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むかし書いた韓国コラム #122

 外国人が苦手な韓国料理の筆頭に挙げられるのがホンオ(ガンギエイ)だ。噛みしめると口の中いっぱいに広がるアンモニア臭は、好きな人にはたまらない味だが、多くの人が顔をしかめ手も付けない。全羅南道地方の食べ物ということもあり、韓国人でも食べられない人は多い。

 そのガンギエイから認知症を予防・緩和できる成分が開発されたという。海洋水産部が推進したプロジェクトの成果だ。あの強烈な臭いはむしろ記憶が衰えそうな気もするが、ガンギエイから抽出したPEFLペプチドなる成分に認知症予防・緩和機能があるそうで、マウスでの実験でそうした効果が認められたという。

 ゲテモノ扱いされるガンギエイだが、食べるだけで認知症予防になるなら悪くない話。これからたまには食べてみようか、と思ったが、同成分が抽出されるのはガンギエイの皮で、加工過程でほとんどが捨てられる部分という。ガンギエイをたくさん食べてもあまり意味はなさそうだ。

【解説】
 ホンオは特別にまずいものではないが、あのアンモニア臭が敬遠されるのだろう。日本から来た知人に体験してもらいたかったが、値段もそこそこ高く、だれも手を付けなかった場合に1人で1皿食べるのはしんどいため未経験者に振る舞うのはリスクが大きく、経験者以外と食べたことはなかった。

(初出:The Daily Korea News 2015年10月8日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

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