むかし書いた韓国コラム #756

 自宅近くのイチョウ並木が黄色く染まっている。視覚的には美しいが、嗅覚的に閉口するのがイチョウの実のギンナンだ。韓国の街路樹はどうしてこんなにイチョウが多いのだろうか。自宅近くの道路も街路樹はイチョウで、多くのギンナンが落ちている。だれも掃除をしないので踏みつけられ悪臭を放っている。そしてこの道路にある交差点は信号待ちの時間が少々長い。青信号を待っている間はずっとこの臭いをかがされることになる。以前はギンナンの実を勝手に収穫するおばさんがいたりしたものだが今年は見かけない。

 街路樹の所有権は自治体にある。勝手に実を採取すると5年以下の懲役や1500万ウォン以下の罰金という罰則が一応存在している。ただよほどのことがない限り訴えられることはなさそうでもある。しかし所有権を主張するならば管理責任も問いたいところ。悪臭の放置は迷惑行為禁止条例かなにかで取り締まれないものだろうか。青信号を待ちながら考えてみた。

【解説】
 信号待ちの間だけくさいならまだいい方で、うっかり踏んづけて帰宅すると玄関が異臭に包まれる。ギンナンの季節は踏んづけずに道を歩く方が困難で、できるだけ靴の裏にギンナンの破片が挟まったりしないよう帰宅時には細心の注意が求められる。本当に管理責任を問いたいくらいだ。

(初出:The Daily Korea News 2014年10月16日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

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