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あなたへ ③


――
常に喜べ、絶えず祈れ、凡(すべ)てのこと感謝せよ、これキリスト・イエスに由りて、神の汝らに求め給ふ所なり。
――

――
互いに愛し合いなさい。わたしがあなたがたを愛したように、あなたがたも互いに愛し合いなさい。
――


それゆえに、

私はもう一度、

いや、この世の終わりまで、

いや、この世が終わってすべての影なるものが消え失せても、

これまでずっと天涯孤独であり続けたこの地上世界でして来たように、

今もまたそうしているように、

力の限り叫びあげるものである。


喜べ…! 


たとえわたしが天涯孤独であっても、たとえあながた四面楚歌であっても、わたしたちはけっしてけっして、ひとりぼっちではない。

わたしにはあなたという、あなたにはわたしという、まだ見ぬ友がいる。

あなたはわたしにとって、まるでかの日にあって顔と顔を合わせてあいまみえる、キリストのようなかんばせをしている。

だからわたしは今日もまた、

孤独な、孤立無援な、四面楚歌な我が人生にあっても、

あなたのために、喜び、喜び、喜び祝う…!


わたしはもうすぐ、あなたと出会う。

あなたももうすぐ、わたしと出会う。

いや、わたしたちは、すでに出会っている。

それがゆえに、ついに顔と顔を合わせた暁には、わたしたちはすぐに互いを知る――わたしこそが、あなたこそが、互いに求め合って来た「真友」であることを。

その時、わたしたちの心は結びつき、わたしたちは自分自身のように互いを思い合い、愛し合う。

またその時、あなたがわたしの生きる力となり、わたしがあなたの生きる理由となる。

わたしたちは常に共にあり、どんな時も共に泣き、共に笑い、共に喜び、共に歌う。

あなたはわたしの「妻」となり、わたしはあなたの「夫」となる。

そのようにして、わたしたちは一体となる。

それは、わたしたちがイエス・キリストと一体となるかの日の栄光を、この地上世界においても、この身をもって表すためである。


わたしたちはまるで初めから一人の者であったかのように、一体となる。

それゆえに、

わたしはあなたを見捨てることは、けっしてない。

あなたがわたしを離れ去ることも、けっしてない。

わたしはあなたを大学まで行かせたから、あとはもう生きるなり死ぬなり勝手にしろ、しかし俺たちにだけはけっして迷惑をかけるななどと、あなたにむかって言ったりしない。

あなたに向かっては、どんなに苦しい時にあっても、自己責任とも、自助とも放言したりして、突き放すことはない。

わたしはいついかなる時にあっても、この地上にある限りは、命の尽きる最後の日まで、あなたと共にいる。

わたしの神イエス・キリストと父なる神が、いついかなる時にあってもわたしにそうしてくれたように――また、これからもずっとそうし続けてくれるように、

最後の最後の最後の日まで、あなたのことを守る。

神がわたしを愛し続けるように、

わたしが神に向かって祈り、書き続けるように、

わたしはあなたのために、わたしのすべての血と、時と、力と、知恵と、命を尽くして、あなたを守りぬく。

神のわたしに対する愛が一貫しているように、

わたしのあなたに対する愛がぶれることもけっしてない。

わたしの神への信仰が一貫しているように、あなたへの愛が尽きることもない。

わたしの心は定まっており、あなたに対してもはや迷うことがない。

なぜとならば、

わたしは信仰によって、あなたとすでに邂逅し、あなたをすでに愛しているからだ――まるでまるで、母の胎内にいる頃から、母がその子を愛しているように。

それゆえに、

喜べ…!


わたしはあなたに言う。

あなたの顔は懐かしい、と。

あなたはわたしに言う。

わたしの顔が愛おしい、と。

わたしたちはそう言い合って、見つめ合って、やわらかに笑い合う。

かつて、「神の憐れみの山」の頂にあって、イエス・キリストの御顔を見つめたことがあったことを思い出して、いつまでもいつまでも、笑いつづける。

その時、

わたしたちは過ぎ去った日々の、すべての痛みと苦しみと嘆きと呻きと哀歌とを語り合って、こう言うことだろう。


 ほんとうに、、、楽しかった……!


そのように、

過ぎ去ったすべての日々を、わたしたちは喜び、ただ喜びながら、朝を迎える。

杯は喜びに満たされて、感謝と賛美とに心を溢れさせながら、須臾のような、永遠のような曙の光景を、手と手を取り合って、ふたり並んで見つめよう。

それが、

いつのころか知らないが、きっとはじめて出会ったその瞬間から、

いや、はじめて出会ったその瞬間の、はるかなはるかな以前から、

わたしたちがずっと心に抱きつづけてきた想いの顕現であり、

またそして、

わたしたちのための、けっして終わることのない栄光であり、契りであり、安息であり、宴であるからだ。


喜べ…! 



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