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女性活躍ミーティング③周囲の理解や支え「ありがたい」

 女性活躍推進に取り組む企業・団体を応援するキャンペーン「WOMAN Next(ウーマン・ネクスト) 国際女性デーinぐんま2021」の一環で、協賛社社員によるオンラインミーティングを開催した。最終回の今回も「女性活躍」「女性が働きやすい環境」といったテーマを基に意見交換。制度の充実や意識改革など、時代による変化が浮かび上がった。

【参加者】
赤尾商事カーライフ部SS課課長 内田 春美さん
群馬銀行人事部人材開発室 坂本 真穂さん
ヌカベ営業部主事 佐藤 鈴代さん

女性管理職を増やす仕組みづくり

ヌカベ佐藤さん

佐藤さん 自動車部品を製造する会社のため、女性社員は3割弱と少ない。以前は妊娠すると辞めるのが普通だったが、10年ほど前から会社が女性の人材育成を重視するようになった。
1人が育休を取ったのをきっかけに、他の人たちも「取れるんだ」という意識になった。私は入社して15年になり、その間に2回育休を取った。周りがとても協力的だったので、取りやすかった。

★内田さん_9856

内田さん 当社は群馬と埼玉でガソリンスタンドを経営している。「2030年ビジョン」として、多様な働き方ができ、女性やシニア、外国人が活躍できる会社を目指している。女性社員の割合を上げたり管理職を増やしたりしている。

★坂本さん_9957

坂本さん 私は今人事部で研修の企画・運営や女性活躍推進関連を担当している。性別に関係なく、すべての人が働きやすい職場が一番大切だと思う。制度の整備や意識の変化などにより年々女性管理職が増えている。当行には女性活躍促進チーム「L-NEXT」もある。

制度を変えるのは「当たり前」に

佐藤さん ここ数年、育休取得率は100%。時短勤務を選べる期間も以前は3歳までだったが、小学校2年生になるまでに延びた。4月からは小学校4年生になるまでに延びる。社長に「困っているなら、制度を変えるのは当たり前」とおっしゃっていただいた。
出産した後も子どもが毎週熱を出したりして、子育ては思い通りにいかないことも多い。でも、そういうトラブルを前提で周りの皆さんが支えてくれた。周囲の理解や支えがあると、とてもありがたいと感じる。

内田さん 私自身は妊娠をきっかけに一度退職した。子育てしながら正社員として働く自信が持てなかった。出産後に会社でアルバイトをしていたが、子どもが熱を出して急に休んだりすることに引け目を感じた。でも上司の理解があり、「もう帰りなよ」「休んでいいよ」と言ってくれた。
上司に恵まれたおかげで、いま継続して働けるのだと思う。育休は権利だが、それを主張するだけでなく、お互いに思いやりを持って働けるといい。

坂本さん 出産後も働きやすい環境が整っている。育休は最長で子が2歳になるまで取れる。第2子以降が生まれた場合は20~200万円の育児サポート手当が支給されている。不妊治療を行うための特別休暇もある。
行員の不安を和らげるため、産休前~産休・育休中~復職後まで人事部が一貫したフォロー体制を取っている。育休明けは時間外勤務の制限や時短勤務を選べる一方、フルタイムで復帰する人には手当を支給している。

内田さん 以前は、女性はあまり重要な仕事を任されなかった。しかし、リーダーになりたい女性を増やすことも大事。スタンドのスタッフはほとんどが男性だが、お客さまが何かを購入する時は女性が決定権を握っていることが多い。女性に好まれるお店づくりを進めるには女性の目線が必要だ。そうした女性の意見を受け入れてくれる会社であれば、女性が活躍できると思う。

上司の「任せる姿勢」で仕事にやりがい

佐藤さん 紙の図面から電子データへの切り替えを、営業部の女性が中心となって対応している。「1番いい方法を考えて、チャレンジしてみなさい」と言ってくれる上司がいることは幸せ。任せてくれることがステップアップにつながる。営業部以外のメンバーにもそういう気持ちになれるチャレンジをしてほしいし、そのためにどういったことができるかを考えている。

坂本さん 以前は一般職という事務中心の行員採用があったが、人事制度の見直しで全員が総合職になった。時代背景に合わせて銀行業務は幅広くなり、女性が自然と活躍してきている。支店長代理や支店長に就く人も多く出てきた。一方で、出世はあまり考えていないという人もいる。なぜそう思うのか、キャリアアップに対する不安や問題点についてヒアリングし、それが制度などで直せるものなのか、一つ一つ見直しをしている。

内田さん 女性だけで「赤尾ジェンヌ」というチームを作り、年度方針の発表会を運営した。男性中心で運営していた時は「お堅い」発表会だったが、男性とは違った感性で、一目置かれた。自分が一生懸命に働くことで、周りが認めてくれたり、お客さまから信頼されていると感じた時はやはりうれしい。

佐藤さん 少子化もあり、女性の人材活用が当たり前になった。出産で離職するのではなく、それまでの経験を大切にしようと会社が育休を推奨してくれている。周りに認められているという雰囲気が感じられるとうれしい。

坂本さん 女性だからとか、「女性活躍」という言葉があるうちはまだまだなのかもしれない。女性活躍の会社をゴールにするのではなく、すべての人が個人の能力や個性を生かして、自分の選択で生き生きと働ける。そんな社会になっていけたらうれしい。

(2021年2月25日付上毛新聞掲載「WOMAN Next」紙面ミーティングを転載しています)

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