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花見酒の犯罪学
あまりにも有名な落語なので
解説する必要はないでしょうが
花見酒※¹
幼なじみの二人が向島の桜が満開というので
「花見で酒を売って酒代を稼ごう」
とおもいついた。
金がない二人は酒屋の番頭に灘の酒を三升借りて
花見会場でひしゃく一杯十銭で売ることにした。
二人は樽を担いでいき商売をはじめた
弟分は樽の酒の匂いにたまらなくなって
「商売物なので兄貴一杯売ってくれ」
と十銭払って一杯グビリ。
兄貴分ものみたくなり
さっきもらった十銭を弟分へ渡してグイーッ。
「俺ももう一杯」
「じゃまた俺も」
「それ一杯」
「もう一杯」
と三升の樽酒はきれいになくなった。
もうお気づきですよね
この落語・・・
「それって犯罪です」が・・・
映画館で流れるCMのように
成立している。
そうです・・・そのとおり
酒の所有者は・・・酒屋ですが
兄貴分が信用で借りて販売
借りたのは弟分でも・・・仮の
共同組織※²のモノでも良いのですが
自分の所有物ではないのです。
※²一般にはこれをJV=ジョイントベンチャー
と総称します
その弟分から頂いた酒代は
兄貴分が酒屋から借りて販売する
当務者なら
兄貴分は自家消費と同じで
代金を受け取る権利があります。
JVなら・・・組織の収入としてプールする。
もし兄貴分が債務者ならば・・・
代金の受け取りは正当な行為である
ここまでは誰にも罪はない・・・
しかし問題はここから
兄貴分が共同体の財物と知りながら
その代金を弟分へ渡し酒を飲んだら
「横領」
「もしくは会社の金だと知りながら
自分のために使ったら背任」
「返す意思があったのにお金を酒屋へ返せなければ・・」
過失ですが・・・
返す意思がなければ
「詐欺」
弟分も同じように・・・
昭和37年(1962)に出版された
笠信太郎の『花見酒の経済』では
「当時の高度経済成長がなれ合いで
銭が二人の間を行ったり来たりする噺を寓話として・・・・手厚い保護下で資本が同じところをぐるぐるまわるだけ
の日本経済のもろさを指摘」
落語あらすじ辞典の作者は
そのように解説されて
おられますが・・・
そもそも花見酒の経済学は
経済学の前提を逸脱した
トンデモ論でしかないという
学者※³もおられます。
※³野口旭先生などがトンデモ論だと論破されています
いずれにせよ・・・
経済は価値創造がキーポイントです。
価値を生み出すことが
需要に繋がり
需要が拡大することで
様々な恩恵が社会全体を潤す・・・
それを・・・
「マネーゲーム」と揶揄し
長年投資教育を怠ったきた
財務省や政府自体が
新NISAに浮かれている・・・
これほどのパラドクスはないと
なぜ・・・普段は政府批判がお好きな
とある勢力は・・・口をつぐむのでしょうか?
森永卓郎氏は
。。。
ある意味正しい事を言っているけれど
「明日にもバブルが崩壊」と
10年以上発言し・・・
それを信じて投資を控えた人がいたら・・・
あくまでも結果論ですが・・・
大損させています
10年間の物価上昇は3%程度ですが・・・
ダウ平均は2014年12月31日終値が1万7823ドル
先週金曜日の終値は3万9150ドル・・・
日経平均は2014年12月31日終値が1万7,450円
先週金曜日の終値は3万8626円
どちらも2倍以上
200%と3%では・・・
卓郎氏を信じて10年間タンス預金
それを投資していたら・・・
人によっては・・・
経済とは…生き物です。
とある
朝日新聞の原氏や笠信太郎氏
も・・・あきらかに間違えた・・・
結果論ですが・・・それも真実
その反対勢力の森卓も・・・ミスリード
なにを信じるかではなく
経済は生き物です・・・
犯罪行為を見抜けず
「江戸の落語は風情がある」とか
「政府が間違った」
その視点では・・・だれも得しません
それがわからなければ・・・
「誰かを騙して一攫千金」
という輩を社会に・・・はなつ危険がます・・・
経済不安こそ犯罪の温床になるのは
犯罪心理学を持ち出す必要のないほど
あたりまえの話です。
「物言えば唇寒し秋の風」
という現在の雰囲気を刷新しないと
日本は・・・夏なのに・・お寒い。
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