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生理を無くしたい

生理が好きな女性がこの世にいるだろうか。


症状が比較的軽い人でも、あの独特の臭いや、都度ナプキンを換えることは面倒だと思う。


かくいう私も、最近までは生理について、

「たまにくる面倒なイベント」

程度にしか思っていなかった。



1.生理の始まりと生理不順


初めての生理が来たのは小学生の修学旅行のとき。たしか4年生くらいだったと思う。周りの子と比べても、少し早めだった。

なんだか恥ずかしくて、誰にも言えなかったことを覚えている。

周期は不安定で、初潮の後、しばらく生理は来なかった。


中学生になっても、生理の周期は定まらなかった。

自己分析では、部活動での運動量が多かったこと、ストレスに悩まされていたこと、が原因だったのではないかと思っている。

まだ若いし、そんなもんだろうと思って、特に深く考えたこともなかった。


高校生になっても、私の生理不順は改善されなかった。

引き続き運動部だった為、運動強度はかなり高かったし、プールの授業も皆勤賞だった。

私なりに、生理がこない日々をかなり謳歌していたと思う。


ただ、生理が来ないことを喜んでいる私と対照的に、かなり心配していたのは母親である。

高校3年生になっても生理があまり来ないようであれば、産婦人科に連れていくからね、と約束をさせられていた。


この時の私は、生理が全くこない、というわけではなく、3カ月に一回程度、調子がいいときは、月1回の生理が2~3カ月連続でくることもあった。

ただ、経血の量は少なく、2~3日で出血が終わることも多々あった。


そして、私の生理不順は高校3年生になっても続いていた。

ついに母親との約束の時が来たのである。




2.初めての産婦人科


初めての産婦人科は、母親と二人で受診した。


周りにはお腹が大きい妊婦さんや、若い女性が一人で来ていたので、

私のような高校生と、母親という組み合わせはなんとも怪しかった。


ろくでもないヤンキーの彼氏に妊娠させられてしまった高校生と、その母親、という風に見られているんじゃないかと勝手に妄想して、恥ずかしくなったりしていた。


検査は、エコーと血液検査。


エコーで子宮を見られたけれど、特に問題なし。

血液検査は、後日結果を聞きに受診したが、ホルモンの数値にバラつきは多少あるものの、許容範囲だった。


結局はなんで生理不順が続いているのか分からないけれど、

いつか安定するものなので大丈夫ですよ、とのことだった。


恥ずかしい思いをしたのに、拍子抜け。

これが初めての産婦人科への感想だった。




3.大学生活と生理


生まれも育ちも埼玉県の私だったが、大学は北海道に進学した。

初めての一人暮らし。運動部にも入らなかった。


そして、自然と生理が毎月来るようになった。

あの産婦人科の医者が言った通り、時間がすべてを解決した。

安心したけれど、毎月のイベントは少し面倒くさかった。


なんで毎月、股が蒸れる不快感と付き合っていかなければならないのだろう、と真剣に考えたこともあった。

生理は子宮の状態を保つため、いつか授かるかもしれない赤子の為にあるもので、閉経するまでの間の約30年近くを、蒸れる股と付き合っていかなければいけないのだと思うと、うんざりしていた。


子どもはあまり好きではなかったし、結婚願望もなかったので、ますます生理の必要性が分からずにいた。



そんな考えが少し変わったのは、大学で彼氏が出来たときだった。

この人と結婚するかもしれない、子供も可愛いかもしれない、と少し人間味を持つことができた。

あのとき産婦人科で検診してもらって、子宮のお墨付きをもらっておいて良かったな、と思うことが出来たのだった。

(そんな思いに気づかせてくれた彼とは、4年近く交際した後お別れしたが、それはまた別の話。)




4.2度目の産婦人科と緊急避妊薬


2度目の産婦人科受診は、予期せぬ事態だった。

当時、関係があった男性とのSEX中にコンドームが外れたのである。


始めは、こんなことが本当に起きるのだな、と冷静になっていたけれど、

時間がたつにつれ事の重大さに気づき、頭がパニックになった。


相手の男性は、この状況をあまり深刻に捉えていなかったが、

当時の私は内定先が決まり、まさに「人生これから」だった。

妊娠は困る。


夜中に産婦人科を調べて、翌朝急いで受診したのだった。



簡単な問診を受け、緊急避妊薬として処方されたのは、「ノルレボ」。

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避妊に失敗したときに、72時間以内(出来るだけ早めがよい)に飲むことで、妊娠の確立をかなり下げることが出来る。


