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「女性がイキイキと活躍できる社会を実現するために、強みを活かしながら自分にできることをコツコツと」品川区長 森澤恭子さん

昨年12月に品川区長選で当選し、品川区で初めて女性区長になった森澤恭子さん。

仕事や子育て、自分の時間、どの場面においても「これをやりたい!」という情熱で、好奇心や行動力でとにかく何でもやってみるマインドをお持ちの森澤さん。
常にやりたいことって何だろうと立ち返り、自身が向き合うお仕事に意味を見出していらっしゃる森澤さんのご経験やマインドを、2回にわたって伺いました。
(※2018年6月Women's Innovation前HPブログ掲載記事を再編集して、掲載しています。)

前編取材(左)・後編取材(右)

森澤恭子さんプロフィール(どちらも写真中央):1978年生まれ、神奈川県茅ケ崎市出身。北品川在住、2児(小学生)の母。2002年慶應義塾大学法学部政治学科卒。親戚に政治家がいた影響で幼い頃から政治に興味をもつ。高校2年ではアメリカに留学しgovernment(政治学)の授業を受け、より一層政治に対して関心を抱くようになる。2000年、大阪府で初めての女性知事が誕生したことを知り、未だに女性のリーダーが少ない現状を知り、議員という職について考えるようになる。2003年には、日本テレビの報道記者となり小泉純一郎元首相の番記者を務めた。その後、夫の海外赴任に合わせて仕事を退職。シンガポールで子育てを始める。帰国後は企業に勤め女性キャリア支援を行う。
2017年東京都議会議員に初当選。一期目は会派の幹事長等を歴任し、2021年二期目の当選(無所属)。2022年12月の品川区長選で当選。

「すぐに役立つことではなかったものの、議員になってから活きている学生時代の経験」

WI林:プロフィールを拝見し、政治に強い興味関心をお持ちだった印象があるのですが、学生時代に得た学びを教えてください。

森澤さん:高校生の頃はスタンフォード大学での交換プログラム、大学生の頃は議員インターンシップや学生政策コンテストに参加しました。これらの経験によって色々な価値観に触れながら学ぶことの大切さを知りました。また、大学時代にゼミで政治の勉強をしていてすぐ直接役に立つことではなかったのですが、議員になってからとても役立っていると感じています。

時間がある学生時代は、面白いと思ったことや気になったことをとにかくやってみる。これからキャリアを歩んでいく上で、経験を積んで、自分が好きなことと嫌いなことを理解することが大切だと思います。

WI小笠原:学生時代から色々な経験を積み、ご自身がやりたいことをお仕事にされてきた森澤さんは、学生が日頃から考えておくべきことは何だと思いますか。

森澤さん:1つは、少子高齢化の弊害や解決策について、自分の意見を持っていること。例えば、子育てと仕事の両立だけでなく、不妊治療と仕事の両立も視野に入れておくといいなと思うんです。
私は、28歳の頃から婦人科に通っていたので、結婚後スムーズに出産できたのですが、晩婚化が進んでいく一方で出産のリミットも考えると、自分の健康を考えて産婦人科に通うことも大切だなと。

2つ目に、自分が何を通して社会に貢献したいのか考えること。憶測で考えず、知りたいことは直接聞いて、様々なことにチャレンジしてほしいなと思います。

「最終目標は、女性がイキイキと活躍できる社会の実現」

WI稲葉:転職、子育て、議員として働くなど、やりたいことをその都度実現するための変化を多く迎えられていると思うのですが、変化に不安を感じることはありますか。

森澤さん:私の最終目標は女性がイキイキと活躍できる社会を実現することなので、それを成し遂げるまで途中で困難に直面したり失敗しても、めげず、乗り越えられる気がします。もし小さな困難で挫折してしまったら、本当にやりたいことではないのかもと考えて、軌道修正することも必要だと思っています。

