女装したい
女装したい。
僕は周囲にゲイをカミングアウトしている。
そんな僕がもし、「女装したい」と打ち明けたら、周りは驚くだろうか。
僕は恐らくメイクとはめちゃくちゃ下手くそだと思うし、ファッションセンスも無い方だ。
あと、可愛い服を着ることにまず興味はない。
「女装したい」
僕のこの発言は、純粋な意味での女装とは少し異なる。
じゃあ女装したいってどういうことなのか。
それは、自身が内包している「女性性」を、社会から許容してもらうための手段としての女装なのである。
社会を生きていると、「男だから」とか「男なのに」とかそういうことを強いられることが多く、男として生きる以上は、「男性」というジェンダーから逃れることができない。
男として生きることに、辟易している自分がいるのだ。
それが女装をするとどうだろう。
周囲から、「女性」とまでは見られなくても、「女性みたいな男」として認識をされることになる。
それが、僕にとっては心理的に楽なのだ。
「男」という枠から降りることができるから。
僕はまだ、実際に女装している方にお会いしたことは無い。
しかし、彼らの中にも異性愛者はいるのでは無いかと推測する。
彼らは僕と同じで、社会から強いられる「男の役割」に辟易している人なのでは無いかと思う。