しかし、確率は0ではない。



その日、実家に帰る飛行機をとっていた私は、不安を抱えながらも薬を飲み、実家に帰った。

そして、楽しみにしていた父親との晩酌は、体調不良ということで断ったのをよく覚えている。


緊急避妊薬は排卵を抑制したり、子宮内膜への着床をしにくくしたりすることで、妊娠を防ぐものである。

処方されてから数日後に生理が来れば、避妊に成功したことになるけれど、

生理がくるまでは、妊娠の不安と常に隣り合わせである。


ちょうど海外に行く予定があった私は、この不安な時期を海外で過ごした。

とても不安だったが、友人たちとバカ騒ぎしていたので、かなり気が紛れたし、ちゃんと生理はきた。




5.3度目の産婦人科と第一次生理革命(低用量ピル) 


自分の身は自分で守らねば。そう思って、再び産婦人科を受診した。


既に生理不順はほぼ改善していたけれど、避妊目的でピルを処方してほしいと正直に言う勇気は当時の私には無く、

問診では「生理不順」ということにして、低用量ピルを処方してもらった。


初めて処方してもらった低用量ピルは「ラベルフィーユ」。

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ラベルフィーユは、左上のスタートと書かれたオレンジ色の錠剤から順に、毎日決まった時間に服用する。


錠剤の色ごとにホルモンの量が異なっているらしい。

一番下段の赤い錠剤は、ホルモンが入っていない偽薬であり、飲んでも飲まなくてもいいのだけれど、服用する習慣と、次のシートの服用し忘れを防ぐためにある。


だいたい赤い偽薬の3~4つ目くらいで生理がきて、シートの終わりか、次のシートのはじめあたりで生理は終わる。



私の中での、第一次生理革命はこのラベルフィーユである。


避妊のために、と始めた低用量ピルだったが、避妊以上に便利なことが多かった。

生理が旅行などのイベントに重なりそうなとき、数日であれば自分で生理の日をコントロールできるようになったのである。


前倒しにしたいときは、3段目の薬を最後まで飲み切る前に、休薬(偽薬を飲み始める)期間に入る。

後ろにずらしたいときは、3段目の黄色の薬を、違うシートから借りて飲み続ける。すると排卵を抑制し、生理がくるのを遅らせることができる。


このように、自分の意思で生理が来る日をコントロールできるのである。


今まで生理主導で、生理に振り回されていたが、そんなこともなくなる。

ついに、私の身体の主導権を手に入れることが出来たのだ。


念のため記述すると、低用量ピルにもデメリットはある。

副作用で吐き気や頭痛があったり(私は全くなかった)、血栓症のリスクが服用していない人よりも上がったり。

しかし、服用している間は定期的な血液検査を受けるし、いろいろなリスクを気にしていたら、外を歩くことも出来ないと思っている私には、服用へのハードルとはならなかった。




6.第二次生理革命(タンポン)