もう1つ大切なのは、「鈍感力」。言われたことを気にしていると進まない部分もあるので、受け止めて流すことが大事。信頼できる方や1歩先を歩んでいらっしゃる方に話すことで自分を客観視し、悩みを解消しています。自分がなぜ悩んでいるのかを考えると、自分が本当にやりたいことだったのかも見えてくると感じています。

WI稲葉:目標を持って働き、悩んでも内省する機会を持つこと。私も社会人になってから意識してようと思います。森澤さんが政界で働くと決めた時、何が後押しになったのでしょうか。
森澤さん:子育てをしていて未だにフルタイムで働いている女性が評価されたり、1度離職すると再就職しにくい社会に疑問を持ちました。私自身保育園を探すのに苦労した身なので、子育て世代の声がもっと反映される社会を作りたいと思いました。

政界で働こうと思ったのは、自分自身がこの課題に向き合うべきだという気持ちになったことが大きかったです。経験しないと分からないという気持ちが、自分の選択を後押ししてくれました。

WI吉岡:常に行動力とエネルギーに溢れている印象を抱いたのですが、森澤さんの原動力が気になっています。

森澤さん:世の中をもっと知りたいという好奇心と、やった後悔よりもやらなかった時の後悔のほうが大きいという気持ちですね。自分の経験は血になり肉になると思っているので、自分の心に従う精神が原動力になっています。

政治でも会社でも記者でも同じなのですが、色々な経験を積むことで、色々な立場をより理解することができて、コミュニケーションが取りやすくなるんです。私は考えて動くよりも考えながら動くタイプなので、どんどんと行動する性格を強みとして捉えて活動しています。人は1人では生きられないので、弱点は周りに補ってもらうことで、自分の強みをもっといかすことができると思っています。

「お風呂でなぜ自分がその仕事をやっているのかで再確認」

WI吉岡:考えながら動くと仰っていましたが、どうやって物事の優先順位をつけられていますか。

森澤さん:心のままに動くタイプですが、最終的に何をしたいのかを考えて、今日やるべきことに落とし込んでいます。タスク管理は手書きで、ノートやポストイットなどに書き出して見える化しています。私は楽観主義で、期限ギリギリにやるタイプなのですが(笑)。一晩寝かせると見えてくるものがあるので、タスクが発生したらとりあえず手を付けるようにしています。

WI林:多忙な日々を過ごしていらっしゃると思うのですが、仕事や家事が終わった後のルーティンはありますか。

森澤さん:元々日記を書いていたのですが、今はブログを書いていて、自分を客観視することに役立っています。心を落ち着かせることを大事にしようと思い、お風呂の時間にリラックスするようにしています。その時間に振り返りをして、自分がなぜその仕事をやってるのかを再確認しています。

WI木村:旦那さんとの馴れ初めについてもお伺いしたく(笑)。結婚の決め手を教えてください。

森澤さん:夫は大学の同級生で、キャリアを積むことに関して対等な価値観を持つことができました。結婚の決め手は一緒にいて、楽だったから。対等な関係を築けることに心地よさを感じました。

WI石井:旦那さんの転勤先シンガポールで子育てをされていたことがあったとプロフィールを拝見しました。シンガポールと日本の育児環境の違いを感じたことはありましたか。

森澤さん:シンガポールには、色々な国や地域の方がいて、こうあるべきだという固定観念がないんです。ナーサリースクールなどが充実していて、ベビーシッターも気軽に利用しやすかったです。

WI大山:自分のやりたいを起点に仕事を選んでも現実と理想のギャップはあると思うのですが、なぜ自分がやっているのか。自分にだからできることは何か。ご自身の強みとやりたいことを活かしていらっしゃるからこそ、いつも笑顔絶えない森澤さんの姿に繋がってるのだと思いました。今日は本当にありがとうございました。

(取材・:天野翔太、石井梓、稲葉結衣、小笠原杏、大山友理、上之山紘奈、木村麻友、林あかり、吉岡香織、文:新井寿美伶&鈴木紘奈、編集・構成:大山友理)

Women's Innovation前HPブログ掲載記事を再編集(2018年6月1日2018年6月25日取材)


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