北国の近場旅行記/函館市 汐首山
汐首山に行ってきました。
自宅から車で20分強、ざっくりとGoogleマップで場所を確認していたもののあまりに小さい道だったので何度も見落として結果的に30分くらいかかった。
汐首山は函館山から市街地を見下ろした時に右端に見える函館の際の山(写真の黄丸部分)
この黄丸で囲った辺が「戸井町」、2004年に函館市に編入された町。
この戸井町が北海道ー本州の最狭部に位置している。津軽海峡を挟んで向かいにあるのが、マグロ漁で有名な青森県大間町。
渡島半島の汐首岬(下航空写真の赤丸部分)を登った汐首山には野生馬が生息していると、知人友人から聞いていたのでカメラを持って登ってきた次第。
登山口となるゲートへと続く道の入り口がわからず迷って、なんとか到着。恵山国道を走って汐首岬の手前にある細い道がそれです。
馬とヒグマに注意のまさかのコラボ。近年はヒグマの目撃情報が多いことが頭によぎり、万が一・・・を考えていつもはイヤホンでブルデスを聴きながら歩くところだけどもイヤホン無しで歩くことに。誰だってそーするところ。
山道を一人歩いて、ふと「熊に遭遇したらどうしよう?」「熊に襲われたらどうしよう?」と不安が頭をよぎる。
汐首山に来ていることは家族の誰にも言っていないし、SNSで告知もしていない。
つまり、行き倒れたら行方不明になる。そもそも熊対策何もしてねぇ、と自分の膨大な能天気さが裏返って不安に変換される。
と思ったら
一台のカブがヴィ〜〜っと山を下っていく・・・
何者かは存じないが、大丈夫だってことだな・・・と謎のおじいさまに何かしらに勇気付けられて登山を続行する。
眼前を飛びまくる雪虫にうんざりしながら歩いていると、突然目の前には馬糞が。
既に頂上付近まで登っていて、登山もいよいよ終盤。馬の気配は乾いた馬糞のみ。
もしかしたら見れないかもなぁと諦めも覚悟する。
登山というよりも高原の一本道を歩いているような感覚になり、とても新鮮な体験
電波塔の下を歩いていると、遠くの野原に馬の姿が!ウッウッウマウマー!と内心興奮しながら歩みを早める。
ちなみに写真を撮っていない左側では猟師さんが鹿か何かを狩っていた。尋常ならざる動物の悲鳴が聞こえてちょっとゾッとした。
頂上の一番奥の電波塔のさらに奥の原っぱに馬たちは居ました。
総数17頭。子供の馬から老馬まで。
足首は太くて、胴回りはしっかりしていて、競馬で見る馬とは全く異なる風貌。
めちゃ力強そう。
登り始めてから、この馬たちの居る原っぱまでは40分弱。写真撮りながら歩いて。
馬たちは野生だとか、放牧してるだけだとか、はっきりとした情報は無く
ただ汐首山の頂上付近に居るってことだけが確実な情報として存在している。
馬糞の量から見てこの頂上付近(電波塔近くまで)が主たる行動範囲だと思う。
稀に登山道を通って下の方まで移動している模様。ただ、馬たちが下まで移動する理由も思いつかないので、管理者(飼い主)になんらかの理由で連れられて下まで移動しているのかなと想像。
馬たちに至近距離まで近づけることは勿論嬉しかったり楽しかったり新鮮で貴重な体験だったが、それよりも北海道はもとより日本らしからぬ景色(少なくとも自分の知っている日本には無かった景色)に出会えたことが何物にも勝る経験だった。