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リーダーシップの棚卸しは平野レミ式「震える右手のおさえ方」

リーダーの経験は…ホンのちょっぴり
しかも…チョー少人数の場面
目くそ鼻くそレベルしか体験がない小生が…
このタイトルを書いている理由は

「たとえひとりの部下でも…生命を預かったら分掌指揮官」

判断違いが生死に直結する自衛隊での
小官の体験とまなびを
「もしもの時に迷いが生じないために」
お伝えしたいと思います…
といっても小官のお話です
毎度おなじみちり紙交換失敗放談です。

お気軽にお読みください
当然お代は不用です。

海自は
「生き残った自衛官の最上級者が指揮を執る」
そのため・・・例えば小さな救命ボートなどで
その最上級者の判断が生死をわける!
「分掌指揮官教育」を海自が行うのは
海の世界という苛烈で特殊な状況では必須だからでしょう。

小官が初めて「パート長」という…
最下級の正式な分掌指揮を・・・
ひらたく言えば直属の部下を持つ立場になったのは32歳の時です。

海自独特の考え方ですが…
船の中には自分より後輩や下級者が何人いようが…
直接指揮できる立場でない限りはただの同僚です。

そのため…将来誰でも
分掌指揮官が務まるように…
様々な疑似コマンドを期間限定…
賞味期限つきで組成シマス

その中で最も役立つのが

「甲板海曹」および「甲板補佐(助手)」です。

2カ月間限定で自分が所属する分隊が担当する
「機器以外のデッキや外板などの整備計画」や
「防火防水器具の整備」そして
「メンテナンスや塗装・整備」

それらを計画し実行の指揮を取ります。

各分隊には様々な職種毎のパートに分かれていますが
海自の艦艇では
「パートとしての担当と分隊として担当」
を分離して…色々な人の視点で不具合を見つける施策がとられます。
海の世界でも独特の慣習でしょうか?
そんな分業が精緻にシステム化されています。

1年中海に浸かっている船は

「ほったらかし」にすれば「あっという間にサビだらけ」

そのためにスキマ時間を使い…
サビを落としてペンキを塗る作業を
頻繁に繰り返し年に一度しかない
「船を海から陸へ上げる整備」まで耐えさせます。

海自の艦艇が30年近く経過した退役前の船でも…
キレイに見えるのは
「始終お色直し」をして美肌を保っているからです✨

分隊作業というお色直しを指揮するのが甲板海曹の役目で
甲板助手はその手足となって現場を指揮する
臨時の「最下級指揮官」です。

甲板作業は職種横断の「町内会」的な運営のため
「時には自分より先輩や上級者」を
指導監督する必要が生じます。

それは実社会でも起こり得る
「先輩より出世した後輩」を疑似体験できる貴重な
「シュミレーションを現物の人間を使って実施する」
ゲームのような訓練になります。

「先輩に口うるさく指揮する」訳には…

しかし一定のノルマはこなさなければなりません。
小官も年に一回くらいまわってくる
「町内会の当番」のようなこの役目が大っきらいでした。
「甲板海曹だから本来の職務が軽減される…」
とは行かないから…町内会の当番なのです。

自分の余暇時間を割いて

睡眠時間を削って…「なんの得があるのか?」

「あるんですねエ〜」
その時は・・・当然気が付きませんでしたが…

自衛隊でも実社会でも…
序列なんて…

「固定的なものではない」
栄枯盛衰は世のならいです。

長年政権を担った与党だって…
下野すれば野党デス
野党の時は威勢のイイコトばかり…
実際にハンドリングしたら…
そんな事は世界中でも…海自の艦艇でも…頻繁に起きます…

海自の方は
「20代後半から何度も…分掌指揮官を体験させて」

本人は自己修練の場として
「自分の足らない点…能力不足を思い知る」

周囲は「甲板海曹等」の出来事不出来で
該当者の能力を推し測る。

小官が2曹や1曹になった時分には
海自にだけ階級の昇任試験がありましたが
平成の御代には陸自空自に合わせて
「細かい昇任試験」はすべて無くなりました。

「ペーパーの出来不出来は100%能力を反映しない」

それはそのとおりです
入試で東大に入れても仕事ができる訳ではありません。

ではどうやって「内申点だけで」人物を評価して
昇任の可否を判断するのか??

