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間取りと空間

ヘッダー画像は、伊礼智 『心地よさの ものさし』新建新聞社、2021年、87ページよりお借りしました。以前こちらの記事で購入したものです。これから読む本|美恩

みなさんは、引っ越しやら購入・注文などで、間取りを見ているうちに夢中になっていたご経験はありませんか。
あれは何なんでしょう。妄想がふくらむのか、疑似体験するかのような集中力が出ている時があります。
いっぺんに沢山の間取りを見ているうちに、勘のようなものが働いてきて
「これは、たぶんこの平米でも狭いな」や
「掃除がしにくそう」とか
「視線が動かず窮屈だな」などと感じることがあります。

実際に物件を訪ねるまでの間、しばらくそんなトレーニング(?)をしている時が一番楽しい。きっと、頭の中で様々な家の中に住んでみるからです。
ついでに、
「今度は、この箇所をもっと使いやすいようにしよう」
「ここなら、愛猫が真っすぐ全力疾走できる」
とちょっとした希望も盛って選んでいくと未来思考になりますから、気分も良い。気が付いたら駅を乗り過ごしていたことも度々。

わたくしの場合、一般よりも引っ越し回数が多いかと自負しておりますが、じっくり研究して理論的に物件を選ぶことは皆無です。
前述のようにイメトレだけしております。楽しいのはここまで。
あとは可能なら現場に踏み入って、実際に自分が住んでいることが想像できれば問題なし。すぐ決めちゃう。
かつて建築前のものを購入した際も、一番最初に見た図面でピンときてその場で即決しました。(こわかったけど)
そうやって決めると、たとえ条件的によろしくないと言われている地域でも、自然に充実して過ごせるのが不思議なところ。

間取り図面とは別に、その中の空間づくりは、個性が出ますね。
知らないひとやプロの方々が、自分では思いつかない空間を創造してらっしゃるのを垣間見るのは、子供のようにワクワクします。
以前、偶然NHKで観た番組が思いのほかおもしろく、間取り鑑賞現象のように終始楽しかったことがありまして、テキストも購入してしまいました。

NHKテキスト『人と暮らしと、台所』NHK出版、2020年。

台所に特化してそれぞれのひとの捉え方やモノの配置、それに付随して食の哲学やその背景まで伺えるような内容です。
空間は、その中に実に様々な物事を内包して機能している。まさに、スペース/宇宙ですね。
どこをどう考え、使用するかはそのひと次第なのです。
こんな台所もありましたよ。

同書、P.82。

料理好きという言葉をとっくに通り越してプロのような武井氏の台所スペースは、道具がたっくさん。お皿も、棚に入りきらず上に積み重ねてあります。ものすごくうっそうとした物量なのに、氏の楽しみの心が満ちているので、息苦しい感じはありません。
これも、空間マジックです。いとおかし。

ライティングによってもスペースの切り取り方や性格は工夫できますね。
書いているうちに、あちこち片づけて動かしたくなってきた、、、。
まずいまずい、レポート提出が迫っていてまだ文献も読み終えていない。
グッとこらえるのだ、美恩。

実際のところ、設計士さんには申し上げにくいですが、その家に住む住人の空間の捉え方によってずいぶん住環境は変えられるものだと思います。
言ってみれば、運命が物件、生き方が空間。

空間づくりに関しては、即決・結論はなくずっと工夫し続けられるのが魅力ですね。
レポート終わったら、いろいろ検索して吸収して、工夫したいと思います。
レポート終わったら。。。



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