パラドゲー(CK3)・デビュー
ついにパラドゲー・デビューしてしまいました。パラドゲーにもいろいろありますが、中世ヨーロッパの十字軍遠征の時代を舞台にした「Crusader Kings III (CK3)」です。
そんなわけで、パラドゲーとかCK3について少し書きます。(長いのはブログの方に書こうかどうしようか…)
どんなゲーム?
パラドゲーとは
まず、パラドゲーとは。海外のParadoxという会社が作っているゲームのことをパラドゲーと呼びます。
Paradox社は自分自身でゲーム開発するだけでなく、他社が開発したゲームの販売も手がけています。販売の方ではCities:SkylineやCivilizationシリーズといったところが有名で、自分はどちらも遊んでいます。この2つはPSシリーズやSwitchといったゲーム機でも日本語対応版が発売されているので馴染みがある方もいるかと思います。
上記も含めてパラドゲーと言う方もいるようですが、個人的にはパラドゲーとはやはりParadox社自体が開発している以下のようなゲームを指すものと思います。
Europa Universalisシリーズ(EU):最新はEU4、宗教改革や大航海時代
Hearts of Ironシリーズ(HoI):最新はHoI4、第二次世界大戦
Victoriaシリーズ(Vic):最新はVic2、産業革命から第一次世界大戦
Crusader Kings(CK):最新はCK3、11〜15世紀の欧州・地中海地域
Stellaris:未来の宇宙時代
主に歴史上の特定の時代を取り上げた歴史シミュレーションゲームをいくつか出しています。と言っても、歴史通りの展開にはならないです。
スタート時点では史実を反映した状態ですが、後はそれぞれのAI任せなので展開は史実とは異なる不思議なものになりがちです。歴史の再現を目指すのも良いですが、当時の様々な要素を適度にデフォルメした世界での「もしも…」を体験するゲームといった方が良いかもしれません。
ジャンルとしてはストラテジーゲームの範疇で語られますが、RPG的な要素も強いと思います。その結果、世界中に多くのファンを持ち、時間泥棒と言われながら今日も多くの人が遊んでいます。偏りはありますが、上記作品の解説動画はたくさんあるので、YouTube等で検索するといろいろ出てきます。
CK3とは
上にも書きましたが、11世紀から15世紀にかけての欧州、地中海世界を舞台に、十字軍を扱ったゲームになります。
この手のストラテジーものではCivilizationシリーズなら一つの文明、他のパラドゲーのEU4とかHoI4等では一つの国家をプレイヤーが操っていくものが多いですが、CK3では一つの一族を操り、中世貴族の世界を体験します。
何となく縁遠そうですが、ゲームやアニメに出てくる欧風中世世界のベースになる世界ですので、ある意味馴染みが深い世界でもあります。もちろん、魔法とか精霊とかモンスターとか出てきませんけど。
プレイヤーは群雄割拠する中世の一貴族として世界に飛び込みますが、一代限りで終わりではありません。自分の死後は後継者が覇業を受け継ぎますので、引き続き遊んでいくことになります。後継者がいない状態で初めてゲームオーバーになります。
ゲームオーバーはそれで良いとして、では勝利条件は?
実は、パラドゲーには勝利条件というものがあまり明確にはありません。強いて言えば、時代を生き抜くことです。
そのために何を目標とするかはプレイヤーに委ねられています。何なら、ずっとダラダラしてても構いません。構わないですが、それだとなかなかモチベーションも上がらないので、個人で勝手に目標を決めて、そこに向けて進めていきます。
もちろん、うまくいかないこともあるのですが、その時は目標を変えてしまえば良いだけです。高度の柔軟性を維持しつつ臨機応変に進めることが重要です。
なぜCK3を買ったのか
まあ、そろそろパラドゲーをやってみたいというのがまずありました。
最初に挙げた5つのシリーズが主要なパラドゲーになります。
その中で最終的にCK3を選んだのは、Steamの旧正月セールが悩んでいるうちに終わってしまい、その後もセールしていたのがCK3だったから、という身も蓋もない話です。
そうは言ってももうちょっと理由があります。パラドゲーに限らず海外のゲームは最初に発売された製品(よくバニラと呼ばれます)の拡張セットが後からよく発売されます。信長の野望で言えばパワーアップキットです。ただ、パワーアップキットは一度出れば終わりですが、拡張セットは2回以上出ることも多いです。
