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別世界では別職種だった件 マエダ編 第9話
第9話 F級会議 前編
「何だそれ」
「この国では各職業としての階級とは別に、その個人個人が持っている特性によって分類が行われているの」
朝食後のまったりとした時間の中で、リョウコが口にした本日の予定についてマエダが質問した。最近緊張感が高まっているマストクック連邦とアルタ王国であるが、今後の戦略についての話し合いが本日行われるということである。そしてその話し合いの場が“F級会議”と呼ばれる
別世界では別職種だった件 マエダ編 第8話
第8話 再開
「最近前田君が模擬戦室でロボットと戦ってばかりなので私楽しくない」
不満げな表情を浮かべながらマサミが言葉を漏らした。先日のプラチナとブロンドとの模擬戦の後、模擬鍛錬用のロボットがあるとの話を聞き、それ以降マエダはリョウコの職務中、そのロボットとの模擬戦に勤しんでいる。今までは自分と一緒に王宮内を彷徨いていたので、それはそれで楽しい時間だったのである。今はマエダの模擬戦を眺めて
別世界では別職種だった件 マエダ編 第7話
第7話 実力審査
「なあ、マストクックとマルタって何で緊張状態にあるんだっけ」
朝食中にふと浮かんだ疑問についてマエダが質問する。ここはリョウコ邸。マサミとマエダは相変わらずリョウコの家で一緒に暮らしている。そして朝はほとんどマサミが朝食の準備をし、朝食とその後のひと時をのんびりと過ごすのが常になっている。梁山泊の一件以降は特に出撃指令等はなく、現在は通常勤務状態となっているが、いつ出撃命令
別世界では別職種だった件 マエダ編 第6話
第6話 梁山泊
「変に刺激しない方が良いと思うからね」
「承知しました。我々はRSCの外で待機いたします」
現在作戦会議が行われており、リョウコが口にした言葉に、ブロンドが平伏しつつ返事を返した。
「じゃあ雅美、前田くん行くわよ」
笑顔を浮かべながら発したリョウコの言葉を聞いて、マサミとマエダも席を立つ。現在盗賊から襲撃された村から半日ほど戻ってきた場所に陣を張っている。この場所から
別世界では別職種だった件 ホンダ編 第13話(追記)
追記 ジャンヌ山の戦い
「あ、俺はもうやられたんだ、もう死ぬんだ、いや、これは死ぬどころではない。俺の存在ごと消滅させら・れ・・る・・・」
部隊全員の目の前からホンダの体はだんだん薄れていき、次第に消滅していった。
「いやーーーーーーーー」
両手で顔を覆い、サキアはその場にへたれ込んだ。他のメンバーたちもあまりのことに言葉を失っている。
「さて、1人終了。どうするー。その娘を渡すか、
別世界では別職種だった件 ホンダ編 第12話
第12話 超力大将
「お断りします」
「そうか、だが私は諦めないぞ」
真剣な表情を受かべて発したホンダの言葉を聞いて、ハンディルは少し寂しい表情を浮かべながら口を開いた。先日のギルド襲撃事件の際、敵のボスから木っ端微塵とは言われていたものの、何とか命は取り留めていたハンディルであったが、回復や治療を繰り返しても余命いくばくもない状態となっている。自分の命がもうあまり持たないということは自分
別世界では別職種だった件 ホンダ編 第11話
第11話 襲撃
「ではホンダ、今日はもう大丈夫ですよ」
「ハア、今日も疲れました」
笑顔を浮かべて声をかけてきたミズリを見つめながら、大きなため息をついた後でホンダは返事を返した。ホンダがグリス連邦にやって来てから2週間が過ぎようとしている。毎日毎日調査という名目で調査室なる部屋の真ん中に設置された椅子に座り、言われるがままにエスパーパワーを出したり止めたりしている。正直作業的には退屈極ま
別世界では別職種だった件 ホンダ編 第10話
第10話 山賊
「お待ちしておりました。私はタカソ村ギルドの所長ティレンスです。よろしく」
「ホンダです」
「リンドです。よろしくお願いします」
タカソ村の郊外にテレポートで移動したホンダとリンドはギルドを訪れて、所長のティレンスに挨拶をした。この村のエスパーギルドは規模が小さく、建物もアルタ王国のギルドに比べるとかなりの手狭感が否めない。おそらく土地自体が狭そうなので、このような作りに
別世界では別職種だった件 ホンダ編 第9話
第9話 ジャマー
「ホンダおはよう」
「おはよう」
今日も清々しいミレンの挨拶を聞いて、ホンダもできる限り爽やかに返事をした。朝の挨拶を気持ち良く出来ると、一日気分が良いものである。
「そういえばハンディルが、ホンダを待ってる感じだったわよ。何か頼み事があるみたい」
「そうなんだ、何だろう。ちょっと行ってみる」
そう言ってハンディルがいつもいる所長室に向かう。どうやら部屋の中にいる
別世界では別職種だった件 ホンダ編 第8話
第8話 クエスト
「何か最強のチームって感じじゃねー?」
非常に嬉しそうな表情を浮かべて、トミタがこの様に発言し、それを見てメイとサクヤも笑顔で頷いている。このメンバーで仕事をこなすようになって約半年が過ぎようとしている。元々はメイを白昼屋で過ごせるようにするためにトミタが多額の借金をしたのが始まりで、その借金返済の手助けをホンダとリンドが手伝っているような状況だ。請け負う仕事は簡単なものか
別世界では別職種だった件 ホンダ編 第7話
第7話 帰還
「おはようホンダ。さっきホンダを訪ねて来た人がいたよ」
エスパーギルドに着くといきなりミレンから声をかけられる。自分を訪ねてくるとは一体誰なのであろうか。
「名前を尋ねたけど教えてくれなくて。お昼にいつもの店で待ってるからと言われた」
誰かわからない人にいつもの店と言われてもわかるはずないじゃないかと考える。だが、そのような無茶を言う人間の知り合いはこの世界では数人しかい
別世界では別職種だった件 ホンダ編 第6話
第6話 盗品回収②
「敵の情報が全くない状況での作戦は危険だと思われます」
すぐにでもジャンヌ山に討伐に行きたいと考えているハルキシスに対して、アーチャーのロビンスが意見を述べる。前回の討伐から2日経っており、今後の討伐をどうするかを昨日今日と話し合っているのだ。ロビンスとファイターのケインは討伐に慎重な姿勢を見せている。
「情報についてはいま諜報員を潜り込ませているので今日中にはある程度
別世界では別職種だった件 ホンダ編 第5話
第5話 盗品回収①
「何か最近平和だねー」
街を歩きながらホンダがティーナに話しかける。トミタがこの国からいなくなり1ヶ月が過ぎようとしている。その間ギルド依頼の指令をいくつか解決しているが、特に難しい指令もなく、メイレベルの強い相手と戦うこともなくなっている。平和なのはもちろん悪いことではないが、何か刺激が足りない気もする。
「まあ、昼はギルドで働いて給料もらって、その後酒場で酒飲んで、
別世界では別職種だった件 ホンダ編 第4話
第4話 覚醒と別れ
「もう少しでオッパイ触れるんだけどねー」
満面の笑顔を浮かべながらメイが言葉を発した。エスパーギルドの初依頼を受けてから約1週間、メイが簡単に倒した格闘家に勝てなかったというホンダの戦闘指導をしているのである。戦い方として、遠距離から飛び道具を打ってもある程度の戦闘技術がある人には避けられてしまうので、加速能力で接近し、相手に密着した状態からサイコショットを打つという戦術