一人の書き手として思う、穴掘りの重要性(飾りつけはその後でいいと思うよ)
せっかくLITALICOアドベントカレンダーというものに参加させてもらってnoteを使い始めたので、これまでの新聞記者経験やLITALICOで働いている間に思ったことなんかを、アウトプットの練習も兼ねてこっそり書いてみようかなと思っています。
ライターとかエディターとか、結局目指すものは同じ
いきなり始めますコンテンツ制作について思うこと。
ライターさん、編集者さん、ディレクターさん。
ここで話すコンテンツっていうのは主に記事(文章)のほうなんですけど、まあコンテンツ制作に関わる職種っていろいろありますよね。
でも、根っこは一緒。「みんなに読まれるコンテンツを作ろう」ってそれだけの話です。いや、それだけがとても難しいことは百も承知です。
コンテンツを作る上で、彼らの仕事はちょっとずつ違います。
ライターは文章を書き、編集者は文章をチェックし、ディレクターはなんていうの、ほら、企画とか編集方針とかもそうだし、コンテンツの内容に口を出すこともありますよね。
でも。
でもでも。
みんな、土台となるスキルは一緒なのではないかと思ったり。
ようは、「読ませる文を構成することができるか」なのだと思うのです。
ライターは言わずもがな。読ませる文章を書けなかったらいいコンテンツができません。
そしてそして、読ませる文を書けない編集者が文章を編集しても、なんだか骨抜きなこんにゃくチックな文章になっちゃうんですよね。芯が入らないっていうか。
さらにさらに、ディレクターもまた、読ませる文をビジョン化できなければ、文章の流れの中に時折垣間見える瞬きを追うのが難しい。一文の流れ、輝きを読み解けないディレクターが企画ディレクションをすると、ふらふらして持ち帰った後の荒れたオードブルみたいになっちゃうんじゃないかなって。
ようするに、
みんな基礎(ライティング)をバカにしてはならない。
こういうことなのだと思うわけです。
ライティングってひたすら穴掘る作業だよ
で、その基礎(ライティング)について。
表面上の表現って、大事ですよね。理解しています。
SEOワードや、語尾の言い回し、印象の良い画像選定。読む人の心理的ハードルを下げる重要な作業です。
ただ、「ライティングってそういう飾りつけの作業だけじゃないよね」とも思っているのです。
じゃあ、結局なんなの?
情報発掘。これです。
文章の「芯」を発見する旅のことです。
本を読んだり、膨大すぎる文字量の行政サイトから必要箇所だけ抜き取って読解したり、意味不明(難解すぎるだけだよ)な判例読んだり、論文読んで頭抱えたり。
前日まで必死に勉強して、的を射た質問を考えに考えてインタビューの質を高める試みも、情報発掘のひとつと言ってしまって差し支えないでしょう。
こういう、ひたすら穴掘って穴掘って目的のもの発掘します、みたいな。
超絶地味作業。
ライティングっていうと、読みやすく文章整えるのが仕事でしょって思われる感あるんですが、実際は、文章に載せるための正確な情報をえんやこら探す。そしてそれを噛み砕いて表現する。この2段階がライティングの神髄だと思っているんですけども。
違う…かな。いや、合ってるよね。合ってると思う…
この地味作業が、けっこう忘れられがちじゃね?って感じること多いです。
旅の日程は短ければ短いほどいいよっていう風潮。
結論:みんな穴掘ろう
そういうわけで。
穴掘った形跡のない、表面的に流れていくだけの「読みやすいコンテンツ」は、ちょっと物足りないかなって思ってしまう今日この頃。
もっと土被った形跡を見せておくれ。
そして感じる、がっちりした芯が文章に存在する安心感。
そういうウェブメディアが増えるように、そういうコンテンツが作れるように、
今日もスコップ準備します。