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膝関節症はO脚が8割

膝痛の原因は、軟骨がすり減る
からだと思っている人が多いです。
しかし、膝痛を訴える人の
ほとんどは、病院で検査しても
軟骨や骨に大きな異常は
認められません。

軟骨がすり減っている状態というのは、
かなり膝の変形が進んだ状態になります。

それまでに至る、膝痛の原因の
多くは、すねの骨や膝のお皿の
ねじれ
によるものなのです。

すねの骨が外にねじれること
脛骨の外旋といいますが、
この現象はО脚の人のほとんどに
見られます。

つまり、脛骨の外旋を矯正して
О脚を正せば、膝の痛みは改善し、
変形の進行も止められます。

脛骨の外旋は、重心の掛かり方
により決まります

この記事では、重心の掛かり方別
膝のゆがみを解説し、その解消法として
脛骨の外旋ーО脚を矯正するセルフケアを公開します。


1 О脚の人は変形性膝関節症予備軍


膝痛の原因は、軟骨がすり減るからだと思っている人が多いです。
しかし、膝痛を訴える人のほとんどは、病院で検査しても
軟骨や骨に異常は認められません。

軟骨がすり減っている状態というのは、
かなり膝の変形が進んだ状態に
なります。

そこまでに至らないと場合、
骨や軟骨そのものではなく
膝関節を構成する骨の配列に
異常をきたしていると言えます。

特に 膝痛持ちの中高年の
女性に多いのは、「下腿外旋症候群」
といわれるものです。

正常な骨の配列時に比べて、
下腿部が外にひねられた(外旋)
している状態です。


下腿外旋症候群ではむ
すねの骨が外にねじれて
外に張り出す形になります。


両側に見られる場合はもちろん、
片側〔患側〕のみに見られることも。

見た目の悪さはもちろん、将来的には
膝関節への負担が増していき、
変形性膝関節症などを引き起こす
ことが多くなります。

さて、この下腿外旋症候群は、
O脚の方のほとんどに見られます。

О脚には、
太ももからすねにかけて外に開き
左右のくるぶしをつけても
膝の内側がつかない
オーソドックスなもの
のほか、
日本人に多いといわれる 
XО脚があります。

XО脚は、膝下О脚ともいわれ、
太ももが内にねじれ
すねが外にねじれるタイプのО脚
です。

太ももは閉じていて
膝より下が外に開くものをいいます。

О脚は骨盤後傾の人に、
XО脚は骨盤前傾の人に
多いように思います。

どちらのタイプも、
すねが外にねじれているのが
特徴となります。

О脚、XО脚ともに、すねの骨が外旋し、
膝下が外に開きます。

2 膝関節のアライメントの異常を引き起こす2つの原因


膝の痛みを起こしている場合、
膝関節のアライメント
(骨の配列)
異常が見られます。


膝蓋骨の位置に対して、
すねの骨の脛骨の脛骨粗面という部位が
外側に位置している状態が
下腿の外方偏位といえます。

下腿が外方偏位を起こすと、
すねの外側が張り出し
О脚の形状を呈します。

脛骨が外旋して下腿が
外方偏位している側は、
重心側となります。


脛骨が外旋して
下腿が外方偏位していると、
同側に重心移動しやすくなるからです。

また、膝蓋骨は、重心側に傾きます。
ひざのお皿の下に
膝の目のように存在する
〔内膝眼〕〔外膝眼〕というツボ。
その位置を見ると、膝蓋骨の傾きを知ることができます。

