パラレルワールド新聞 (編集部): 「読者の疑問に答えるコーナー:たしか プロパガンダ発祥の国でしたよね。」 <ー 「プロパガンダ」の語源と各言語の意味について
今回は「読者の疑問に答えるコーナー:たしか プロパガンダ発祥の国でしたよね。」について回答をさせて頂きます。
パラレルワールド新聞の熱心な読者、ばっぷくどん様より以下の質問が来ていました。
「たしか プロパガンダ発祥の国でしたよね。」:↓
「プロパガンダ」の使い方は上手かもしれませんが、発祥の地ではありません。 「プロパガンダ」を発症する国ではあります。 ロシアなどまだ新しい国なので...
ということで、この単語の背景を見て行きましょう。
「プロパガンダ」という単語は、実は言語によって意味が変わります。
下記に説明をさせて頂きます。
「プロパガンダ」の大本の意味?
本来の意味は、ラテン語の「propagare」です。この単語は、「繁殖させる」「種をまく」「広げる」という意味を持つ動詞で、元々は農業において植物の種を広げる行為を指していました。
これがイタリア語の「propaganda(プロパガンダ)」になります。この言葉は、元々はキリスト教の「宣教活動を指す」ために使用されていました。具体的には、教義や信仰を広めるための情報やメッセージを伝える活動を指していました。
ちょい深堀:
1622年のカトリック教会の布教において設立された、布教聖省(Sacra Congregatio de Propaganda Fide)に由来しています。宗教的な思想を宣伝し、その思想に誘導するための手段として、プロパガンダという概念が出来上がった。プロパガンダという語自体は本来、中立的なものであったのですが、この宣伝活動は対立するプロテスタント教会には大いに脅威になったため、偏った考え方への誘導、情報操作による洗脳といった意味合いを持つようになり、プロパガンダは軽蔑的に使われる語に変わっていった。
本来は「カトリック教会の「布教活動」」の単語だったはずなのに...
ここで英語、日本語圏では: 個人や集団を特定の主義や思想・教義・原理などに誘導したりそれらの行動を広めたりするための計画的で政治的な意図を持った宣伝活動のことを意味する表現になってしまいました。
あ~ あ~
参考ですが、いまだにスペイン語では
「propaganda」:
1 宣伝(活動),広報,プロパガンダ.
propaganda de gobierno|政府の広報活動.
propaganda electoral|選挙運動.
propaganda política|(しばしば誇大な)政治宣伝.
2 宣伝ビラ,広告,ちらし.
revista de propaganda|宣伝用雑誌.
という意味になり、英語の意味よりオリジナルの「宣伝(活動)」で使われ場合が多く、実は大昔、スペイン語駆け出しの頃個人的に意味を間違った思い出があります。
スペイン語を使う時には、気をつけましょう~。