パラドゲーももちろん同じで、発売から時間が経つほどに拡張セットがどんどんリリースされていきます。それでごちゃごちゃしてくると一旦リセットされて、ナンバリングの数字が上がった新製品が出てくるという繰り返しです。
そんなわけで、2013年発売のEU4は多数の拡張セットがある状態なので今からそこに入るのは敷居が高いということでまず外しました。
また、宇宙もののStellarisはちょっと毛色が違うので、これも外しました。パラドゲー入門としてお勧めされることも多いのですが。
Vic2は数あるパラドゲーの中でも難易度が高いのと、こちらも2010年発売という古いゲームなので外しました。なお、現在Vic3が開発中です。
最後まで迷っていたのが第二次世界大戦を舞台にしてユーザ数も一番多いHoI4と、これらの中で一番最近の2020年にバニラが発売のCK3です。
とにかくHoI4はユーザ数も情報量も圧倒的です。EU4よりは拡張セットも多くなく、セールでは1000円程度で買えたのでとても魅力的だったのですが、悩んでいるうちにセールが終わってしまいました(笑)
とは言え、実はパラドゲーをやろうと思ったのは大河ドラマの影響でCK3をやりたかったというのが発端なので、ぐるっと回って最初に戻ってきました。
日本の中世とヨーロッパの中世
最初に断っておきますが、CK3では日本を含む東アジアは登場しません。ユーザが作成したゲームの拡張セット(MOD)で日本の戦国時代を扱ったものもありますが、ユーザ独自のもので公式サポートはありません。
それでも、大河ドラマで平安時代末期から鎌倉時代初期にかけての時代が舞台になるので、せっかくならその辺りの時代を味わえるものが良いな、というあたりで選びました。
大河ドラマ「鎌倉殿の13人」は鎌倉幕府の執権、北条義時を主人公にしていますが、その時代の政治体制や国内統治の仕組みは同じ「封建社会」の枠組みに入る戦国時代や江戸時代とも違うものです。
言わば封建社会のβ版が平安末期、1.0が鎌倉時代初期、そして戦国時代とか江戸時代が2.0以降という感じで、同じ「封建制」でもどんどんバージョンアップしています。
大河ドラマでも北条義時ばかりでなくて北条家といった一族に注目している場面がありますが、平安末期から鎌倉初期の坂東武者たちの「お家」と、江戸時代の「お家」は似ているようで違うところもままあります。主君と家臣というよりも、より一族という部分が大きく感じますし、その辺りはCK3で取り上げている中世ヨーロッパの封建制に近いかなと感じます。
もちろん、日本の鎌倉期の「封建制」と中世ヨーロッパの「封建制」は、これまた似て非なるものです。CK3はゲームなので、その中で出てくる統治制度はかなりきれいに整備されていますが、それを抜きにしても日本のこの頃の統治制度は中世ヨーロッパのそれと比べるとだいぶ大雑把です。
あとはまあ、アニメ、ゲーム、ラノベ等で最近伯爵だの公爵だのが出てくる何とか王国を舞台にしたものが多かったので、ちょっとそういう世界を体験したかったのもあります。
実際遊んでみて
そんなわけで、最初のチュートリアルをやってみました。言われるがままに進めてみましたが、チュートリアルがある範囲はスムーズに進みます。
チュートリアルではある程度のことは実際に遊んで覚えるようにできていますが、触れていない要素も大量にあるので、その辺りは有志の皆さんが公開している解説記事や解説動画とかを見ることになります。
とりあえず、チュートリアルはアイルランド南部でそこそこの領土(14の伯爵領のうち3つ、5つある公爵領の1つ)を持っている貴族で始まり、チュートリアルでいくつかの周辺貴族を吸収するので、そのままアイルランド統一を目指すのがありがちな流れです。
それなりに戦力もあるので、チュートリアルで学んだことベース+力攻めでアイルランド統一自体は比較的簡単にできるかと思います。
ただ、戦争の操作がよく分からず、一度、同盟相手に呼ばれてブリテン島に戦争に行ったものの、何もできていなくて何の成果も上げられなかったりもしました。
何か状況に変化があると、AIがアドバイスをしてくれるので、それに従っているとそれなりに進めることができるのも大きいです。(もちろん、この機能をオフにできます)
例えば、このゲームでは他の貴族を攻める際には「開戦理由」という大義名分が必要になりますが、それを満たすと「宣戦布告ができますよ」と教えてくれたりします。
配下の貴族が不満を持っていれば教えてくれますし、ゲーム中に起きるイベントの選択肢にマウスカーソルを持っていけば、それによってどんな影響が起き得るかを教えてくれます。「転生したらスライムだった件」で言えば大賢者がついているようなものです。まあ、話しかけたら何かを返してくれるという機能はないですけど。
