おにぎりの具でいうと、青い梅。
2年間付き合ってきた彼氏に別れを告げた。
ハンバーグを食べながら、「私たちの今の関係ってどうなんだろうね」と切り出したら、彼も「うまくはいってないよね」。同じ気持ちだった。
「今は同棲を考えられない」。私がそう言って、理由を話した。
自分のやりたいことがあって、それが落ち着いていない状態で同棲をしても、家に帰れるか分からない。帰れないことを申し訳なく思う自分がいる。
だから相手のためにご飯を作って待っていることも、洗濯物のタイミングも合わせることが考えられない。
同棲自体検討させてと言っていたが、彼は「ここに住もうよ」「お姉ちゃんが家具くれるけどどうする?」「今、二人貯金これくらい貯まったね」と、何度も同棲の話を持ちかけてきた。
そんな言葉一つ一つがプレッシャーだったし、同棲しなきゃいけないと思うのが苦しかった。
逆に私への彼の不満は、自由すぎて相手を考えていないところ。
友達と旅行(10泊)に突然行くし、男性との飲み会は事後報告。
俺を考えて行動してないよねと言われた。
彼の言っている通りで、私は私のやりたいように生きたいように行動していて、彼の気持ちを考えたことがあまりなかった。
「結婚したら、そういう自由なところは不安だなあ」「好奇心だけで飛びついちゃうところも怖い」。
実際思っていたより不満がなくて驚いた。
「直せると思うから、直してくれたら全然いいよ。」
とうもろこしを食べながら彼の話を聞いていた。ハンバーグの横にいるとうもろこし、嫌な思い出。
カフェに場所を移動して、話の続き。
今度は私が思っている彼への不満。
この一点が嫌!みたいな要素はなかった。些細なことの積み重ねだった。
居酒屋に行ってお酒を飲んでいないと「友達とは飲むのに、俺とは飲んでくれないよね」とか、
私が視野を広げようとすると「それは普通じゃないからやめなよ」って言われたりとか。
彼は10人に相談して、10人が違うと答えたらやらない人だった。
周りの目を気にするのは大事だけど、気にしすぎて自分のやりたいことが出来なくなるのは、人生としてもったいないと思った。
「私自身をおにぎりの具で例えると梅で、でもその梅はまだ青くて。
赤くなりたいと思っている私がいるけど、あなたは青いままでもいいって言ってくれるでしょ?」と聞くと、「いいよって言うと思う。」
その言葉を聞いた時、一分一秒ずれずに物事が起きているとしたら、
彼と出会ったタイミングは私が誰かに寄りかかりたいタイミングだった。
「もう十分寄りかかったから。」そう言った。
理想の俺ってどんな人?と聞かれ、多趣味でやりたいことがあって、前向きで、面白くて、、、(そんな人いないけど)と答えると、
「もし、今から多趣味になって、やりたいことできたら一緒にいてくれる?」と聞かれ、
「それはあなたじゃないでしょ。2年一緒にいて趣味ができた訳でもないし、やりたいことが見つかった訳でもない。急に見つかるものでもないし、そう言われても無理してるって私は感じるよ。」
「今まで、いろんなとこに行ったり、親に挨拶したり。思い出を全部足してもダメなの?」
「思い出は過去だから、どれだけ足しても、今には勝てない。」そう言うと、彼は思い出を隣で振り返り始めた。
ゴロゴロしてる時幸せだったな、二人で踊ったりしてふざけるの楽しかったな。涙目になりながら語っていたが、その姿をみて、泣かないでよと思ってしまった。
彼の家に置いてある私の荷物を来週取りに行く約束をして、彼はカフェから出て行った。
心が疲れて、そこから一歩も動けなかった。仲のいい友達をそのカフェに呼んで、話をしたら動くことが出来た。
きっと、彼を好きになる人はたくさんいると思う。
優しいし、彼女思いだし、子供好きだし。いいパパになると思う。
でもどうしても、彼の中の枠で幸せを考えられなかった。彼の幸せと私の幸せは違かった。
こんな私を好きになってくれてありがとう。
一番大変な時期にあなたがいてくれたから、私は乗り越えられたよ。
もう十分甘えさせてもらった。嫌というほど寄っかかった。
次は自分で進んでいく番。
どこかで誰かと幸せになってくれたら嬉しい。
いつまでも優しいあなたで、大切な誰かを包んで欲しい。
私はもう大丈夫。うん。