私の中の、第二次生理革命は「タンポン」である。


タンポンの存在は、高校生のときに存在を知った。

水泳部の子たちは生理のとき、タンポンを使用しているという噂を耳にしたのがきっかけだった。


当時の私は、なんて恐ろしい。お股に物を突っ込むなんて…!と思った。


しかし、私は大人になったのだ。

タンポンなんて可愛いものだ、と思えるようになった。


緊急避妊薬も、低用量ピルも経験して、気が大きくなっていた私はタンポンにもチャレンジしてみることにした。


ちょっと痛い。入れるのにコツがいる。抜くのが億劫・・・。


しかし、そんなことより


”お股が蒸れない” ことが革命だった。


生理の時にトイレに行って、パンツを下げた時のあの匂いがとにかく嫌いで、長時間ナプキンが交換できないと、蒸れるし、かゆくなる。


これが改善されたのは、大きな進歩だった。


もちろん、タンポンにもリスクはある。

長時間挿入しっぱなしにすることで、重篤な病気に罹ってしまうことが稀にあるらしいため、ナプキンよりも気を使う。

また、生理が終わりかけの時期は経血量が少ないため、潤滑油の働きをするものがなく、タンポンを無理に挿入すると、膣を傷つけてしまい、細菌感染してしまう可能性もある。


これを理解し、天秤にかけても、私はタンポンに出会えて良かったと思ったし、もっと早く使っていればよかった、とさえ思った。



7.4度目の産婦人科とPMSの自覚


涙が止まらなくて仕方ない時期が定期的にやってくる。


それは夜、布団に入ってから唐突に始まる。

将来への不安、今の仕事へのストレス・不安、彼のこと・・・

なにを考えても涙があふれて、止まらなくなる。


何も考えないようにしよう、と天井を見つめたまま涙が止まらず、体にうまく力が入らない。


次の日も仕事なのに、ひたすら泣き続け、目を腫らして出勤したこともあった。そんな日は瞼が重く、やる気も出ないので、仕事にならない。


そんな日々が続いていたが、ふと気づいた。


涙が止まらなくて仕方ないことが続いた後、生理がくることが比較的多いかもしれない・・・。



そう気づいてからは、この情緒不安定と生理との周期を気にするようになったが、やはり多少の関係はありそうだった。


ネットで調べてみると、低用量ピルにはこの生理前の情緒不安定(PMS:月経前症候群)を軽減させる効果があるとのことだった。

当時処方してもらっていたラベルフィーユよりも、もっと自分に合っているものがあるのではないかと思い、産婦人科へ相談したのだった。


そして現在私が服用しているのが「ヤーズフレックス」。

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看護師さんが、私の現状を問診してくるので答える。

「生理前になると、夜は涙が止まらなくて、力が入らないんです。」と。


看護師さんは、とても親身になって聞いてくださった。辛かったですね、お仕事もあるのに、と。

ちょうど受診したのが生理前で、その前夜も大号泣してた私は、看護師さんの優しさにもホロリとしてしまったのだった。


今回処方してもらったヤーズフレックスは、PMSの症状軽減に向いているらしく、以前飲んでいたラベルフィーユとの大きな違いは、

120日連続服用が可能なこと。


服用方法は大きく二つ。

一つ目は、以前のヤーズフレックスのように28日周期で服用するパターン。

二つ目は120日連続で服用するパターンだ。今の私はこちらの服用方法をとっている。


けれども、120日間出血なしで過ごすことは難しいようで、

看護師さんからは「体が慣れれば、連続服用期間が長くなりますよ」と言われてはいるが、今の私は40日程度で出血を初めてしまう。


出血が3日間続いたら、4日間の休薬に入る。



ヤーズフレックスは一度に3シートを処方してもらえる。これも以前服用していたラベルフィーユとは異なっている。(ラベルフィーユの場合は最長6カ月分処方してもらえる。)

実際には、休薬期間もあるので、服用期間は3カ月以上になる。


現在、1サイクル目(3シート)の服用が終了し、2サイクル目に突入している。

確かに、飲み始めは以前よりも劇的に、生理前の情緒不安定が解消された。

最近の生理前は少しナーバスになったが、やはり以前よりはかなりマシになっていると思う。

上手くいけば生理の回数も減らせるし、3カ月に一回しか生理が来なくなれば、年間12回くるはず生理が、年に4回で済む。こんな嬉しいことはない。



ヤーズフレックスに変えて、不便なこと。それは以前よりも生理がいつ来るかをコントロールできなくなってしまったこと。

以前は、自分で薬の飲み方を調製することで、生理がくる期間を自由自在に操れたのだが、今は「だいたい40日くらいで出血が始まるはずだな、そろそろかな・・・」と怯えながら生理用品を持ち歩かなければならなくなってしまった。

あとは、出血期間が比較的長い。量は少ないのだけれども、だらだらと続くのも厄介だ。

この問題は、以前の受診時に看護師さんへ相談しており、2サイクル目が終了する頃にもう一度経過を教えてください、と要相談事項になっているので、もしかしたらまた違う薬を紹介してもらうことになるかもしれない。





8.まとめ(私が生理について思うこと)


まず言いたいのは、生理で不快なこと、辛いことは我慢しなくてよい、ということ。


毎月5~7日間出血して、その前には情緒不安定などの不調が表れていたら、月の半分は調子が悪い。

生理の不快感は、生理用品で解決することもあるし、薬で軽減することができる。


また、産婦人科への受診はハードルが高いものではない。

生理がきついとか、回数を減らしたいとか、涙が出ちゃうとか、要するにきっかけは何でもいいのである。

男性医師に話しづらいならば、女性医師がいるところに行けばいいし、周りの目が気になるなら、予約制の医院に行けばよいのだ。



次に思うことは、義務教育期間に、もっと生理についていろいろな選択肢を教えてほしかった、ということ。

母親が教えてくれたらよかったのかもしれないが、最新の生理事情は知らないものだ。(実際、低用量ピルを服用していることを伝えたときも、抵抗感があったし、妊娠できなくなっちゃうのではと心配されたほどだ。)



生理人生30~40年(毎月5日間生理だとすると、生涯で7年近く出血しているらしい)。

生理との付き合い方が、生きやすさ、働きやすさに繋がる。


これからも、仕方がない、と諦めずに生理との付き合い方を考えていきたいと思う。



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