我が家にあるイラン製品といえば
ペルシャ絨毯です
そのほとんどは手縫いとは名ばかりの
安物ですが・・・
日本で購入すれば一応本物のペルシャ絨毯なので
数万円から十数万円の価値はあるらしい?
高価なペルシャ絨毯をドバイ近郊で求める場合
シャルジャのセントラルスークがおすすめですが
ここには
「本物・偽物」が入り乱れて展示され
2畳ほどの絨毯を「50万円」くらいの値段で販売しております・・・
あくまでも定価ですが。
過去には日本のテレビ番組
で一畳サイズの絨毯を30万円と
吹っ掛けられたとあるタレントが12万円まで値切って購入して・・・
「どうだ俺の値切り技術は!」と
自慢しておられましたが
小生はほぼ同等の製品を1000ディラハムととある雑誌
2冊※で購入しました。当時の価格で3万円少々です。
その絨毯はとある方へプレゼントしたので・・・
我が家には安物しか残っていません。
値切るのは・・・修行にもにた苦難の道です。
高価な絨毯を商っているシャルジャでも
安価な絨毯を扱っているマサフィーのフライデーマーケットすら
「値切られて当然の金額で売っている」
あとはその商品の真贋と価値を見抜かなければ
「適正価格では購入できません」
普通ならば
ただし小生には「適正価格」も真贋もわかりません。
そんな眼力があるなら「別の商売」で
ひと儲けできたでしょう。
適正価格とは
売り手が「このくらいなら売ってもいいか!」
という金額であり・・・
相手がへそを曲げて「売らん!」という場合は
不適正価格です。
安物のペルシャ絨毯を
ドバイとフジャイラの中間くらいにある
マサフィーのフライデーマーケットで買う場合は
通常でも「15~20倍」は吹っ掛けくると
思って間違いがありません。
商人が「この絨毯は2500DHS」といえば
いい出し値がその程度の安物であれば
こちらは「100DHSなら即決だ!」
と返します。
商人はたいがい
「馬鹿にしているのかこれはハンドメイドでチェンジカラー※だぞ
シルクの絨毯がそんな値段で買えると思うな!1500DHSでどうだ」
と勢いよく値下げしてきます。
小生はわざと裏返し・・・表面を触り
裏側の糸が継いである場所を数か所触って
「110DHS!」
商人は「仕方ない1000DHSで売ってやる」
相手が半値以下に切り下げたからと
こちらも200DHSと行きそうですが
「120DHS!」
と10DHS刻みですり寄ります。
商人は両手をYの字して天を見上げ
「お前はほんとに絨毯の価値を知らないなあ!」
と嘆きながら
「今日は特別に500DHSだ!これならどうだ」
と迫ってきます。
当然こちらは「130DHS!」です。
ここで大概はブレイクタイムです。
商人のおじさんは小僧に小銭を渡し
「ミスターはコーラでいいか!」
と飲み物をごちそうしてくれます。
休憩をはさみ・・・片言の世間話や
「中国人か?朝鮮人か?」という人定質問をかわしながら
商人のおっさんは
「特別価格300DHS!」をコールします
小生は「140DHS!」と返します
商人は「ふざけるなこの絨毯は本物だぞ200DHSじゃ売らないほうがましだ」とさらにオーバーアクションで天を仰ぎます。
さてここで・・・小生は「値引いてくれるなら友達にも紹介するが・・・」
商人のおっさんは「180DHSもう絶対にこれよりひかない!」
その時の対応で・・・
「物別れに終わるか?」
「150DHSで買えるのか」
さて最後の30DHSどうする家康小生?
小生は「わかったありがとう!」と店を出る
「コーラごちそうさま!」を忘れずに!
その時「後ろを振り向かないのが肝心です」
おっさんが売ってもいいかなという本音の価格は
「180~200DHS」なので
その値段で買っても良いのですが・・・
あえて小芝居を打つと
「ワカッタよ!ミスター!150DHSでいいよ!」
そのあとは・・・お金を渡し・・・握手して・・・
場合によっては抱擁して・・・絨毯をくるくると包んでくれます。
そこで「コーラのお礼にこの雑誌を上げる」
と週プレなどの雑誌を渡す・・・
「おっさんのこぼれるような笑顔」
値切り切ったので・・・別に武器は不要に思えますが
「感謝の気持ちは30DHSより些細なプレゼント」
おっさんが「食い入るように雑誌をめくっている」のを確認して・・・
2時間戦った店を後にします。
このくだりを遠めに眺めていたインド人ドライバーモイさんは
帰りの道中で「ミスターは買い物上手だね!」と・・・
結果として我が家には
四畳~コースターサイズまで
様々なペルシャ絨毯が
「普通にこたつの下や玄関マットとして・・・」
安物ばかりですが・・・
とある知り合いに
「これ偽物のペルシャかもしれないけど・・・勿体ないね!」
「これは本物ですよ安もんですけど!」と返すと
本当に本物なら5万円や10万円はくだらない模様だよ・・・
「あ名が入っている!」
では・・・気持ちよく戦って得た戦利品の絨毯を
ぼろい我が家でどうすべきか?
使わないで飾るのか?
誰かに講釈を垂れて売るのか?
それでは気持ちよく売ってくれた商人のおっさんに
申し訳ない。
価値とは「かけた時間や買う時の思い」であり
「100万円する高価な絨毯なら・・・少し考えるけれど」
小生が買った時は数千円から1万円程度の絨毯を
ニタニタ眺めるほど
「ペルシャ絨毯に詳しくもないし趣味もない」
もう20年近く使っているものもありますが・・・
買った時とほとんど色つやも変わらない
「買った時から新品ぽくないので古びれるタイミングを失った絨毯たち」
たまに水洗いして裏返しで陰干ししていの絨毯を
通行人が「不思議そうにしげしげと眺めている」のを見て
「絨毯の価値を知っている人は少しだけいるんだあな~」
とペルシャ絨毯の真贋も善し悪しも知らない小生は
感心するばかりです。