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【ファジサポ日誌】64.初めてユースの試合を観てみた~第47回クラブユース選手権グループステージC 鹿島アントラーズユースvsファジアーノ岡山U-18

※カバー写真は岡山U-18出身MF山田恭也選手

今週のファジアーノ岡山のゲームは異例の週明け月曜ナイター(アウェイ熊本戦)という事もあり、シーズン中にしては珍しく余裕のある日曜を迎えました(土曜ゲームの場合もレビューを作成しているので余裕がない)。

そんな日曜の朝(7月23日8:45キックオフ)に開催されました第47回日本クラブユース選手権(U-18)大会にて、我らがファジアーノ岡山のU-18チームがグループステージ初戦を迎えましたので、YouTube無料配信にて観戦しました。

筆者は今まで、ユースチームの試合にそれ程大きな関心を持ったことがなく、試合もじっくり観戦したことはありませんでした。

それが最近になって、急に関心を持ち始めたのには理由があります。
それはこの記事を読んだからです。

https://aboutj.jleague.jp/corporate/wp-content/themes/j_corp/assets/pdf/club-r3kaiji_1_20230526.pdf

※Jリーグが5月26日に発表した「2022年クラブ決算一覧」も参考に貼っておきます。

Jリーグ各クラブごとのトップチームの人件費ランキングです。
この記事によりますと、ファジアーノ岡山は2022年Jクラブ全体で28位、J2では12位となっています。

あれっ?!となった訳ですね。
昨シーズンのファジアーノは過去最高のJ2・3位をマーク、これまでJ2の地方クラブを上位に押し上げた実績を持つ木山隆之監督を招聘し、ヨルディ・バイス、チアゴ・アウベス、柳育崇、河井陽介等の実力者を補強。かなりの人件費をかけていたとの印象を持っていました。

確かに前年比では+1億3,300万円増加しており、クラブとして最大限に人件費を確保していた点はそのとおりなのですが、実はJ2全体では中位に過ぎないのです。

昨シーズンの3位という成績は、お金をかけて補強した効果であることは間違いないのですが、決してお金どおりの成績という訳でもなく、実は人件費を大幅に上回るチームの好パフォーマンスによってもたらされていたといえるのです。

今シーズンの開幕前、チームは引き続きJ1昇格を目指す体制が継続していることを強調し、J2優勝、いわゆる「頂」を目指すことを表明しました。
昨シーズンの主力、オーストラリア代表ミッチェル・デュークは町田へ、徳元悠平はFC東京に移籍しましたが、比較的昨シーズンの主力の引き留めに成功、新加入選手もレンタル選手が多かったことから、人件費自体はざっくりと昨シーズン並みではないかと予想しています。

しかし、ここまでチームはJ2・10位(7月23日現在)とJ1昇格争いからは大きく後れをとっています。
昨シーズンとの比較からこの成績を「低迷」と捉えたくなりそうなのですが、実は人件費ランキングを基準にすれば、J2中位という「妥当」な順位ともいえるのです。

一方で、前述しましたようにクラブが予算的に勝負していることもまた事実で、この先永遠に(予算的に)勝負できないクラブ事情を考えますと、ファジアーノ岡山、悲願のJ1昇格は大変困難なミッションであるといえるのです。

この「お金」の問題は親会社を持たない地方クラブにとって、すぐに解決できるものではないことを考えますと、時間が掛かっても足元からチームを強化していく取り組みは必須といえます。

特にユースチームの強化は、トップチームへの人材供給という面で重要なことはサッカーを観ている方なら誰でもお分かりのことかと思います。
しかし、これまでのファジアーノ岡山ではトップに昇格する選手自体が少なく、昇格しても主力として活躍する選手はまだ出て来ていません。

しかし、この岡山U-18から明治大学に進学したFW太田龍之介選手の来季新加入が内定し、U-18チーム、U-15チームがクラブユース選手権に出場すると聞き、俄然ユース世代に興味が湧いてきたのです。

長い前置きになってしまいましたが、筆者が最近、育成年代の話題を記事に採り上げたり、Tweetしている理由を述べさせていただきました。

さて、現在のファジアーノ岡山U-18チームの立ち位置を確認してみます。

2016年からプリンスリーグ(中国)を戦うU-18チームですが、今シーズンはここまで首位と好成績をマーク。いよいよプレミアリーグへの挑戦も始まるというところまで来ています。
クラブユース選手権本選(U-18大会)は5回目の出場となります。過去予選リーグを突破したことはありません。

