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ボールの見方(インパクト時編)
「テニスでインパクト時に目線をどこに置くのか」いわゆるボールを最後まで見るのか見ないのかということがある。目線は武道などで使われる先行的動作の一つでもある。ボールそのものを正しく捕えるかということだけに留まらず、戦略、戦術、目的というもっと大きなアトラクターの中に役割がある。まずは何でも人それぞれなのだから試してみればいい。
A ターゲットを認識して、打つときは目線をインパクトに残す。
B ボールを認識して、打つときはターゲットへ目線を持っていく。
試してみれば、それぞれいろんなことに気づくと思う。フォアハンドとバックハンドで違う場合もあれば、順クロス、逆クロスや、ベースラインへの深いボール、角度をつけたアングルというコースでの違いもある。ボールが速いとき、急激な変化があるとき、緩急と相手からのボールによっても違いがあるかもしれない。
私は目線とは腰をどう使うかということの先行動作であると定義している。目線を持っていけば、その方向に腰が使え、目線を残せば腰はそこに残り、目線を反対方向にきれば腰もきれる。腰をどう使うかは、それぞれの状況判断となる。この状況判断することを『捉える』としている。この捉え方を総称して『ボールの見方』としている。この『ボールの見方』を時系列で説明する。
1、前を見る
そのボールは、どの方向から、どこに向かって、どのような軌道で飛んでくるのかをみる。動きとしての反応、一歩目が早いことにこしたことはないが、それを目的に早く動こうとするとミスショットが増えたり、準備が遅れてしまうのは、この最初に行う腰と目のセッティングができていない場合が多い。
2、飛んでくるボール軌道の内側に入る
「ボールの後ろに入る」とはいわれるが、真後ろに入るわけではない。ボール軌道の内側に自分が入る、もしくはラケット面をボール軌道の内側から入れるの二つがある。このときにターゲットはどの程度見えているか、どのような入り方をしたか、バランス的な体勢から、腰をどのように使うかが決まる。
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3、目線をどこに向けるか
①インパクト、ターゲットの両方を見る
ボールもターゲットも捉えられている状況。いわゆる余裕がある状況ともいえる。
両方見えているといえ、その中でインパクトに目を残しているような見方をするフェデラーやアルカラスのような選手は、股関節の使い方が優れており、腰が必要以上に動いてしまわないために、意識はターゲットよりインパクトにあると推測する
。ただ、愛好家を含めた大多数が、そこまで股関節動きに鋭さを作れないため、ターゲット方向に目線、意識を持っていった方が打ちやすい人が多い。ただしデメリットとして「見にいく」が勝手に「向きにいく」に変換されて動いてしまうこともあるので注意が必要。
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②ターゲットに目を移す。
腰を使って、深さ、重さを出したいときの見方。この状況も余裕のある場面であると考える。球種はドライブ系回転より、フラット、スライス系回転の方が有効な見方である。理由はドライブ系の打ち方で、ヘッドダウンからアップさせるときは、腰をきった方急激に持ち上げやすいからである。
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③インパクトを見る
飛んでくるボール軌道の内側に入った際、ターゲットが見えない、見にくい場合は目線をインパクトに残す。ショットはブロック系になる。いわゆる余裕のない状態である。また、余裕がある状況であってもアングル、ボールの飛びを抑えたい時などにも使う。
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子供のスキル獲得に、早期教育がいいのか悪いのか。いわゆるスペシャリストかゼネラリストかというような議論と同じく、インパクト時の目線は、その状況、目的によって異なる。そのためスペシャリストかゼネラリストかの代表として上がる「タイガーウッズかロジャーフェデラーか」というような「誰々が〇〇だから」という成功者バイアスにも注意が必要である。誰かがではなく、まず自分自身で正しく前を見る必要があるということだ。話はそこから始まるのだ。