バレンタイン2023
本日はバレンタイン!
バレンタイン……それは清く正しくうつくしい乙女たちが、恋するあのひとへの想いを込めた甘い贈り物をする日。鉈や安全ヘルメットがよく似合うことで定評のある風貌に永遠の14歳少年および妙齢おっさん魂を宿しているこの私とて、ささやかな乙女心を奮い起たせずにはおれない、そんな特別な日である。
以前noteでも書いているけれど、私は日ごろまったくお菓子を作らない。自作する概念がそもそもない。
元々甘いものにあまり萌えがないことに加えて、長年付き合いのある親友がスイーツ作りの名手であるため、『お菓子=誰かに作ってもらったのをむさぼるもの』という概念を固く崩さずに生きている。そんな私であるが、このバレンタインの時期には慣れない製菓に挑むことにしている。ええ、そうなのよ。この時ばかりはね、私の中にあるわずかな乙女魂がささやきかけるの……「おうおうおう!年に一度くらい気張ったらどうなんじゃいワレェ!」って、ね……
ということで今年も、昨年に引き続きどら焼きを作りましたー!
メインとなる材料は昨年同様、ホテルニューオータニ様の名を冠するホットケーキミックス。
昨年はまさかの惨劇───ホテルニューオータニ様ミックスなら必ずや搭載されていると信じていた形状記憶装置(フライパンに落下した瞬間自動で真円を形成)が作動しないという惨劇に見舞われたものの、味は大変においしゅうございましたし届け先にも好評だったので、今年もこれで行くことにした。
作り方は昨年とほぼ同じ。我が家のいちばんデカいボウルにたまごを割りほぐし、ここに砂糖・みりん・はちみつ・牛乳・バニラエッセンスを入れてよく混ぜる。牛乳は冷たいままだとダマになりやすいと聞いたので、常温に戻してから投入した。こんな細やかなひと手間をかけられるだなんて、己の成長ぶりに涙を禁じ得ない。
このたまごミルクジルにホテルニューオータニ様ミックスをふるいながら加え、ダマがなくなるまでよくよくかき混ぜたら、ラップをして冷蔵庫にてしばしお休みいただいたのち、いよいよ焼成である。
ホテルニューオータニ様ミックスの形状記憶装置が作動しない事態を鑑み、今回はみんな大好きDAISOで買ってきたあの金属製の、ほら、なんかお菓子作るときに使うアレよ、あの丸い輪っか……せ、セルクルとかいうやつ???を用いることにした。
本来ならばこのような、自分が普段使いする光景がさっぱりイメージできない玄人向け調理器具に手を出したりはしないのだけれど、何しろバレンタインだ。ここで気張らなければ大和撫子魂が廃るというものだ。しかもこのせ……セルクル?は100円。年に一度しか使わんとしても十二分に元は取れよう。これで昨年のあの惨劇(アメーバ型どら焼き爆誕)に見舞われるリスクを減らせるならば安いものだ。300円払ったっていいくらいだ。
そして昨年のバレンタイン記事にねむいねこさんが寄せてくだすった、「生地入れる前にフライパンを濡れぶきんでジュッ!は重要かも」というアドバイスに従い、濡れぶきんも用意する。日ごろ濡れぶきんを用いるような繊細な調理とは無縁なため、いったいどの程度のふきんを用意したものか迷ったけれど、「大は小を兼ねる」という古来からの教えに従ってバスタオルを濡らしたものを用意した。(絞るのが地味に大変なのでよゐこの乙女は普通のおふきんを使おうね!)
さらにフライパンにはごく薄く油を敷くことにする。おおぅ……我ながら布陣が完璧すぎやしないか。まだ戦は始まっていない……が!我が軍の勝利はもはや約束されたも同然であろう!
さて、役者は揃った。
いよいよどらや生地の焼成に入る。
熱したフライパンに油を入れて林家ペーパータオルである程度ふきふきし、さらに濡れバスタオルぶきんでジュッ!して荒熱を取る。ここに玄人向け調理器具・セルクルを載せ、その中にどらや生地を流し入れたらセルクルを外し、再び火にかける。直径6センチのセルクルを外すと、どらや生地がにょろんと伸びて8センチから10センチくらいの大きさに広がった。うむ、滑り出しは快調だ。こいつにプツプツと穴ができてきたらひっくり返して……
なんということでしょう
ご覧ください!!!
美事にアメーバ回避であります!!!!!
セルクルに流し入れるどらや生地の量が多すぎたり、フライパンを火に戻す際に手元がふらついたりする時もあって、ちょっぴり歪んでんのもあるけど……昨年に比べたら大躍進だ。ローテ回すごとにセルクルに流し込む適量も掴めるようになって、大きさも揃ってきたし。しかも焼き色もめっちゃいい感じっていうか完全にどら焼き色じゃない?ねえねえこれどら焼きじゃない?やだ~~~!私ったらすごくな~い~~~?!
