読み聞かせ
過去に中学校に勤めていた事がある。
とても落ち着かない学年があった。その中でも何時も授業に入れない生徒が3人。何時も図書室等教室ではない部屋でゴロゴロ。教員が交代で見守る。
ある日、私が見守る時間。彼らはカーペットが敷いてある図書室でゴロゴロしていた。私は何となく、
「絵本読もうかな?」
と言ってみた。普段ちょっとした事でも
「うざいって!」といった言葉が返ってくるので、今回もそうかな?と予想したが、意外にも反応なしだった。
私はまた、「『黒いうさぎと白いうさぎ』を読もうかな?」と言ってみた。また無反応だった。これは読んでいいって事?と思い、読み始めた。
静かに聴いてくれた。そのうちTさんが、
「おいK、お前聴いてる?」といった。
するとKさんは、
「うん。」という。Tさんが、
「先生〜!Kは聴いてるんだって〜!」と大きな声で言った。
(続く)