今回のクラブユース選手権の出場チーム、そして予選グループ分けです。
岡山はCグループに属し、本日(7月23日)対戦しました鹿島アントラーズユース(プリンスリーグ関東1部1位)、京都サンガF.C.U-18(プリンスリーグ関西1部2位)、いわきFCU-18(福島県リーグ1部4位)と競います。
プレミアリーグのチームは含まれていませんが、関東、関西各プリンスリーグ1部の強豪と同組となりました。鹿島ユースには年代別代表の選手も所属しています。岡山U-18がノックアウトステージに進出するためには、このグループの2位以内に入らなくてはなりません。つまり強豪の鹿島、京都に勝利する必要があったのです。

グループステージ初日にして、重要な鹿島戦を迎えた訳です。
さて結果は…

鹿島ユースに見事に勝利を収めました!
クラブユース選手権本選では通算5勝目、Jクラブから記念すべき初勝利をマークしました。
筆者はユース世代の彼らがどの程度のサッカーが出来れば良いのか、評価の視点を持ち合わせていないため、普段から育成年代を観戦、観察されているTwitterのフォロワーさんの投稿を参考にしながら観ていました。

ど素人ながら、この試合の気づきを箇条書きしますと、
・全体的に鹿島ユースに十分通用していた
・特にフィジカル面は通用していた
・ボール運びのバリエーションは鹿島の方が充実
・お互いに左からの崩しが得意
・岡山GK(21)近藤陸翔選手のPKストップ
・濱田選手のようなCB(4)服部航大選手の強さと安定感
・岡山の高い位置でボールを奪う意識の強さ
・細かい繋ぎとロングボールの併用(岡山)
・最終ラインからのビルドアップは苦手か

岡山側からみた時にトップチームを意識したサッカーが出来ていると感じました。
出来るだけ高い位置でボールを奪う、個の強さで局面を打開する、繋ぎながらも相手コートを常に意識する、どこかしらトップチームと似ているのです。
トップチームへの人材供給を意識すれば当然と思われるかもしれませんが、ユースチームがこのサッカーに取り組んでいるということは、現在のトップチームのサッカーが適当な考えで行われている訳ではないことも示しています。特に球際の強さはいわゆる「岡山らしさ」を体現しようとしているのかもしれません。
こういうサッカーを観ることが出来たというだけでも、今日は本当に収穫でした。

最後に余談ですが、今日の会場はスタンドなど無いグラウンドでした。カメラは鹿島ユースベンチの真横辺りに置かれていましたが、ピッチレベルでサッカーを観る難しさを感じることができました。距離感が全く掴めないですね。鹿島ユースベンチには柳沢敦監督、曽ヶ端準コーチの姿も。世代的にちょっと嬉しかったです。鹿島のキャプテンが40番、1トップが13番を付けていましたが、これはレジェンド(小笠原・柳沢)にあやかってのことなのでしょうか?など様々な発見がありました。

試合中、終始、岡山サポのトップチームと変わらないチャント、声援がよく聴こえてきました。嬉しかったですね。

以上、ユース観戦初心者の感想文でした。
酷暑の中、大変だと思いますが、明日の京都戦も頑張ってほしいですね。

お読みいただきありがとうございました。

【自己紹介】
麓一茂(ふもとかずしげ)
地元のサッカー好き社会保険労務士
JFL時代2008シーズンからのファジアーノ岡山サポ
ゆるやかなサポーターが、いつからか火傷しそうなぐらい熱量アップ。
ということで、サッカー経験者でもないのに昨シーズンから無謀にもレビューに挑戦。
持論を述べる以上、自信があること以外は述べたくないとの考えから本名でレビューする。
レビューやTwitterを始めてから、岡山サポには優秀なレビュアー、戦術家が多いことに今さらながら気づきおののくも、選手だけではなく、サポーターへの戦術浸透度はひょっとしたら日本屈指ではないかと妙な自信が芽生える。

応援、写真、フーズ、レビューとあらゆる角度からサッカーを楽しむ。
すべてが中途半端なのかもしれないと思いつつも、何でもほどよく出来る便利屋もひとつの個性と前向きに捉えている。

岡山出身ではないので、岡山との繋がりをファジアーノ岡山という「装置」を媒介して求めているフシがある。

一方で鉄道旅(独り乗り鉄)をこよなく愛する叙情派でもある。
アウェイ乗り鉄は至福のひととき。多分、ずっとおこさまのまま。

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