むかし書いた韓国コラム #511

 旅行情報サイトの掲示板で、「ソウルで一緒に食事しませんか」という呼びかけの書き込みを見かける。自分のことを振り返れば、一人旅で韓国を訪れたときに食事をするのに苦労した記憶がある。焼き肉や鍋物は1人では食べられない。インターネットがなく、簡単に仲間を募ることなどできなかった時代の話だ。ネットの普及で旅仲間を作るのも簡単になった。実際に利用したことはないが、1人では食べにくい焼き肉も多人数なら問題はない。

 ただいつもそうした書き込みを見て気になっているのは、焼き肉屋などでおかずに出されるテンジャンチゲや茶わん蒸しの扱いだ。普通の店でわざわざ取り皿はくれない。各自が自分のスプーンを突っ込んで食べることになる。知り合い同士でも抵抗感があるという人もいる食事作法だ。初対面同士でこのハードルを乗り越えるのはなかなか厳しいのではないだろうか。どう解決しているのか、旅行者のふりをして観察してみたい。

【解説】
 個人的には人見知りな性格なので見知らぬ人と食事をする気にはなれず、1人めしのスキルを上げることで焼き肉でも鍋でもなんでも1人で食べられるようになった。旅先での新しい出会いというのも楽しいものだが、初対面同士で同じ鍋にスプーンを突っ込むのがいやなら1人めしにチャレンジする方が楽かもしれない。

(初出:The Daily Korea News 2011年2月9日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

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