一気に調子に乗りまくった私は、Adoちゃんの名曲『私は最強』を熱唱しながら次々にどらや生地を焼き続けた。焼き上がったものは荒熱を取ってから、ラップにくるんで休ませる。こうすると生地が乾かずしっとりするそうです。
ここまでは先週末の土曜に済ませ、翌日曜は具材となるあんこ作り。
中に挟みこむあんこも、昨年と同じレシピで炊いた。水洗いしたあずきにたっぷり水張って火にかけて、沸騰したら湯切りして、また水張って沸騰させて湯切りして……ってのを合計3回繰り返す。4回目の加熱は沸騰したら弱火にして、アクをこまめに取って(たーのしーい!)、小一時間煮て豆が指先で潰せるくらいになったら、あずき100gに対して140gの砂糖を3回に分けて入れる。砂糖入れるごとに20分煮るので、トータルでプラス1時間の煮込みタイム。3回目の砂糖と一緒にはちみつも投入してみた。で、1時間煮込んだところで火力を上げて水分飛ばしながらねりねりし、最後に塩をほんのひとつまみ入れたらできあがり。時間はかかるけどあんこ炊くのってすごい簡単ですねぇ。もっと早く覚えればよかったなー。アクが無限に出てくるから延々とアク取りが楽しめるの最高かよ。
このあんこはバターと共に挟み込むつもりだったので、塩は本当にちょっぴりだけ入れた。味見したら脳内が『甘』の一文字で埋め尽くされたけれど、バターと組み合わせるにはいい塩梅。
で、あんこを冷ましている間に、焼成しておいたどらや生地に最後の仕上げを施す。昨年購入した肉球印の焼きごてでジュッ!!!
楽しい。
ものすごく。
これがやりたくてどら焼き作ってんのよあたいは……(恍惚)
こいつに冷ましたあんことバターを挟みこみ、ラッピングしたらできあがり。今回は市販品を用いてのいちごバター味もいくつか作ってみた。お届け先のちびっこたちが、揃っていちご推しなのでね。
かっ……
完璧だ
全方位どこからどう見てもどら焼きだ
パッケージは例年通り、うちのねこたちをモチーフにデザイン(ってほど大したことはしてないけど)した手作りラベルで飾る。
私は推しに推しを推したがるという性癖があるため、昨年暮れから私の生活を完全に狂わせている愛しの君・ウルトラマンゼロにもご登場いただいた。
この性癖のせいで恋人は年明けからこっち、事あるごとにゼロ師匠賛美の絨毯爆撃に見舞われているのだけれど、いつもにこやかに付き合ってくれる辺りが本当に菩薩だとしみじみ思う。
ああ、それにしても
ゼロ師匠ったらラベルになってもなんて格好いいのかしら。
銀河に瞬く星の光をそのまま映したかのような肌、額に輝く翠星。凛とした鋭さの中に揺るぎないやさしさを秘めた双眸。口許に浮かぶ不敵な微笑。宇宙にはびこる悪漢どもをちぎっては投げ、ちぎっては投げる精悍で逞しい肢体……アー!モウ!何もかも!本当に!!格好よすぎる!!!大好きです師匠eternal love…………
ちなみにゼロ師匠の隣にいるのは、ウルトラマンZに登場する防衛チーム「ストレイジ」が有する対怪獣特殊空挺機甲1号機・セブンガー。以前からきゃわわロボだなー(*´ω`)とほんのり好意を抱いていたけれど、先月web配信で始まった『ウルトラソフビワールド』という番組で完全に落ちた。
身も蓋もないことを言ってしまうと、要するにバンダイさんの玩具販促用動画なのだけれど、ソフビのウルトラヒーローや怪獣たちがなかよくわちゃわちゃする様子は控えめに申し上げて壁に額を打ち付けたのち大地を転げ回って悶えたいほどにウルトラ激萌える。4分程度のショートムービーながらも映像のクオリティは素晴らしいし、ほっこり癒されるやさしいストーリーもたまらなく良い。そしてとにかく、セブンガーを始めとするソフビ人形たちがどちゃくそめちゃんこきゃんわわわゆーい!1日に何十回も見てしまう。これ見始めてからまんまと我が家のソフビが増えた。
で、そのまんまと増えたソフビを撮影して画像加工して、ねこたちと組み合わせてみたってわけ。
せっかくなのでフォントやカラーリングもウルトラマンっぽさを意識してみたけれど、なかなかいい感じに仕上がったと思う。
どら焼きそっちのけでウルトラマン語りに入ってしまいましたが、今年のどら焼きも大好評でした!最後の晩餐=あんこ御所望民である恋人(菩薩)からは「あんこの甘さも、生地が薄皮なのもすげー好み。うめぇ!」とのコメントをいただいたし、弟一家にも親友一家にも大変喜んでもらえて、とてもとてもうれしい。ちびっこたちには予想通り、あんこよりもいちごバター味の方がお口に合ったようだ。次回は中にクリーム系なんか挟んでみるのもいいかもな。
なお、目算を誤って大量にできあがってしまったあんこは、恋人が快く引き受けてくれた。「これからしばらく、晩ごはんはあんこ餅かおしるこにする♡」んだそうです。なんでそういう嗜好なのに腹が全然出てないわけ?狂った甘党は痩せ民ばかりって、あれ都市伝説じゃないの?この世の理だったの???
ということで、今年も無事バレンタインを迎えることができました。ささやかではあるけれど、日ごろの感謝と敬愛の想いを大切なひとたちに伝えることができて、満ち足りた気持ちであります。