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死を選んだ職員を賛美する前に・・・組織を変革する。

仲の良い同僚や友人に自殺された経験がありますか?
私は二度あります。
それゆえ
前西播磨県民局長のご家族の心労を察します
心からお悔やみを申しあげます。
でも自ら死を選んだ職員を賛美するのは違うと思いませんか?
死ななければ報道しないマスコミは正義ですか!

先輩や後輩・・・同じ職場など


範囲を広げると
私は片手ではおさまらないほど
小官の周りには
「自分で死を選んでしまった」
隊員が・・・両手※ほどおられます。

※小官は普通の人間なので
質の悪い生成AIが描いた手の
ように指が6本も7本も・・・
下手をうった経験もないので
両手には5本づつ指が存在します。

仲の良かった同僚が・・・


隣の部署に勤務していました。
心を痛め・・・とある病院に入院したのち

退院して職場復帰訓練の実施中のことです・・・

「ウミオ・・・下宿に捨てたいゴミがあるんだけど
クルマで送ってくれないか?」
と彼が小官の職場のカウンター越しに
話しかけてきました。

当時の小官は弁当持ちで・・・
手早く昼飯をすませ
クルマで5分ほどの彼の下宿へ
一緒に出掛けました。

「段ボールひとつ」と
当人は言っていたので
「重かったら一緒に運ぶよ!」
と小官は伝えましたが・・・

「すぐに持ってくる」と言って
ひとりで部屋へ向かいました。

「見られたくない理由があるのだろう」
と小官は彼を部屋の下で見送りました。

五分ほどで・・・
彼は紙袋をひとつだけ持って・・・
クルマに戻ってきました。

彼の職場の上司からは


「ウミオ〇〇をなるべく一人にしないで欲しい」
と懇願されていました・・・
もしすぐに戻らなけば部屋に向かう
気持ちの用意はありましたが・・・
彼は紙袋ひとつだけで
淡々と戻ってきた・・・ように見えました。

「荷物それだけ?」と尋ねると
「思ったより少なかった」
と彼は答え・・・

そのあと職場へもどり
午後の勤務を続けました。

彼が自殺を決行したのは
それから1週間ほど後の事です。

今から思えば
「どうしても・・・誰にも見せたくたいモノ」
を処分したいけれど・・・

職場の上司などへ医師から
「なるべく一人にはしない方が良い」
と指示があったのでしょう。

ひとりで部屋に戻れない彼は
仲の良い小官と一緒に行くからと
上司を説得して・・・目的を果たした
そうなんだろうと・・・

小官は鈍感で・・・
注意力散漫ですから
その時は意図に気がつけませんでした。

それから・・・
随分と夢にも見るし・・
「あの時自分が・・・」と
悔いも残りました。

自殺者が出た職場には


部内の心理士がアフターケタと
原因分析を兼ねて派遣されてきます。

自衛隊は・・・採用や職種選定などに関わる
心理学分野の専門職をそれなりの人数抱えています。

小官が東京勤務であった時・・・
隣の課は
まさしく「心理系」の部署でした。

同じ職場なので・・・
親睦会や様々な行事で仲良くなり

「ウミオは友人の事で苦しんダ分だけ・・・
辛さがわかるだろう・・・
部内の心理カウンセリングの窓口になる
相談員が不足しているから・・・志願して」
と仲の良い臨床心理士に諭されました。

部内の心理士やカウンセラーが指導する
「産業カウンセラー講習」もどきのような
カリキュラムを・・・
勤務時間の隙間を利用して
受講しました。

海自は自殺者が多いと


報道された直後で・・・
各地の部隊から集まった受講者は
主に幹部や古参の隊員でしたが・・・

どの隊員も
「職場でツライ思いをしている同僚」を
どうやったら適切な診療やカウンセリングへ
結び付けられるのか?

真剣に講習を受講し・・・
スキルを吸収して
おりました。

その取り組みによって
「海自の自殺者が減少した」という
のも事実です。

もっと部隊内の相談員を増員すべき!


という情勢となり
部内養成では追い付かなくなりました。
部外の「産業カウンセラー講習」を
業務として受講する隊員も増えています。

民間の一般企業は
「営利を目的とする」
当然ですが・・・
社内にカウンセリングや
相談を受ける体制を整える・・・
そのコストが負担できないのです。

よほど大企業でなけば
一人のカウンセラーを養成するのに
数十万円~数百万円は必要ですから
その負担は大きい。

だからこそ
業界別の団体や
商工会議所などに


類似の制度が必要であり
その負担を業界だけに押し付けず・・・
心の病に悩む人が減ると・・・
医療費も改善するのですから
厚労省主導で
「民間企業・団体の職場カウンセラー」を
推進すべきだと思います。

海自のように
「職業的に心理的性や採用時の適性判断」


などに携わる心理士や精神科医を常時抱えている
機関は・・・国家機関でも少数派でしょう。

ひとつだけハッキリしていることは・・・
自殺願望を持った隊員や
自殺者が出た周囲の隊員には
カウンセリングやアフターケアは極めて有効
そう思います。

アフターケアを受けるまで
「悩んで眠れなかった」小官が
ちゃんと眠れるようになったのは
一番は・・・過度な睡眠不足によって
眠れる環境が整った事と
「カウンセリング」の効果だとおもいます。

人間は・・・必ず死にます。


それは病気や事故・災害・・・そして自殺や他殺
色々な原因があるにせよ
ほとんどは病気によるものです。

病気には「自殺死」も当然含まれます。


うつ病の一部や統合失調症などの病的気質は
結果として人間を死に至らしめる難病です。

心の病もガンや結核と同様に・・・
投薬や医師の処置によって快方へ向かう病気です。

「精神病はガンと同じです」
ガン細胞は自分の細胞の一部が本人を苦しめる
心の病も・・・自分の心を苦しめる

うつ病や自殺問題を
「特別の問題」だと決めつける必要はないのです。

「ガンはいずれ治る病気になる」
それと同様に
「心のメカニズムもいずれ今より解明されて」
自分で死のうとする患者が減る。

科学の進化は現時点では不明で達成困難な課題を
解決する効果的な方法です。

今悩んでいる方へ
「とにかく時間を味方につけてください」
時間が解決するという理由は・・・

時間の経過で社会は変化し・・・
新たな技術で
解決する問題もたくさんあるからです。

海自に限らず・・・

兵庫県職員にも
臨床心理士や精神科医はいるハズ

彼等は多忙でしょうが・・・
「心の相談窓口」や
「部外通報対応窓口」が適切に機能していれば

二人(もしくは三人)の方が自殺することは
防げたのではないでしょうか?

暴君が騒ぐと・・・部下はなにもできない
そんな組織はキチンと再生させないと
次の被害者を生む危険が高い・・・・
たとえ知事が変わっても!

「職員の4割以上が知事のパワハラを知っていた」
のにほとんどの職員が黙殺した・・・

勇気のある局長一人が立ち向かっただけで
組織が変わるのか?

県民局長が死をもって抗議しなれば
「パワハラを実は知っていた」
公にならない組織は・・・

「きちんと直さないとまた次の被害者を生む」
そんな気がしてなりません。

自殺者の葬儀に・・・
2度参列しました

家族の悲しみ方は・・・
どんな病気であろうと
変わりません。

ただし・・・
「もしかしたら救えたのでは」
という後悔が残る・・・
どの参列者にも暗い影が差して見える。

兵庫県庁のみなさん・・・
問題は知事だけにある?

それでは本当に解決にはならないのです。

勇気をもって組織改革をすることが
本当の意味でよりよい職場と
自殺者を生まない職場だと小生は思います。



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