その時「甲板海曹等」の評価が効いてきます。
現実に多くの人間をハンドリングして…
船は正しく整備されたのか??
先輩や後輩を適切に指導監督出来たのか??

海上自衛隊を「ライン主義」「直列階級主義」の
硬直した世界ではという誤解は多いのですが…
外の社会からはそう見えるようです。

しかし…海自をリタイアしてわかった事は
「民家企業には甲板海曹はいない」
当然です船の会社でない限りデッキは存在しない。
甲板とはデッキの別の言い方です。

当たり前のことですが…
本来の職位職分を無視して期間限定で
「組織運営のハンドリングをシュミレーションで疑似体験させる」
どこにでもありそうで・・・案外ない方式です。
「キッザニアの大人版」といった感じでしょうか?
ただし職業体験ではなく「指揮体験」ですが・・・

民間企業でも…「〇〇プロジェクト」

を若手社員が主導で…そういった報道を見ますが
小官の感覚ですが
「海自の甲板海曹ほど権限や責任が担保されていない」
海自の甲板海曹は責任も重くその分権限もあります。

甲板海曹を四人から五人を束ねる
「甲板士官」という若手幹部は
若年でありながらただひとり人事会議に出席して
「人事に口出しできる」権利を与えられるほど
甲板海曹は大事な役目です。

権限や責任が重たいので・・・
負担に押しつぶされそうになったり
カラ威張りする者や失敗する者も…続出

しかそれは決してムダではありません。
本人は

「いつかは本物の指揮官になった時の本番で失敗しない」

まなびを得ます。

組織は「評価軸として」力量の可視化や運営手法の洗い直しができる。
現物の人間を使った組織運営のシュミレートができるのです。

表題の平野レミ式棚卸しとは

「現有勢力」海自ロジスティクス的に申せば
「オン・ハンド」だけで…
少ない手勢で効果的な戦術を立案する…

各構成員の能力を最大限引き出せる
「魔法の呪文」を考え・・・
必要に応じて…呪文をかける。

空母いぶきでは

射撃が得意ないそかぜの山内艦長を
佐々木蔵之介いぶき副長が
「射撃の術科競技で2年連続1位の実力…」
と焚きつけていました。

大砲による射撃は…

いくら射撃指揮装置が電子化され
最新科学が装備されても…
「刻々と変化する海洋」は…
やはり経験と勘がモノをいう世界

ミサイルと違って大砲は微妙な変化を読まないと当たらない
感覚の世界です。

下手な鉄砲は…数撃っても当たりません。

相手の勘所を突きその気にさせる
佐々木蔵之介副長の戦略勝ちなのです。

分掌指揮官の仕事は構成員…

在庫品の特徴や味と組み合わせを
「短時間で把握しまとめ上げ料理を作る」
正規の手順で任命された指揮官でないからこそ
「失敗してまなぶ事も可能な疑似指揮官」こそが
冷蔵庫にあるモノで美味しい料理を作れる…
平野レミ式棚卸しなのです。

美味しい料理は必ずしもご馳走とは限りません。
素材の持ち味を…活かすもコロスも料理人の腕次第です。

平野レミさんは何度も何度も実験して…
和田誠という厳しくも優しい採点官に評価された。
手抜き料理家は…手を抜かず食材をみただけで…
美味しい料理が思いつくから手間が省けるのでは?

指揮官候補者も…限られたオン・ハンドで
「これならできる」という
「アタマの中身棚卸し」
が身に付いたら…
肩のチカラが抜けて
有事でもたじろがない胆力を…

noteの世界には多士済済な実力家がいっぱいいる。

しかし…自分の棚卸しができていないから
「無いものねだり」や「自己卑下」する
作者が多いと感じます。

「極めて的確な視点」
「誰にも思いつかない着想」
世間を世情を観察し
趣味を極めていながら
「和田誠」にめぐりあえていない。

あなたの和田誠さんはnoteの中にたくさんいる…
あなたは…自分の良さをシュミレートして…棚卸しを…

「思う存分に指揮官として力量を発揮してください」

世界に名だたる発見や発明は偶然の産物が多いけれど…
それを見逃さなかったから…
成功者として名前が刻まれる

まずは…小生も
自分の棚卸しを実施して
アタマの中のガラクタを処分しないと😵‍💫


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海尾守 中2病
チップのお返しは・・・なにができるのか?思案橋です