ですので、分からないながらも何とか進められるし、画面に出てくる情報にマウスカーソルを合わせると、その説明がポップアップしたりするのでゆるゆると進めることはできます。時間はかかりますけど。
アイルランド統一まで
実際には、チュートリアルの中で南のデスモンド伯爵領を攻略、チュートリアル終了後にすぐ北で兵力の少ないウイ・バーニェ伯爵領に侵攻。この時、停戦したことで5年間その先のメイヨー伯爵領に開戦できなくなりました。
その後、懐柔工作してしてオッソリー伯爵領を臣従させ、停戦明けのメイヨー伯爵領、ブレフネ伯爵領を攻略した時点でアイルランド国王の条件を満たしたので国王就任。その時点でレンスター、オリオル、アルスター伯爵領が向こうから臣従してきてアスローンが孤立。最終的に攻め込んでアイルランド統一したのが1083年で、ゲーム開始から17年経過していました。
途中、無駄に時間を進めていたり、停戦期間で戦争できなかった時期もあるので、もうちょっと早く統一できそうです。
こちらと互角の兵力を持っていたレンスター伯爵領が向こうから臣従してきたのは助かりました。こちらの威信とか名声があれば、相手から見た自分の評価が上がり、それによって臣従しやすくなるので、互角の戦力でもいけるようです。評価はいろいろな要素をもとに計算されるので、一概には言えませんが、数値的に原因がわかるようになっているため、対策が立てやすい(あるいは見切りがつけやすい)です。
なおアイルランド自体は5つの小王国と公爵領からなり、それがさらに2〜4個の伯爵領に別れます。伯爵とか公爵というのは単なる身分を示すだけでなく、これらの領地の所有権を示しています。
日本でも平安とか鎌倉初期は実際にその土地を治めるお墨付きとして伊豆守とか三浦介とかの官位を得ていました。その後の戦国時代あたりはもう勝手に自称してますし、朝廷から官位として与えられた地域を治めているとは限らず、実態とは剥離してしまいます。
「鎌倉殿の13人」第5回で、山木を討ち取った頼朝が下田の豪族の領地の召し上げをして、それに対して大庭、伊東が激怒していましたが、そういう制度上の上下関係と実力による上下関係があり、ここは俺の支配下だと主張する大義名分になっていたわけです。
劇中ではあまり説明がありませんが、あれは頼朝が伊豆目代(伊豆の支配者である伊豆守の代官)である山木を討ち、その伊豆の領地の差配をすることで自分こそが伊豆を支配していることを宣言したのであり、それに対して平家側として伊豆を実効支配していた伊東氏やその背後の大庭氏がブチ切れた、という背景があります。
CK3でも、そういう領地の権利の相続権を持つ人物を傘下に入れたり、場合によっては家系を捏造して相続権を主張することで領地を奪ったり、上位の領地(例えば伊豆)の権限を元に、下位の領地(例えば伊豆にある伊東とか河津とか下田とか)を実効支配している人物を追い出したり、麾下に加わるように説得(物理)するという流れになります。まあ、最終的には兵力がものをいうわけですけど。
中世というのはだいぶ遠い昔で、馴染みがなかったりするし、学校の歴史の勉強では面白いところはあまり触れないで起こったことばかり勉強するのでつまらないと感じるかもしれません。が、実際には色々と面白い時代だったりはします。現代人としてはなかなか生き残るのも難しい時代だと思いますけど。
自動アップデートで困った
困ったのは、2/9のCK3最初の拡張セット発売に合わせて、CK3本体にも大きなアップデートが入ったことです。
Steamのゲームは自動アップデートできるものが多く、デフォルトでは自動アップデートになっているので、勝手にアップデートされてしまいます。
しかし、セーブデータはバージョン依存のものが多く、実際、前日に遊んだセーブデータはロードはできて、とりあえずゲームは起動するものの、プレイヤーキャラが瀕死と言われたり、所領の支配度が激減していたりと、いろいろおかしくなっているようです。
アップデートがあるのはわかっていたのに、自動アップデートを無効にするのを忘れていました。一応、ダウングレードできるはずですが、ダウンロードしちゃったのでちょっと試しに遊んでみようかと思っています。
なお、アップデートにバグがあっておかしくなったりとか、翻訳が追いついていないとかでアップデートしたものがうまく動かなかったりするので、しばらく様子を見るために自動アップデートを無効化する人は多いです。
拙い記事でございますが、サポートしてもよいよという方はよろしくお願いします。著者のやる気アップにつながります。