武器兵器調達課#56: 「チャフ」

今回は「チャフ」について見て行きましょう。

ロシアがKh-101巡航ミサイルをつかいばらまいているようですね。

「チャフ(chaff)」: 電波を反射する物体を空中に撒布することでレーダーによる探知を妨害するものです。電波欺瞞紙とも呼ばれます。電波帯域を目標とし誘惑と飽和を任務とした使い捨て型のパッシブ・デコイです。chaffとはもみがらの事で、穀物に見せかけたまがい物という意味があります。

チャフの原理は、金属は電波を反射する性質があるため、これを撒布すればレーダーからはその撒布地点に目標があるように見えるというものです。

チャフとして使用されていたものは、初期のものはアルミ箔をレーダーを反射するのに必要な長さに切り、これを紙の両面に貼って使用した。現在では、滞空時間を重視しプラスチックのフィルムやワイヤーにアルミを蒸着させたものが主流となっている。

撒布に特化した形状をしたチャフをディスペンサーやランチャーによって空中に放ち拡散させる手法が従来から採用され、小型機や艦艇がチャフを撒く場合には現在でもその手法が採用される。現在の大型の電子戦機などでは機上でフィルムを高速切断して空中に撒く装置を備えたものもある。これは、妨害しようとするレーダー波の波長か、その整数倍の長さが最も効果的であるためである。このため、敵のレーダー波長に合わせたチャフを持つ必要から非戦争状態の時からも仮想敵国の波長を探るためのSIGINT活動が行われる。

一つのチャフ・ユニットにより生じるレーダー目標をチャフ・バースト(Chaff burst)と称し、これが多量に重畳したものをチャフ雲(Chaff cloud)と称する。また、チャフ雲をさらに連続して形成したものをチャフ回廊(Chaff corridor)と称する。

チャフの使用方法は、大きく分けて以下の2つがあります。

  • 誘導:敵のレーダーを誘導し、誤った目標に誘導する。

  • 飽和:敵のレーダーの機能を飽和させ、目標の探知を困難にする。

チャフは、レーダーによる探知を妨害する効果的な手段として、航空機や艦艇などの軍用機に広く使用されています。また、民間機や船舶でも、テロ攻撃や海賊攻撃などの脅威から身を守るために、チャフが使用されるケースもあります。

チャフは、レーダーの進歩に伴い、その効果が低下する傾向にあります。しかし、それでもなお、レーダーによる探知を妨害する効果的な手段として、今後も重要な役割を果たすと考えられます。

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