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アドベンチャーゲームブック
中学生の頃、アドベンチャーゲームブック(ゲームブック)というのが、自分の周りで流行りました。
ゲームブックは、紙の本ですが、前から順番に読み進める本ではありません。途中で選択肢があり、選択によって、次に進むページが指定されます。したがって、読者によってストーリーが変わってきます。
本というよりは、ゲーム感覚で楽しめました。
そのうち、自分でもゲームブックを作りたくなりました。A6ぐらいの小さなノートにページ番号を記入して、それぞれ選択肢をつくればできました。
私が中学生時代につくった手順です。
ノートの各ページに、ページ番号を書きます。
大まかなストーリーを考えます。スタート~ゴールの展開と、ゲーム・オーバーになる状況をイメージします。
最初の選択肢ぐらいを考えたら、深く考えずに、紙にマル(○)を書き、線で分岐させ、○と○をつないでいきます。〇の数は、ノートのページ数分です。末端の〇は、スタート、ゴール、ゲーム・オーバーのいずれかになります。
ストーリーを考え、上で描いた図の中に、簡単なコメントを記入していきます。ストーリー上、変更が必要であれば、図の修正を行います。メインのストーリーを重視して、ゲーム・オーバーになる展開は、それなりにこじつけます。
〇にページ数に対応する番号をランダムにつけます。
各ページに質問と選択肢を記入して、完成。
絵を描くとおもしろくなるのでしょうが、絵心が皆無なので、文字だけにしました。その分、1冊のノートを上下に4段くらいに区切って、複数のゲームブックを遊べるようにしました。
題材は、比較的、身近なものにしました。当時、校内暴力や非行が問題になっており、不良少年にからまれたら、どう逃げ出すかという話もつくったのを覚えています。(近くの中学校の名前などを使っており、とても世の中に出せる内容ではありませんでした。)
友だちに見せると、それなりに楽しんでくれ、いくつかつくりました。
それから何十年も経ちました。小学生の子どもは、コンピュータゲームをやりたがります。コンピュータゲームに夢中になると、いつまでも続き、目にもよくないと思い、ゲームブックを紹介しました。
本屋でゲームブックは、あまり見かけませんでしたが、ネットで検索すると売られてはいたので、子どもが興味を持ちそうな内容の本を1冊購入しました。
子どもは、最初、喜んでやってくれました。しかし、数回やったら、飽きてしまいました。文章部分は飛ばして、質問と選択肢ぐらいしか見ていません。そう考えると、コストパフォーマンスが悪い買い物でした。
コンピュータゲームが普及した現在、ゲームブックは使命を終えつつあります。ゲームブックの内容を、プログラミングしてゲームにするのは簡単そうです。むしろ、ページ数など気にせずできるので、本よりつくりやすいはずです。私は、プログラミングは素人ですが、Excelでハイパーリンクか何か使うだけでも、似たようなものは簡単につくれそうです。
しかし、ゲームブックをつくっていた頃の、ワクワクは忘れられません。今、考えると、アルゴリズムのトレーニングにもなっていました。(当時、そんなことばも知りませんでしたが。)
私は、ゲームブック以外にも、自分ですごろくをつくったり、ボードゲームをつくったりしていました。
PCやスマホで、簡単に面白いゲームができる時代になりましたが、高級な機器を使わなくても、紙やえんぴつで、手作りのゲームをつくっていたのが懐かしいです。与えられたゲームをやるよりも、創造的で楽しいとも思います。強要するつもりはありませんが、子ども達にも、そんな体験をさせてあげられるといいなと思っています。