Photo by spinel3 知の巨人・立花隆さんを追悼する 6 woodpine@エンジニア 2021年6月23日 19:38 立花隆さんの本、いっぱい買ったなあ。isis編集学校で書いた文章と講評を追悼ということで、載せておきます。800字で書評を書くという課題でした。夜中に何度も推敲したなあ〜【テレス賞:大賞】■森松信樹(やみ月めんたる教室)『立花隆秘書日記』佐々木千賀子 「評論家のそばにいるとロクなことはない」こう語る佐々木千賀子さんは、田中角栄研究で有名な立花隆の秘書として、文京区にある彼の事務所(通称:ネコビル)で働いた93年から5年間の顛末を一冊の本にまとめた。 大阪で作家の小松左京の秘書をした経歴をもつ彼女が8カ月の失業後、次の広告を見る。 『年齢不問・主婦可 立花隆秘書募集』「まさか…」と思ったが広告は本物だった。2日かけた応募書類を投函した後、面接、実技をへて合格した彼女の生活は一変する。 田中角栄の死、阪神大震災、ロッキード事件の判決、オウム真理教の地下鉄サリンと、世紀末の日本では様々な事件が続いた。それに呼応してネコビルでは、モジャモジャ頭に不機嫌そうな顔をのせ、好奇心の趣くまま文字と格闘するボス立花がいたり、マスコミとのスリリングなオペラを演じるボスがいた。 一方、ボスが好きなカレーパンとピザパンを買いに走ったり、締切り日にボスと部屋の模様替えをしたり、声優として出演されるべくジブリの鈴木さんと秘策を練る彼女がいた。また、『知の巨人』と呼ばれるボスが、インターネットのHなサイトが大好きな事、2人の愛娘にとても弱いパパな所、検査入院した病院の待合室を作業場に変えてしまう様子を彼女から密かに教えてもらう。 彼女はオペラが好きで、クライバー指揮の『ばらの騎士』や、藤原歌劇団の『トスカ』を「時間よ止まれ…」と願い見る。そんな彼女の前にどんな世界が広がっているのだろう。 今、ボスの周りには取り組むべき対象が少ない様だと彼女は嘆いている。巨悪との対決、神秘との遭遇、そんなテーマに再び完全燃焼して欲しいと願っている。そして、もう一度味わい感謝したい。膨大な資料の海から導き出され、社会の空気を瞬時に転換させる、独特に簡略化され、太字の万年筆で書かれた読みづらい文字の完成原稿に触れた時の思いを。「評論家の秘書もなかなかいいものだ」 ダウンロード copy ここから先は 421字 読んだ本のなかで、気になった部分を抜書きしています。 なにかのヒントになれば幸いです 読書メモ 2020年 100円 過去分の読書メモ 購入手続きへ ログイン #書評 #立花隆 6 いただいたサポートは書籍の購入などに利用いたします。 どうぞよろしくお願いします。 サポート