後に、問題を見つけたとして、自分にできる事から、アイデアを出すときに注意したい点を書きます。
モノ余りの時代に商品を買っていただくためには、モノがモノを超える価値をどう掘り起こすかがカギとなります。
上記の引用文は、ジャパネットタカタの高田明前社長の言葉です。
ジャパネットは、他のメーカーが家電量販店で製品の機能や価格で勝負している時に、テレビ通販で「高齢者」をターゲットに勝負しました。
これは、高齢者が欲しいのは細かな機能の説明ではなくて、それがどう生活に役立つのか?だった事に勝機を見出した高田前社長の戦略です。
新たなセグメントを開拓し、競争を避ける事で一気に事業を拡大できました。
ここから分かるのは、商品の機能や価格だけで勝負は決まらないと言う事。
これからは、モノを超える価値、つまり体験を売ると言う意識が大切になってきます。こんなような事、キングコング西野さんも言ってたなあと思いました。
商品開発する際、他社と比べて機能が優れている事が最重要ではなく、その商品がどんな体験を生むのか?消費者の生活をどう変えるのか?などを意識して取り組みたいです。
そんな視点で色んなサービスや商品を見てみたいです。
あとは、応援される企業について。
皆さんグラミン銀行って知ってますか??
インドで創業された銀行で、貧困層をターゲットにした融資を行う銀行です。今までの常識では、貧困層をターゲットにする銀行はあり得ませんでした。
貧困層は返済できる可能性が極めて低い。そう思われるのが常識ですし、僕もそう思います。
でも、創始者のムハマド・ユヌス氏は、貧困層の人々が街全体で強いつながりを持っている事、責任感がある事、自立したいと言う強い意志がある事を知っていました。
そこで、5人1グループで融資を行い、1人が返済しないと次の人への融資を行わないと言う仕組みで融資を開始し、今では全世界の貧困層に融資を行っていますが、かなり低い貸倒率だそうです。
今までの常識を壊し、貧困層の最大級の問題である「自立」に対する解を示した素晴らしい事例です。
企業が取り組む問題やビジョンが大きければ大きいほど、応援されます。
なんてカッコいいんだ。。。
坂田直樹さんの会社の株式会社Blaboは、企業が、アイデアや声を一般の人から集めるプラットフォーム運営をされています。
これも、マーケティングにとても重要な消費者の視点を知れたり、市場調査ができる素晴らしいサービスだなと感銘を受けました。
マーケティングって面白いなと改めて思わしてくれた本でした。
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