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31-1 能登半島災害ボランティア報告 輪島市 令和7年2月15日
外浦地区は地震、水害のひどい地域で海沿いの道路が土砂で埋まり、孤立していたようだ。ネットを調べると外浦地区の一つ大谷からのボランティア募集が掲載されていた。一人で行こうと計画していたところ、とやま311ネットも今週土曜は輪島での交流会、日曜は大谷での泥出しボランティアを予定していると聞き、参加を表明した。交流会では炊き出しを段取りから覚えるチャンスでもある。どんな交流を計画しているのか楽しみ。
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2月15日の朝6:30にとやま311ネットの拠点に向かう。私のワンボックスカーにも支援物資の飲料水、オレンジ、研いだお米を積むことに。
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ほかにオレンジや500mlの飲料水
子供用のお菓子など積んだ
私の車の助手席には元自衛隊で潜水艦に乗っていたという男性が座り、話も弾みながら輪島に向かう。合計6升のお米を研いだのは元自衛隊の男性だ。
もう一台の車にはS代表とMさん。お二人とも老人介護施設の関係者なので、高齢者のサポートは得意分野でしかも芸達者。
途中朝ごはんとしてうどん屋さんに立ち寄る。
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出汁が2種類から選べる
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輪島市の社会福祉協議会の駐車場に到着。合同で支援をするホットナチュレさんは、先にテントを張りいしり唐揚げや焼き鳥の準備をしていた。我々もタープを広げ、テーブルを組み立て、炊飯器やコンロをガスボンベに繋ぐ。
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炊飯器に浸水しながら運んで来た米を入れ、混ぜご飯の具を投入しスイッチオン。今度は野菜の鍋を作り始める。水の入った鍋をコンロにかけて湯をわかす。切った野菜を入れ、出汁の元も投入。野菜が煮える頃鶏肉と味噌野菜煮の素を入れて味を決める。ホットナチュレの焼き鳥や唐揚げの方も順調にできてきた。
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そうこうするうちに炊き込みご飯が炊ける。私は研いだ米を入れてきた青いコンテナに炊けた炊き込みご飯を入れ、前面のテーブルに配置する。
11時すぎくらいから人が並び始めた。お弁当箱に漬物が入った折を受け取り、私は炊き込みご飯をつめて被災者さんに渡す。列は100人ほどに長くなる。炊き出しをすると大々的に宣伝をしたわけではないのに、通りすがりやクチコミだけでこんなに人が集まるのかと驚いた。
結局150人くらいに炊き出しをして、一段落した所でMさんはいしり唐揚げを購入した。一服しようとテントから出たその時!一羽のトビがMさんの唐揚げに襲いかかり、唐揚げが地面に投げ出されてしまった。上空を数羽のトビが舞っており、こちらを狙っている様子。Nさんがワザと唐揚げを一つ、トビに見えるように持つ。トビはやはり狙っているようで、徐々に高度を下げて来る。Nさんが持っていた唐揚げを食べてしまうとトビは諦めたのか寄って来なくなった。
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以前も輪島のボランティアに来た時、ボランティアの女性の持っていた鱒寿司をトビに狙われ事があり、ボランティアセンター前の駐車場にはトビがお弁当を狙っていると注意喚起もあった。
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おそらく漁港が完全復活しない限り、港のおこぼれを預かれないトビ達は、警戒心の薄いボランティアを狙い続けるだろう。
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代表のSさんが声かけすると、Mさんは三線を出して沖縄民謡や沖縄ポップスを演奏し出す。この時、炊き出し弁当を受け取った輪島の皆さんはとっくに居なくなっていた。交流といっても今の時期外は寒い。事前にもっと交流や親睦を前面に出さないと人は集まらないのでは。支援物資を配布しすぎてせっかく復活してきた街の店舗の営業妨害になってはおらぬか。もっと困っている人を探して支援すべきなのではないかとか、色々と支援方法を考えさせられた炊き出しだった。
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輪島の漆芸美術館が復活していて、展示を見る事ができると聞いたので、行きましょうと311ネットのメンバーを誘った。
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輪島塗作品を堪能した後、朝市の復旧の様子を見に向かう。長らく倒壊したままだった漆芸のビルも解体工事の真っ最中で、正面はバリケードで見えない状態。
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焼け焦げた瓦礫の原だった朝市通りは更地となり、何もない状態だった。永井豪記念館をGoogleMAP上で探すと数メートル先を示すが、やはりそこは更地だった。震災遺構は残さない方針なのだなと思った。
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明日は私は大谷で水害ボランティアを申し込んでいるので、大谷まで車で30分の距離の町野町まで移動して泊まる予定にしている。311ネット代表のSさんも私とともに町野町に泊まると表明。MさんとNさんは一旦富山に戻り、明日また新たに311ネットのメンバーを車に乗せて町野町で合流する約束をして別れた。
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私の運転する車で助手席はSさん。町野町へ向かい海沿いの道を走る。この道は震災後、私は初めて通る。あちこち工事だらけである。
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白米千枚田を通過する。夕暮れ時で海と千枚田のコントラストが美しく、感動的だ。しかしこの千枚田は地震で畔が崩れ、復旧しかけたところを追い打ちをかけるように大雨が襲ったところだ。何てことだと思う一方、美しい景色に息をのむ。
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Sさんは町野町に向かう間、ところどころ寄り道をする。過去に支援品を車に積んで被災地各地を訪れ、支援物資を置きながら情報収集していたのだ。場所によっては不在のところもあったが、ここは養護施設を運営しながら地域の支援も行っている場所のようだ。
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町野町に辿り着く。もとやスーパーのもとベースを利用することになった。
隣がスーパーなので食料も手軽に入手できる。私たちも炊き出しで残った鍋をもとベースで休憩しているボランティアさん達に提供した。
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Sさんはボランティアさんやもとやスーパーの社長さんと談笑し、カラオケを歌ったり上機嫌。私は先に休ませていただいた。眠りの中でS代表の歌声が響いていた。明日は大谷での水害ボランティアだ。おやすみなさい。
31-2に続く。