外膝眼と内膝眼の高さの差で
膝蓋骨の傾きが解る
赤い丸の膝眼が緊張して位置が
高くなっている

膝蓋骨のアライメント異常のうち、
膝関節症に多い
下腿の外旋偏位を引き起こす原因は
2つあります。

一つは、すねの骨ー脛骨の外旋です。
これは重心側の脛骨に見られます。

もう一つは、膝蓋骨の回旋です。
右重心タイプでは 反時計回りに
左重心タイプでは 時計回りに
回旋
します。

下のイラストのように、
非重心側の下腿部で
外にズレる力が働きます。

つまり、左右の膝どちらにおいても
外方偏位は起こりますが、
その発生機序は全く違うことに
なります。

重心側では
下腿のねじれによって外方偏位を起こし
非重心側では
膝蓋骨のねじれによって外方偏位を引き起こす


3 すねの外ねじれに関与する筋肉


下腿外旋症候群には、大腿筋膜張筋の過緊張がみられます。
大腿筋膜張筋の作用は、股関節の屈曲・外転・内旋筋です。

大腿筋膜張筋は、腸脛靱帯に移行して脛骨外側顆に付着するため、
停止部のガーディ結節を引っ張ることで脛骨を外旋させるのです。

大腿筋膜張筋は、重心側で緊張する
筋肉です。
したがって、重心側の大腿は内旋し、
下腿は外旋位を呈します。

ちなみに
大腿筋膜張筋の大腿外転作用が強いと、
純粋なO脚になりやすく、
大腿内旋作用が強いと、
XO脚になりやすいです。

いずれにしても、下腿外旋はセットで
起こるわけです。

一方、非重心側でも下腿が外旋する
ことがあります。

膝蓋骨の外側が上がり内側が
下がる形で回旋することで、
下腿は外にねじれます。

大腿四頭筋という太ももの
前側の筋肉のうち、
外側広筋が膝蓋骨の外側、内側広筋が
膝蓋骨の内側の安定に働きます。

外側広筋と内側広筋の
緊張バランスにより、
膝蓋骨の傾きやねじれが生じます。

外側広筋が過緊張すると、
膝蓋骨の外側が上がり
内側が下がります。

内側広筋が過緊張すると、
膝蓋骨の内側が上がり
外側が下がります。

右重心タイプでは、
左膝の膝蓋骨が反時計回りにねじれ
それに伴い、左の下腿が外にねじれ
膝蓋骨は、外側に移動します。

左重心タイプでは、
右膝の膝蓋骨が時計回りにねじれ、
それに伴い、右の下腿が外にねじれ
膝蓋骨は、外側に移動します。

外側広筋と内側広筋の
緊張バランスにより
膝蓋骨の傾きや
内外の偏位に
関与する


4 すねの外ねじれは 膝痛の原因となる


変形性膝関節症や膝の痛みを
感じ始めた段階の人の多くは、
膝の内側に痛みを訴えることが
多いのです。


なぜ、膝の内側が痛む場合が
多いのでしょうか?
この答えには、脛骨の外旋が
大きくかかわります

膝を伸ばしていく場合、
すねの骨は外にねじれます。

膝の痛みを抱える方は、
膝を伸ばす時に、すねの骨が過度に
外旋し、膝関節が外にズレる
傾向があります。

これにより、とくに内側の
関節面が不整合となり、
この部位に過度なストレスがかかり
痛みが発生することが多くなるのです。

スネの外旋とともに
下腿全体が外方に湾曲し
内側に痛みを引き起こす

また、膝伸展に伴う脛骨の
外ねじれ運動により、
完全に伸ばしきった状態から
曲げていく時は、
スネの骨が内に捻じれていきます。

膝を伸ばしていくと過度に
外旋してしまう場合、
逆に曲げていくと内旋不足に
なってしまいます。

このように、
異常な回旋アライメントでの運動を
反復することで
膝内側へのストレスが増大し
痛みも増幅していきます。


5 すねの外ねじれを矯正するセルフケア


膝の痛みや変形に悩む人には、
О脚やXО脚の人が多く、
その特徴としてすねの
外ねじれがみられることを
お話ししました。

さらに、すねの外ねじれの
原因としては、

① 脛骨の外旋
② 膝蓋骨の回旋

があることも解っていただけたのでは。

そこで、
脛骨の外旋を矯正する  
太ももとすねのツイスト

膝蓋骨の回旋
を矯正する 
膝のお皿のツイスト
のやり方を公開します。

① 太ももとすねのツイスト

太ももとすねわ挟んで固定して、
それぞれ逆方向にねじります。

息を吐きながらねじって
息を吸った時に パっと圧を緩めて
刺激を解きます。


筋肉が元に戻る力を利用して
矯正します。

重心側の足は、
太ももは内側・すねは外側

非重心側の足は、
太ももは外側・すねは内側

にねじります。

ねじる⇔緩める の動作を
3回繰り返します。


太ももとすねを逆方向にねじるのが
ポイントです!


重心側の判定
は、

1 椅子に座って、足を上に組む側

2 ショルダーバッグを掛けると
荷物の部分がくる側

3 あぐらをかくと、上にくる側

4 立て膝をする側の足の逆側

です。


② 膝のお皿のツイスト

膝のお皿を写真のように
左右の親指と人差し指で挟んで
指を皮膚に密着させながら

右重心タイプは 左右ともに反時計回り
左重心タイプは 左右ともに時計回り

にゆっくりと回します。

息を吐きながらねじって、
息を吸った時に圧を緩め
刺激を解きます。

ねじる⇔緩める の動作を、
3回繰り返します。

右重心タイプは反時計回り、
左重心タイプは時計回りに
回します

      


     


変形性膝関節症は、
いきなり軟骨の変性や関節の変形が
始まるのではありません。

初期には、膝関節に付着する
筋肉のアンバランスによる
骨のねじれやズレが原因で
痛みや動きの制限がみられます。

この時期は、膝関節を構成する
大腿骨と脛骨、膝蓋骨の
アライメント〔骨の配列〕を
正すことが重要
です。

深刻な膝の痛みがなくても
О脚を自覚する方、
指摘された事のある人は、
変形性膝関節症予備軍です。

ぜひ、この記事のセルフケアを
お勧めします。





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