トランス女性とデートしないと差別?
なにやらまたとんでもない記事が拡散されていたようです。
問題となっていたのは以下の記事(アフィブログのためアーカイブを使用しています)
記事では「トランス・ライツ・キャンペーン」なる組織が、「98%の異性愛男性はヘイトを理由にトランス女性とのデートを望まない」と主張していると、次のような画像を添えて書いています。
この記事で出てくる「トランスライツキャンペーン」などという組織を調べてみたのですが全くヒットしません。この記事はHuman Rights Campaign(実在する団体)が始めた組織として、HRCにリンクを張っていますが、リンク先はただのHRCの公式サイトであり「トランスライツキャンペーン」などは一切書かれていません。念のためHRCのサイト内を検索しましたが、該当する記事は存在しませんでした。
"TransRightsCampaign" なるものが存在しないのであれば、この画像の出どころはどこなのか?
私が調べた範囲では2019年の8月に4ch(海外の匿名掲示板)に投稿されたものが初出だと思います。
UberHumorにも投稿がありますがそちらは2019年12月となっていたので4ch
よりあとです。
4chというのは日本の「2ちゃんねる(現在の5ちゃんねる)」を参考にして作られたサイトであり、匿名性から差別主義者が実生活では言えないようなデマや差別を好き勝手に書く場所です。QAnonの活動拠点で、つい最近も4chに書き込みを繰り返していた白人至上主義者が乱射事件を起こしています。
問題の画像はこのような匿名掲示板が初出であるので、誰が作ったものなのかが明らかではありません。使用されている画像はフリー素材のおそまつなものです。
ようするに、この画像はトランス活動家が作ったものではなく、ネットの匿名の誰かが女性とトランスジェンダーをおちょくってやろうという意図で投稿したフェイク画像だということです。
トランスの議論においては明らかなフェイクニュースが頻繁に拡散されていることは私のnoteでも取り上げてきました。
これは少し前に話題となった青識亜論がやっているフェミニストに対するなりすまし工作と同じレベルではないでしょうか。この画像を作った人物はおそらく、「フェミニスト」と「トランス活動家」を戦わせることに成功してゲラゲラ笑っているでしょう。
はたして「トランス活動家がトランスとデートしないと差別だと言っているぞ」というデマを拡散している人と、「そんな話は存在しない。完全なデマだ」と言っている人、どちらが「女性を脅かしている」と言えるでしょうか。
女性を恐怖に陥れているのはトランスに対する悪意のあるデマを拡散している人の方ではないでしょうか。
もしこれらのデマを拡散することがトランスフォビアではないというのならば、デマであることを指摘されたときに「トランスに対する悪意のあるデマを拡散したこと」を反省して謝罪するべきではないでしょうか。
私には「女性スペースを守ること」を大義名分にして、実際にはいじめを楽しんでいるようにしか見えません。
追記:
ちなみに問題となってる記事の文末には「聖書的観点からニュースや解説をお届けしている」と書いてます。まさにトランスヘイトを扇動している宗教右翼のアフィブログです。
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